古今和歌集 1031
はるがすみ たなびくのべの わかなにも なりみてしかな ひともつむやと春霞 たなびく野辺の 若菜にも なりみてしかな 人も摘むやと 藤原興風 春風のたなび
古今和歌集 1030
ひとにあはむ つきのなきには おもひおきて むねはしりびに こころやけをり人にあはむ つきのなきには 思ひおきて 胸走り火に 心焼けをり...
古今和歌集 1016
あきののに なまめきたてる をみなへし あなかしがまし はなもひととき秋の野に なまめき立てる 女郎花 あなかしがまし 花もひと時...
古今和歌集 1015
むつごとも まだつきなくに あけぬめり いづらはあきの ながしてふよはむつごとも まだ尽きなくに 明けぬめり いづらは秋の 長してふ夜は...
古今和歌集 1014
いつしかと またくこころを はぎにあげて あまのかはらを けふやわたらむいつしかと またく心を 脛にあげて 天の河原を 今日やわたらむ...
古今和歌集 1013
いくばくの たをつくればか ほととぎす しでのたをさを あさなあさなよぶいくばくの 田をつくればか ほととぎす しでの田長を 朝な朝な呼ぶ...
古今和歌集 1012
やまぶきの はないろごろも ぬしやたれ とへどこたへず くちなしにして山吹の 花色衣 主や誰 問へど答へず くちなしにして...
古今和歌集 1010
きみがさす みかさのやまの もみぢばのいろかみなづき しぐれのあめの そめるなりけり君がさす みかさの山の もみぢ葉の色神無月 時雨の雨の 染めるなりけり...
古今和歌集 1006
おきつなみ あれのみまさる みやのうちは としへてすみしいせのあまも ふねながした...
古今和歌集 1005
ちはやぶる かみなづきとや けさよりは くもりもあへず はつしぐれ もみぢとともに ふるさとの よしののやま...
古今和歌集 1004
きみがよに あふさかやまの いはしみづ こかくれたりと おもひけるかな君が代に あふさか山の 岩清水 木隠れたりと 思ひけるかな...