古今和歌集 0970
わすれては ゆめかとぞおもふ おもひきや ゆきふみわけて きみをみむとは忘れては 夢かとぞ思ふ 思ひきや 雪踏みわけて 君を見むとは 在原業平 現実である
古今和歌集 0969
いまぞしる くるしきものと ひとまたむ さとをばかれず とふべかりけり今ぞ知る 苦しきものと 人待たむ 里をば離れず とふべかりけり...
古今和歌集 0968
ひさかたの なかにおひたる さとなれば ひかりをのみぞ たのむべらなるひさかたの なかに生ひたる 里なれば 光をのみぞ たのむべらなる...
古今和歌集 0957
いまさらに なにおひいづらむ たけのこの うきふししげき よとはしらずやいまさらに なに生ひ出づらむ 竹の子の うきふししげき よとは知らずや...
古今和歌集 0956
よをすてて やまにいるひと やまにても なほうきときは いづちゆくらむ世をすてて 山に入る人 山にても なほ憂き時は いづち行くらむ...
古今和歌集 0947
いづこにか よをばいとはむ こころこそ のにもやまにも まどふべらなれいづこにか 世をばいとはむ 心こそ 野にも山にも まどふべらなれ...
古今和歌集 0939
あはれてふ ことこそうたて よのなかを おもひはなれぬ ほだしなりけれあはれてふ ことこそうたて 世の中の 思ひ離れぬ ほだしなりけれ...
古今和歌集 0938
わびぬれば みをうきくさの ねをたえて さそふみづあらば いなむとぞおもふわびぬれば 身をうき草の 根を絶えて さそふ水あらば 去なむとぞ思ふ...
古今和歌集 0932
かりてほす やまだのいねの こきたれて なきこそわたれ あきのうければかりてほす 山田の稲の こきたれて なきこそわたれ 秋のうければ...
古今和歌集 0931
さきそめし ときよりのちは うちはへて よははるなれや いろのつねなる咲きそめし 時よりのちは うちはへて 世は春なれや 色の常なる...
古今和歌集 0929
かぜふけど ところもさらぬ しらくもは よをへておつる みずにぞありける風吹けど 所も去らぬ 白雲は 世を経て落つる 水にぞありける...