貫之集 552
やまかけに つくるやまだの こがくれて ほにいでぬこひぞ わびしかりける山蔭に つくる山田の 木がくれて ほに出でぬ恋ぞ わびしかりける 山蔭に作る山田が木の陰に隠れてなかなか穂
貫之集 367
貫之集 第四 天慶二年四月、右大将殿御屏風の歌二十首人の家に紅梅ありくれなゐに いろをばかへて むめのはな かぞことごとに にほはざりける紅に 色をばかへて 梅の花 香ぞ
貫之集 272
あしひきの やまもとしげき なつくさの ふかくもきみを おもふころかなあしひきの 山下しげき 夏草の 深くも君を 思ふころかな...
【歌の手帳】夏と秋と
夏と秋とゆきかふ空のかよひぢはかたへ涼しき風や吹くらむ(古今集)歌意「暦の上では夏の終...
古今和歌集 1067
わびしらに ましらななきそ あしひきの やまのかひある けふにやはあらぬわびしらに ましらな鳴きそ あしひきの 山のかひある 今日にやはあらぬ...
古今和歌集 1035
せみのはの ひとへにうすき なつごろも なればよりなむ ものにやはあらぬ蝉の羽の ひとへに薄き 夏衣 なればよりなむ ものにやはあらぬ...
古今和歌集 1015
むつごとも まだつきなくに あけぬめり いづらはあきの ながしてふよはむつごとも まだ尽きなくに 明けぬめり いづらは秋の 長してふ夜は...
古今和歌集 1005
ちはやぶる かみなづきとや けさよりは くもりもあへず はつしぐれ もみぢとともに ふるさとの よしののやま...
古今和歌集 0979
きみをのみ おもひこしぢの しらやまは いつかはゆきの きゆるときある君をのみ 思ひこしぢの 白山は いつかは雪の 消ゆる時ある...
古今和歌集 0978
きみがおもひ ゆきとつもらば たのまれず はるよりのちは あらじとおもへば君が思ひ 雪と積もらば たのまれず 春よりのちは あらじと思へば...
古今和歌集 0977
みをすてて ゆきやしにけむ おもふより ほかなるものは こころなりけり身をすてて 行きやしにけむ 思ふより ほかなるものは 心なりけり...