古今和歌集 1003
くれたけの よよのふること なかりせば いかほのぬまの いかにして おもふこころを のばへまし あはれむかしへ ありきてふ ひとまろこそは うれしけれ みはしたな
古今和歌集 1002
ちはやぶる かみのみよより くれたけの よよにもたえずあまびこの おとはのやま...
古今和歌集 1000
やまかはの おとにのみきく ももしきを みをはやながら みるよしもがな山川の 音にのみ聞く ももしきを 身をはやながら 見るよしもがな...
古今和歌集 0991
ふるさとは みしごともあらず をののえの くちしところぞ こひしかりけるふるさとは 見しごともあらず 斧の柄の 朽ちし所ぞ 恋ひしかりける...
古今和歌集 0990
あすかがは ふちにもあらぬ わがやども せにかはりゆく ものにぞありける飛鳥川 淵にもあらぬ わが宿も せにかはりゆく ものにぞありける...
古今和歌集 0985
わびびとの すむべきやどと みるなへに なげきくははる ことのねぞするわび人の 住むべき宿と 見るなへに 嘆き加わる 琴の音ぞする...
古今和歌集 0980
おもひやる こしのしらやま しらねども ひとよもゆめに こえぬよぞなき思ひやる 越の白山 知らねども 一夜も夢に 越えぬ夜ぞなき...
古今和歌集 0978
きみがおもひ ゆきとつもらば たのまれず はるよりのちは あらじとおもへば君が思ひ 雪と積もらば たのまれず 春よりのちは あらじと思へば...
古今和歌集 0977
みをすてて ゆきやしにけむ おもふより ほかなるものは こころなりけり身をすてて 行きやしにけむ 思ふより ほかなるものは 心なりけり...
古今和歌集 0976
みづのおも におふるさつきの うきくさの うきことあれや ねをたえてこぬ水の面に おふる五月の 浮草の 憂きことあれや 根をたえて来ぬ...
古今和歌集 0971
としをへて すみこしさとを いでていなば いとどふかくさ のとやなりなむ年を経て 住みこし里を 出でていなば いとど深草 野とやなりなむ...