漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 1012

2022-08-07 06:01:43 | 古今和歌集

やまぶきの はないろごろも ぬしやたれ とへどこたへず くちなしにして

山吹の 花色衣 主や誰 問へど答へず くちなしにして

 

素性法師

 

 山吹の花の色の衣よ、あなたの持ち主は誰なのか。そう問うても答は返って来ない。「くちなし」なのだから。

 植物の「梔子(くちなし)」と「口無し」をかけて戯れた歌。掛詞と言うより駄洒落に近い気がしますね、と言っては失礼かもしれませんが、諧謔歌らしい歌と言えましょうか。印象的な「ぬしやたれ」のフレーズは 0873 にも出てきましたね。

 

ぬしやたれ とへどしらたま いはなくに さらばなべてや あはれとおもはむ

主やたれ 問へど白玉 言はなくに さらばなべてや あはれと思はむ

 

河原左大臣

 



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