古今和歌集 0578
わがごとく ものやかなしき ほととぎす ときぞともなく よただなくらむわがごとく ものやかなしき ほととぎす 時ぞともなく 夜ただ鳴くらむ 藤原敏行 私と
古今和歌集 0559
すみのえの きしによるなみ よるさへや ゆめのかよひぢ ひとめよくらむ住の江の 岸に寄る波 夜さへや 夢の通ひ路 人目よくらむ...
古今和歌集 0558
こひわびて うちねるなかに ゆきかよふ ゆめのただちは うつつならなむ恋わびて うち寝るなかに 行きかよふ 夢の直路は うつつならなむ...
古今和歌集 0423
くべきほど ときすぎぬれや まちわびて なくなるこゑの ひとをとよむる来べきほど 時すぎぬれや 待ちわびて 鳴くなる声の 人をとよむる...
古今和歌集 0422
こころから はなのしづくに そほちつつ うくひずとのみ とりのなくらむ心から 花のしづくに そほちつつ 憂く干ずとのみ 鳥のなくらむ...
古今和歌集 0295
わがきつる かたもしられず くらぶやま きぎのこのはの ちるとまがふにわが来つる 方もしられず くらぶやま 木々の木の葉の 散るとまがふに...
古今和歌集 0269
ひさかたの くものうへにて みるきくは あまつほしとぞ あやまたれけるひさかたの 雲の上にて 見る菊は あまつ星とぞ あやまたれける...
古今和歌集 0257
しらつゆの いろはひとつを いかにして あきのこのはを ちぢにそむらむ白露の 色はひとつを いかにして 秋の木の葉を ちぢにそむらむ...
古今和歌集 0239
なにびとか きてぬぎかけし ふぢばかま くるあきごとに のべをにほはすなに人か 来てぬぎかけし 藤袴 来る秋ごとに 野辺をにほはす...
古今和歌集 0228
あきののに やどりはすべし をみなへし なをむつましみ たびならなくに秋の野に 宿りはすべし 女郎花 名をむつましみ 旅ならなくに...
古今和歌集 0218
あきはぎの はなさきにけり たかさごの をのへのしかは いまやなくらむ秋萩の 花咲きにけり 高砂の 尾上の鹿は 今や鳴くらむ...