これはこのお盆の3日間に渡って、上高地から涸沢~奧穂~ジャンダルム~天狗岳~西穂~独標~西穂山荘を辿ったレポまとめになります。
3日目(8月15日 )
4:10AM
起床。アルコールストーブに火を入れ、朝コーヒーを沸かします。
日が登ってきました。
5:20AM
まず奥穂に向け出発。登り始めてすぐ、振り返ってテン場を見ると朝日を浴びて黄金に輝いてました。
肩まで登って振り返ると雲海の上から槍の穂先が。絶景。
この景色を見ると奥穂にやってきた~と実感します。
奥穂頂上にある祠(ほこら)が見えてきました(左上)。ガスの向こうにジャンダルム(右側)。
5:50AM
奥穂高岳頂上(3190m)に到着。人でごったがえしてました。
眼下の雲が晴れてきて、槍がはっきりと見えてきました。
天空の岩城、ジャンダルム。どなたか1人、ピークに立ってるのが見えます。自分も今からそっちに行くからね~
ルートは、ドーム型をしたピークの基部までいって、左側から裏側(飛騨側)に巻いて登ります。
6:05AM
最初の難関、馬の背に取りかかります。やはり渋滞してました。痩せた岩稜で、左右すぱっと切れています。いうならば数百メートル上にある平均台の上という感じでしょうか。
ただ、下がガスっててあまり高度感を感じない。大キレットの長谷川ピークよりも足場があるように見えますが、最適なラインは確かにあります。
そんなわけでメジャーになりつつもあってもまだ一般ルートではないという印象。1歩1手間違えば奈落の底。皆慎重にルートを見極めながら歩みを進めてゆきます。
近づいてきました。ドーム基部まで横ばいと垂直の連続。浮き石に注意して慎重に足を運ぶのは当然ですが、
逆に上から落石をされたらひとたまりもありません。なので、ヘルメットは必須といえます。
もしもメットをかぶらない人が先行してたら、可能な限り間を置くようにして注意深く観察するように心がけてます。
これは個人的な考えなのですが、自分の安全に無頓着ということは、他人に対しても無頓着で、
浮き石とかもかまわず蹴り落とすのではないかと思ってしまうのです。
こうした岩場ではヘルメットは自分のためだけでなく、マナーとしてやはり装着は必須だと思います。
頑固で申し訳ない。
あと少し。鎖はあるけれど錆びがひどくメンテされている様子が見られない。アンカーが腐食し体重をかけるとスポっと抜けるかも。
なので可能な限り頼らないほうがいい。ヌンチャクを持っていてもあえて使わないほうがいいと思います。
ここに限らず、奥穂~ジャン~西穂ルート上にある鎖場はその周りに3点支持ができるホールドが豊富にあるので、鎖に触れなくても問題なく登れると思います。
自分は岩登りを楽しみたく、今回は頑なに一切触れませんでした。
最後の登り。ここから直登ではなく飛騨側に巻きながら登ってゆきます。
奥穂から見て裏側(西穂側)から見たジャンダルム。この面を登ってゆきます。
6:40AM
gens d'armes 頂上到着。3163m。西穂よりも高い位置にありますが、奥穂の傍にあるからか穂高の名を冠しない前衛峰。
周りに何も遮るものがなく、360度の大パノラマを楽しむことができました。20分ほど休憩。
7:00AM
ジャンダルムを後に、次の目的地、天狗岳を目指します。
高山植物を見るとはハイジが頭に浮かびます。
ハイジはユキちゃんの乳がでないと食肉用にされてしまうということで、薬効のある高山植物を必至になって集めていました。
8:05AM
天狗岳頂上に到着。
9:35AM
西穂山頂(2908m)に到着。三角点を示す花崗岩が埋まってました。これは神社の敷居と同じく踏んではいけません。
西穂山頂からこれまで辿ってきた道を振り返ります。正面に見えるのは天狗岳。西穂を後に、次の経由地、独標を目指します。
独標が見えてきました。多くの人がピークにいるようです。
10:45AM
独標(2701m)に到着。40名ほどの方が先にいました。西穂山荘~独標は人気ルートなので混雑はある程度予想はしてましたがしかしすごい盛況ぶり。
独標からの下りは大渋滞。基本、登り優先なので待っていますと全然途絶えない。
ようやっとのことでハイ松帯まで降りてくることができました。
西穂の山荘を目指します。ここからは結構、ダラダラした長い道で、さらに不安定な石だらけで、捻挫しないか気が気で無い。
これが体力的にも精神的にも結構キツい。
山荘の赤い屋根が見えてきました!ゴールまであと少し!
11:30AM
西穂山荘(2385m)に到着~♪ しかし、むちゃくちゃ暑く、身体がずっと火照ったままです。熱中症の直前なのかも。
ここではカレーでなくラーメン食べたかったけど、身体が受け付けない。。
これはヤバいと思い、冷たい水でタオルを濡らし頭にかぶせ、ポカリスウェット500ペットをまず一気飲み。
その後続けて、リンゴ味のソフトクリームをいただき、しばらく休憩をとりました。
以上、穂高岳山荘から5時間10分の行程でした。ちょうど上高地から涸沢と同じ時間かかったことになりますが、
疲労度的には、比較にならない。特に最後の独標から山荘までが辛かった。
以上、お盆に決行した、奥穂~ジャンダルム~西穂縦走記でした。
前に同じルートを辿ったのは多分20代後半。あのときはここまで疲労しなかった。
山の景色は同じなのに、歩いている自分自身に変化がありすぎる。
”もう若くない”という現実を突きつけられ、それに抗うことなく100%認めざるをえない、そんな山行でした。
また10年後、同じルートを辿ることが果たしてできるだろうか?
気力だけは若い奴には負けん!という頑固さでまた来ようと思います。
ジャンダルムヤバいですね~
いつか行ってみたいとずっと思ってます。
クライミングのスキルが無いと危ないんでしょうか?
ゴッサーマーギアのKUMO、今回初めて使いましたが、個人的にはバランスも良く、永く使っていける感触を得ました。ただ、節約気味の長さのウエストベルトが、ちょっと自分には不足気味でした(w
レビューは週末にはアップして、お知らせします。
fuusoraさんは山にはよく行かれてますし、体力的には問題ないと思いますよ。
そしてクライミングはやっぱやっておいたほうがいいにこしたことはないですよ。たとえば3点支持していてもどこか1点が、崩れたりしてリリースされ振り子のようにフラつくカラダを焦らず制御しすぐ最適なホールドを探すことができるか、という技術は無いにこしたことないです。ましてや、重いザックを背負い、重心が違う状況ででもです。ジャンダルムへのルートは痩せた岩場で脆く浮いた岩がところどころにあり、そうした3点支持が失われる不測の事態に遭遇する確率は他の岩場より断然高いと思います。
またクライミング経験の無い方は、腕力頼りに全身力を振り絞るように登っているので、傍でみていてもその様相と息切れの激しさからすぐにわかります。
慣れている人は、力もあまりかけず途中途中でレストしながら省エネモードで登ってゆくのでその差は顕著です。
馬の背でも片手でレストできるようなホールドがところどころありましたが、経験がないとどのホールドをどうつかんでどの方向にムーヴするといいのか、これはやはり経験だと思います。
そういう技術なくても全身勝負で登れないことはないですが、リスクは他の人よりも多く抱えているという状況での山行ということになると思います。
実際、自分も学生時代はそんなむちゃな登りをしていました。ジャンも奥穂側から垂直に登りました。手の平は血だらけ、全て体力と腕力。今から思うとよく今まで命があったもんだと、山の神様に感謝しています。
あと、ジャンダルムから先の西穂への行程、これがかなり体力がいります。気持ち的にはジャンダルム攻略で終わった~という感じなので、なおさらです。
なので、行くならばジャンダルムへの往復という選択も考えられますが、ジャンから奥穂への復路は、往路よりも難しい(極端な垂直下りがある)とされています。人によってはアンカーが腐った鎖を頼りにせねばならない状況で、それこそ命がけです。
初めて行かれるならば、やはり経験者の方と行かれることをおすすめします。
私はちなみにまた今週末、新幕の試し張りとBBQを兼ねて涸沢入りします~ もしいらっしゃるようでしたらドマドームライト2を見たら声をかけてみてください。そして気がむいたら奥穂と涸沢槍にいこうかと思ってます(^^)