今日は、バイトの後、歯医者で親知らずを抜いた。親知らずを抜くのは初めてだ。ペンチで引っこ抜くとかいう噂だから、怖いような楽しみなような。まず、麻酔。そのまましばらく置いて、いざ処置へ。先生、いつもの穏やかな声で、それでは始めますよ、ちょっとギシギシしますよ、何かあったら左手あげてくださいねーと言った。目隠しがされ、いきなり先生の手に力が入る。最初はペンチじゃなく何やら小さい装置で削っているようで、ある程度削ったら、いよいよペンチらしき触感登場。あんなに穏やかな先生が、ふんっと唸った。これは力仕事らしい。ちょっと笑いが込み上げる。処置が終わったら先生が抜いた歯を見せてくれた。根っこがしっかりしてたから、思ったよりも手こずりましたよーと、いつもの穏やかさを取り戻した先生は言った。大きい歯だった。そして、歯も先生の手も私の口周りも血まみれだった。またひとつ、大人の階段を上ったなと思った。ところで、親知らずってなんでそういう名前なんだろう?
