八十六歳になる母は信州に生まれ育ちました。
その母が子どもの頃、飼い猫が子をたくさん産んだそうです。
子猫ですからかわいいですね。
しかし、かわいい子猫も数が多いとなると世話や何やらで大変です。
すると母の祖母が子猫を畑に持って行きます。
大きな穴を掘って埋めてしまうのですね。
今の時代ですと大変な事で法に触れますから処罰の対象になります。
しかし、当時は戦時下にあります。しかも田舎の暮らしは自然と対峙して行く日々。生半可なセンチメンタリズムは其処には存在しません。
さあ、あなたはこのストーリーを聞いた今、何を思うのか。子猫を生き埋めにするのは残酷ですが、その是非を自身に問うてみるのがいいでしょう。
よくよく考えてみると物事の本質がおぼろげながらも見えてきます。
了