もう何十年も、全身性エリテマトーデス(SLE)の治療は、ステロイドと免疫抑制剤ばっかり、ということを知って、今、新薬は、どんなものが開発されているんだろう、と調べてみました。そしたら、まったく別のことを発見しました!
アメリカやイギリスでは、臓器障害のないSLE患者には、ハイドロキシクロロキン(hydroxychloroquine; 商品名:プラケニル Plaquenil)というお薬を使うことがよくあるようです。米国食品医薬品局(FDA)で1955年4月に承認され、1959年ごろから使用されているとか。
これは、もともと抗マラリア薬なのですが、抗リウマチ薬としても利用されていて、腎臓や肝臓などの臓器障害がない場合、SLEの治療でも非常に効果があるという報告を見かけます。関節痛、光線過敏、疲労感、脱毛、紅斑のような症状が改善するとか、シェ―グレン症候群の口内乾燥が改善するとか言われていたり、ステロイドが効きにくい間質性肺炎でも効果があったという報告もあったり。
まさに、わたしが求めているものでは!?
ただ、日本では、このハイドロキシクロロキンは、網膜症の副作用(網膜での核酸・蛋白合成阻害による)があって、1976年に日本薬局方から削除されたそうです。きれいに削除されてしまっているのが不思議です。
サリドマイドの副作用について、大日本製薬や国と被害者の和解が成立したのが1974年なので、もしかしたら当時の時代背景として、影響があったのでしょうか…。(ちなみに、サリドマイドは、2008年、多発性骨髄腫の治療薬として再度、承認されています。)
アメリカやイギリスでのある統計では、1錠が200mgで1日1~2錠(6.5 mg/kg/day)の服用しても、投与期間が5年までは、網膜症はほとんど起こらないと言われています。
実際に使用している場面では、半年から1年に一度、眼科検診してね、と言われるくらいだとか。
妊娠中は使えないとか効果が出るのに3週間から数ヶ月かかるという面もあるようですが、選択肢が広がるのは捨てがたいです。
※追記: 米国食品医薬品局(FDA)の定義では、胎児危険度分類基準では、カテゴリーCで「リスクについて否定できないもの」でした。(ほとんどの薬剤がここに分類されています。)妊娠を予定している場合は、主治医に服用に関するリスクとメリットを検討してもらって決めるのがいいだろうというところのようです。
海外の治療が絶対とは思わないし、たとえば黄色人種に出やすい副作用の統計が少ないのかもしれないけれど、副作用のない薬はないわけで、ステロイドにもリスクがあることを考えると、承認が検討されたらいいのに…と思うのです。
ちょうど先月、「ハイドロキシクロロキン使用はSLEにおいては安全ではないか」という記事も出ていました。リウマチに対する服用と比べて、SLEの場合の服用は量が少ないのですが、比較的、長期服用しても問題ないという報告もあります。
副作用で入院しても、保険適用されないのかなぁ、なんて勝手に想像を膨らませて、ハイドロキシクロロキンを個人輸入するだけの情熱はないかな…と思ってしまったり、このつらさが楽になるなら、100錠で8,000円(3ヶ月分?)は出す価値があるかもと思ったりしてます。
次の外来(ってずいぶん先だけど)で、このお薬をどう考えるか、先生に聞いてみよっと!
海外でこれだけ臨床データが出揃っているのだから、日本で承認されたらいいのに。そのための治験なら協力してもいいなぁ。
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こんな知らない薬が当たり前に使われている国もあるんだねー、と思ったらクリックを♪
アメリカやイギリスでは、臓器障害のないSLE患者には、ハイドロキシクロロキン(hydroxychloroquine; 商品名:プラケニル Plaquenil)というお薬を使うことがよくあるようです。米国食品医薬品局(FDA)で1955年4月に承認され、1959年ごろから使用されているとか。
これは、もともと抗マラリア薬なのですが、抗リウマチ薬としても利用されていて、腎臓や肝臓などの臓器障害がない場合、SLEの治療でも非常に効果があるという報告を見かけます。関節痛、光線過敏、疲労感、脱毛、紅斑のような症状が改善するとか、シェ―グレン症候群の口内乾燥が改善するとか言われていたり、ステロイドが効きにくい間質性肺炎でも効果があったという報告もあったり。
まさに、わたしが求めているものでは!?
ただ、日本では、このハイドロキシクロロキンは、網膜症の副作用(網膜での核酸・蛋白合成阻害による)があって、1976年に日本薬局方から削除されたそうです。きれいに削除されてしまっているのが不思議です。
サリドマイドの副作用について、大日本製薬や国と被害者の和解が成立したのが1974年なので、もしかしたら当時の時代背景として、影響があったのでしょうか…。(ちなみに、サリドマイドは、2008年、多発性骨髄腫の治療薬として再度、承認されています。)
アメリカやイギリスでのある統計では、1錠が200mgで1日1~2錠(6.5 mg/kg/day)の服用しても、投与期間が5年までは、網膜症はほとんど起こらないと言われています。
実際に使用している場面では、半年から1年に一度、眼科検診してね、と言われるくらいだとか。
妊娠中は使えないとか効果が出るのに3週間から数ヶ月かかるという面もあるようですが、選択肢が広がるのは捨てがたいです。
※追記: 米国食品医薬品局(FDA)の定義では、胎児危険度分類基準では、カテゴリーCで「リスクについて否定できないもの」でした。(ほとんどの薬剤がここに分類されています。)妊娠を予定している場合は、主治医に服用に関するリスクとメリットを検討してもらって決めるのがいいだろうというところのようです。
海外の治療が絶対とは思わないし、たとえば黄色人種に出やすい副作用の統計が少ないのかもしれないけれど、副作用のない薬はないわけで、ステロイドにもリスクがあることを考えると、承認が検討されたらいいのに…と思うのです。
ちょうど先月、「ハイドロキシクロロキン使用はSLEにおいては安全ではないか」という記事も出ていました。リウマチに対する服用と比べて、SLEの場合の服用は量が少ないのですが、比較的、長期服用しても問題ないという報告もあります。
副作用で入院しても、保険適用されないのかなぁ、なんて勝手に想像を膨らませて、ハイドロキシクロロキンを個人輸入するだけの情熱はないかな…と思ってしまったり、このつらさが楽になるなら、100錠で8,000円(3ヶ月分?)は出す価値があるかもと思ったりしてます。
次の外来(ってずいぶん先だけど)で、このお薬をどう考えるか、先生に聞いてみよっと!
海外でこれだけ臨床データが出揃っているのだから、日本で承認されたらいいのに。そのための治験なら協力してもいいなぁ。
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こんな知らない薬が当たり前に使われている国もあるんだねー、と思ったらクリックを♪
ちょうどステロイドがでたのも50年位前だっけ??
他の薬はステロイドよりインパクトが低すぎなのかなぁ
それにしても患者にとっては色々薬を選択できた方がイイですよね
ステロイドのムーンフェイスや感染症。免疫抑制剤の高熱から解放されたい人はたくさんいるんだし・・・
実際にFDAで認可されたのは別の薬のようですが、ステロイドが広く治療に使われるようになったのも1950年代みたいです。
SLEについて言うと、ステロイドが広がるまでは5年生存率は50%、今では通常の生存率とほとんど変わらない95%以上になっていると言われますね。
お薬にはリスクがあるからこそ、1種類の治療法しかないというのは避けられたらいいですね。
関節リウマチについては、いろんな治療法が増えてきているけれど、他の膠原病については、まだまだこれからみたいです。
今も、いろいろ新薬が開発されていて、効果がある人にはあるみたいですけど、なかなか商品化できるほど「みんなにある程度の効果がある」というところまでは行かないみたいですね。
私は採血結果に異常があるのに全く症状が無い状態のSLE患者です。現在海外に在住していてこちらでプラキニルを飲んでいるんですが日本ではこの薬は許可されていない事が残念でなりません。私はこの薬のおかげで発病を延ばす事が出来ていると思っています。もっと色んな方々の症状を助ける為にもまた日本で認可されるように署名か何かが出来ればいいのですが...
勝手な独り言すみませんでした。
欧米では、SLEの初期に、とってもポピュラーに使われているようですね。
実際に、使用されている方のコメント、うれしいです。
網膜症の症例に、人種のよる違いがあるのか、など、先生に伺ってみる必要はあるかなと思いながら、可能性の選択肢という意味で、認可されていくといいのかもしれない、とも思います。
まいさんは症状が出てないとのことですが、どうかお大事になさってください♪
今後とも、よかったら情報を教えてくださいませ。
このコメント、一度、書いたのに、間違えて消してしまったみたいです、失礼しました!
1年半前に リウマチと診断され 免疫抑制剤とともに このハイドロキシクロロキン朝晩1錠づつ飲んでいます。結果はすごくよかったのですが 網膜に 薄くなっているところが見つかり 眼科医の勧めで レザー治療しました。 lattiee degeneration との診断名。
もしかしたら このハイドロキシクロンの 影響かと思い 飲むのを 中止しました。やめて3ヶ月 痛みが ひどくなり血液検査では ひどいことになりました。又先週より リウマチの先生にお願いして ハイドロ飲みだしました。9月半ばにまた 検査に行ってきます。網膜損傷で失明者が出たとの過去の記録で 怖くなったんですが 、、、。
リウマチのお具合はいかがですか?
ハイドロキシクロロキンはDMARDsといわれるわりとゆっくり効く抗リウマチ薬として、使われることもあるのですよね。
どれくらいの量を使うのが一般的なのか、実際にsirousagiさんがどれくらい飲まれているのかわかりませんが、網膜症は大量の服用を長期つづけると出ることが多いと聞きました。
目の症状については、心配になられるなら、先生にその気持ちを伝えて、どういうことを気をつけるのがいいのか聞かれるのがいいかもしれません。
眼科の検診の頻度をあげた方がいいのか伺ったり、どんな症状があったらすぐ病院に行くべきかを教えていただいたら、お薬を安心して使っていけますものね。
湿度も高くて大変かもしれません。
どうかお大事になさってください。
よかったら、また遊びに来てください!
痛みはいかがですか?
ハイドロキシクロロキンをまた飲み始められたところなのですね。
情報をありがとうございます!
数ヶ月、飲みつづけて、「あれ?効いてる?かも?」というような効き方だという方もいらっしゃるから、効いてくるにはもう少し時間が掛かるでしょうか。
日本でこのお薬が認可されにくいのは、なぜか
いろいろ調べたり聞いたりしてみたのですが、いくつかハードルがあるみたいでした。
・効果が緩やかで、優先的に認可を受けるだけの、「著しく高い有効性又は安全性」を訴えにくい
・よく使う皮膚ループスや軽症SLEの患者数が限られること
・薬の特許が切れていて、治験コストを回収する前に、後発薬が参入しそうということ
http://blog.goo.ne.jp/propacil/e/ef7069b5c258dfda5a1ffff8e71dceb4
http://blog.goo.ne.jp/propacil/e/eea2a03757556b7c03d5df5f36dd54d5
ただ、日本ではステロイドの長期投与のためだと思われる骨折や糖尿病も多いようで、ステロイド以外の選択肢がきちんと提供されている意味は大きいんじゃないかと思います。
認可に向けて、研究会もはじまったようですし、認可されていくといいなと願っています。
sirousagiさんも、どうぞお大事になさってくださいね。
ヤフー検索で「クロロキン SLE」と打ち込んだら、こちらのブログが一番にヒットしお邪魔させて頂きました。
今日の外来で、主治医に「クロロキン」を試してもいい状態かもしれないと言われ、服用するにはインターネットでアメリカから個人購入し、指示のできる医師のところに行かなくてはならないと言われました。
今すぐにでも試しましょうというわけでもありませんが、このままいくとプレドニン10mgだけではヤバそう…。
今までは悪くなればプレドニンを増やしてという繰り返しでしたが、最近プレドニンの効きが悪くなってきたと感じていたので、クロロキンというものがあることを知り、明るい光が見えてきたような…。
ただ、日本ではまだ面倒ですね。
このブログでは、実際クロロキンを試した方もいてとても参考になりました。ありがとうございました。
またお邪魔させて頂きます!
お役に立てたようでしたら、何よりです。
なるほど、初期だけでなくて、少量のプレドニンを使っていて、耐性ができた場合に検討されることもあるのですね。勉強になります。
ハイドロキシクロロキンを個人輸入で使用されている方は、国内にもいらっしゃるようですね。
臨床試験を始めようとする活動をしているチームもあるようです。(実際に始まるには少し時間がかかるかもしれませんが。)
欧米ではクロロキンはとてもポピュラーであるようです。
日本では、プレドニンが王道なので、長期服用での糖尿病や骨粗鬆症が他の国より多いんじゃないかと想像するんですけれど、どうなんでしょうね。
また、ぜひぜひいらしてください。
お待ちしています♪