家族が退院しました~♪
脳幹梗塞を根本的に治したわけではないし、心臓の大動脈瘤はステント手術など積極治療はせずに温存しているので、あいかわらず、梗塞を強力に溶かす血栓溶解剤は飲めない状況のままですが、何はともあれ、今年も桜が見られて、何よりです。
そんなわけで、ひと段落♪ 先月の、わたし自身の甲状腺の負荷検査の前後に、ひさしぶりに読んだ甲状腺の資料も、この家族の入院&お引越しでそのままにしていたので、少しずつ読み直しています~。
個人的に興味があったのは、ANCA関連血管炎とメルカゾールのこと。
抗甲状腺薬のプロパジール(PTU)を1~2年以上飲むと、細かい血管で、血管炎を起こすAncaという自己免疫抗体が陽性になってしまうことがあるという副作用があって、わたしも、その副作用で、プロパジールが飲めなくなりました。
プロパジールを止めたあと、カップも持てないくらい手が振るえて、亢進の症状があまりにつらくて、「お願いだから、別の薬(メルカゾール)を飲ませてください!!!」と懇願したのでしたが、内分泌の先生たちは大反対しました。
「あなたの病態がバセドウ病ではなさそうで薬を一生飲みつづける可能性があるけれど、メルカゾールでもAncaの報告例はあるから、長期で飲みつづけることは勧められない」という話でした。
当時、わたしが聞いたメルカゾールでのANCA関連血管炎の副作用が出たという報告は限られていて、「ほんとうにメルカゾールの副作用なのか、他の原因で起きたANCA関連血管炎なのか、わからないじゃないですか!?」と言ってみたのですが、今度は、膠原病の先生たちが、「そうは言っても、ANCA関連血管炎は発生のメカニズム(機序)がまだはっきりしていないし、発症すると、すぐ命にかかわったり、かなりつらい状態になる可能性がある病気だから、安易に考えない方がいいよ」と、すごく時間をかけて説明されました。
けっきょく、「リスクをちゃんと理解したうえで、ちゃんと観察するから、メルカゾールを飲ませてください」と主張して、膠原病の主治医も「じゃあ、そこまで言うなら、いざというときには、全力で救命の努力をしましょう」と言ってくれたので、内分泌の先生から、メルカゾールを飲み始める処方をしてもらえるようになりました。
そんないきさつがあったので、『抗甲状腺薬によるMPO-Anca関連血管炎』という伊藤病院の吉村弘先生の論文(月刊『M.P.』2009年1月号)には、おぉ!と反応してしまいました(笑)
そこでは、プロパジール(PTU)が、国内の学会報告49例を検証されているのに対して、メルカゾール(MMI)も18例で検証していて、統計情報としては少なすぎですが、メルカゾールでの症例報告もずいぶん増えたなぁ~と、ちょっと驚きました。
ちなみに、いつ出てくる?という点については、プロパジールの場合は、飲み始めてANCA関連血管炎が出るまで3年目あたりが多いけれど、メルカゾールの場合は、もっと長期に飲んで、10年とか30年以上飲んで、ANCA関連血管炎が出たという報告もあるようです。(って、30年も手術を適用せずにメルカゾールを飲みつづけたってこともすごいですね。)
どちらも飲み始めて1ヶ月で起きたという例から何年も経ってから起きた例まであって、飲み始めて2ヶ月以内が多いと言われる無顆粒球症と比べたら、起きるタイミングはバラバラ。予測できない感じです。飲んでいる量が多いと出やすいというようなことも特にないみたい。
MPO-Ancaが陽性でも症状が出ない場合も多いし、症状があっても、薬を止めてステロイドで炎症を抑えたら、そのあとはMPO-Ancaが陽性のままでも症状が出ないようで、抗体と症状の関係も、まだまだナゾのようでした。
わたしの場合は、腎臓の炎症を見る尿の検査も血液の検査も毎月しているから、見逃すことはあんまりなさそうですが、この間、膠原病の外来で先生と相談して、経過観察の意味で、1年半ぶりにAncaの抗体も測ってみてもらうことにしました。
あとで読んだ別の論文では、メルカゾールやプロパジールのような甲状腺の薬を飲みつづけている場合は、何もなくても、MPO-Ancaと補体(CH50)を1年に1回くらいは検査しておくといいと書いてあったから、膠原病の外来で毎月見ている補体にあわせて、MPO-Ancaを確認するのは正解だったのかな♪
お薬は、「ぜったい安全」なんて誰もいえないから、よく観察しながら、じょうずに楽になるのがいいですね。最近は、どっちかというと、メルカゾールがいらないくらい甲状腺ホルモン不応症の状態が進んでいて、その方が問題かもしれないけど(笑)
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脳幹梗塞を根本的に治したわけではないし、心臓の大動脈瘤はステント手術など積極治療はせずに温存しているので、あいかわらず、梗塞を強力に溶かす血栓溶解剤は飲めない状況のままですが、何はともあれ、今年も桜が見られて、何よりです。
そんなわけで、ひと段落♪ 先月の、わたし自身の甲状腺の負荷検査の前後に、ひさしぶりに読んだ甲状腺の資料も、この家族の入院&お引越しでそのままにしていたので、少しずつ読み直しています~。
個人的に興味があったのは、ANCA関連血管炎とメルカゾールのこと。
抗甲状腺薬のプロパジール(PTU)を1~2年以上飲むと、細かい血管で、血管炎を起こすAncaという自己免疫抗体が陽性になってしまうことがあるという副作用があって、わたしも、その副作用で、プロパジールが飲めなくなりました。
プロパジールを止めたあと、カップも持てないくらい手が振るえて、亢進の症状があまりにつらくて、「お願いだから、別の薬(メルカゾール)を飲ませてください!!!」と懇願したのでしたが、内分泌の先生たちは大反対しました。
「あなたの病態がバセドウ病ではなさそうで薬を一生飲みつづける可能性があるけれど、メルカゾールでもAncaの報告例はあるから、長期で飲みつづけることは勧められない」という話でした。
当時、わたしが聞いたメルカゾールでのANCA関連血管炎の副作用が出たという報告は限られていて、「ほんとうにメルカゾールの副作用なのか、他の原因で起きたANCA関連血管炎なのか、わからないじゃないですか!?」と言ってみたのですが、今度は、膠原病の先生たちが、「そうは言っても、ANCA関連血管炎は発生のメカニズム(機序)がまだはっきりしていないし、発症すると、すぐ命にかかわったり、かなりつらい状態になる可能性がある病気だから、安易に考えない方がいいよ」と、すごく時間をかけて説明されました。
けっきょく、「リスクをちゃんと理解したうえで、ちゃんと観察するから、メルカゾールを飲ませてください」と主張して、膠原病の主治医も「じゃあ、そこまで言うなら、いざというときには、全力で救命の努力をしましょう」と言ってくれたので、内分泌の先生から、メルカゾールを飲み始める処方をしてもらえるようになりました。
そんないきさつがあったので、『抗甲状腺薬によるMPO-Anca関連血管炎』という伊藤病院の吉村弘先生の論文(月刊『M.P.』2009年1月号)には、おぉ!と反応してしまいました(笑)
そこでは、プロパジール(PTU)が、国内の学会報告49例を検証されているのに対して、メルカゾール(MMI)も18例で検証していて、統計情報としては少なすぎですが、メルカゾールでの症例報告もずいぶん増えたなぁ~と、ちょっと驚きました。
ちなみに、いつ出てくる?という点については、プロパジールの場合は、飲み始めてANCA関連血管炎が出るまで3年目あたりが多いけれど、メルカゾールの場合は、もっと長期に飲んで、10年とか30年以上飲んで、ANCA関連血管炎が出たという報告もあるようです。(って、30年も手術を適用せずにメルカゾールを飲みつづけたってこともすごいですね。)
どちらも飲み始めて1ヶ月で起きたという例から何年も経ってから起きた例まであって、飲み始めて2ヶ月以内が多いと言われる無顆粒球症と比べたら、起きるタイミングはバラバラ。予測できない感じです。飲んでいる量が多いと出やすいというようなことも特にないみたい。
MPO-Ancaが陽性でも症状が出ない場合も多いし、症状があっても、薬を止めてステロイドで炎症を抑えたら、そのあとはMPO-Ancaが陽性のままでも症状が出ないようで、抗体と症状の関係も、まだまだナゾのようでした。
わたしの場合は、腎臓の炎症を見る尿の検査も血液の検査も毎月しているから、見逃すことはあんまりなさそうですが、この間、膠原病の外来で先生と相談して、経過観察の意味で、1年半ぶりにAncaの抗体も測ってみてもらうことにしました。
あとで読んだ別の論文では、メルカゾールやプロパジールのような甲状腺の薬を飲みつづけている場合は、何もなくても、MPO-Ancaと補体(CH50)を1年に1回くらいは検査しておくといいと書いてあったから、膠原病の外来で毎月見ている補体にあわせて、MPO-Ancaを確認するのは正解だったのかな♪
お薬は、「ぜったい安全」なんて誰もいえないから、よく観察しながら、じょうずに楽になるのがいいですね。最近は、どっちかというと、メルカゾールがいらないくらい甲状腺ホルモン不応症の状態が進んでいて、その方が問題かもしれないけど(笑)
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