まちかど逍遥

私ぷにょがまちなかで遭遇したモノや考えたコトなどを綴ります。

佐田岬半島の青石垣めぐり(5) 塩成、三机

2014-08-19 22:31:28 | 風景
佐田岬 続き。

神崎から戻り、向かった今夜の宿は塩成集落にある民宿。行程上、佐田岬半島の中央あたりで
泊まりたいと思っていて、メロディラインからあまり夜道を長いこと走らず済むところで、石垣があれば尚よし。
塩成は石垣マップにも載っていたし、ぴったりだ!
しかし海水浴をするでもない中途半端なシーズン。町見郷土館から送ってもらった宿情報の資料から
良さげなところに電話してみるも、出ない、今はやってない、など。
「たからや」さんも、おばあちゃんが電話に出て、体調崩してからはあんまりお客を泊めてないんだと。。。
しかし、お部屋だけなら用意できます、と言っていただけたので、お願いした。

メロディラインから九十九折の下り坂を走り塩成集落に到着したのは夕方6時前。集落内に
何か食べるところぐらいはあるだろうと思っていたら、何もない。。。メロディライン沿いの
喫茶店へうどんを食べに再び車で上る(苦笑)。
その代わり朝食は用意して頂いて、とれたてのしらすをどんぶりいっぱい出してくれて、
ごはんより多いぐらい山盛り乗っけてとき卵をかけてしらす丼にして食べた。おいしい~~

このたからやさん、泊めて頂いたお部屋は床の間にケース入りの人形やら造花やら本やら置いてあって
ほんとにおばあちゃんちに泊まりに来ているような気がした(笑)。そして甘夏をもらった。

翌朝は8時前に宿を出て港の方へ走ってみる。宿のあった集落内ではあまり石垣を見かけなかったのだ。


こじんまりした港。ここも数軒の民家の裏へ行けばもう切り立った崖。
水路沿いに美しい石垣が見られた。


古い板張りの民家と、こちらもかなり古そうな石垣のくすんだ色あいに、蕗の葉の緑色が鮮やか!


畑と民家の間の道をちょっと入ってみよう。


うわぁ、これは飛び出した岩盤を取り込むように積まれた石垣だ。
道を通すところだけ岩盤を砕いて撤去し、崩れた石を周りに積んだように見える。
表面に板を当てながら積んだかのように、表面が平らに仕上がっているのが不思議。


おぉ、なんて美しい階段なんだろう。。。これは机上で設計できるものではなく、
現場合わせの妙と言うしかない。いったいどういう人が積んだのだろうか。

手前の畑には境界石代わりに立てられた石が。



港に面した崖面は、段々畑でもなくお墓でもない。ただ裏山へ上るジグザグの道があるのみ。
これが一面コンクリートだとしたら、どれほどつまらないか・・・いや、この地方以外だと
ほぼ100%コンクリートであろう。こんな景観はここにしかない。




塩成港から戻る途中の海辺には、テトラポッドと混じって大きな青石の塊がゴロゴロと転がっていた。



さて、塩成からメロディラインの下をくぐるとほどなく半島の北岸へ出る。
このあたりは道も広くすいすい走れる(笑)。そして三机集落に到着!
しかし例によって目当ての石垣のありかは分からず、三机湾に面した海沿いの道を奥まで行ってみるが
行き止まりで、注連縄の張られた青石が立っている。神社かと思ったら、須賀公園という
レジャースポットらしく、キャンプ場もあるそうな。へええー

三机湾は天然の砂嘴に囲まれたラグーン状になっていて、海面はプールのように静か。小魚の楽園だ。

集落の方へ引き返して一本内側の道を走り、さらに内側の道に入り込むと・・・
おおっ、高い石垣と素敵な階段が。よしよし、いい感じ!近づいてきたな~~
・・・ところが・・・

道は集落の中へ入るほどに狭くなり、両側をこすらないかと気が気でない。何せ、プリウスである(泣)。
途中で、もうこれ以上進めなくなった。。。
民家の小さな空き地に逃げ込んだものの、車1台分くらいのスペースで、道路も車幅ぎりぎりしかなく、
隣の家の壁にぶつかりそうになりながら20回ぐらい切り返して、ほうほうのていで抜け出した!!
ったく・・・ニコニコレンタカーのやつぅ~~~(恨)

もと来た道をそろそろと戻りつつふと横を見ると、、、あっ、あれだ!!


小道の奥に見えたのは、丘を背に立つお寺の石垣。すごく高い!長養寺と書かれている。


うわぉ~~~見事な石垣!階段がお寺の正面からずれていて斜めに取り付いているのが面白い。
階段はコンクリートになっているが、側面から見ると石積みでできていることがわかる。
塀がレンガなのも面白いな。


部分によって平積みやおとしづきや乱れづきなどいろんな積み方が混ざっていて、規則性はなさそう。
なんだか、本能のままに積み上げた、という感じ。それにしても、これらの石垣は石積み専門職人が積むのだろうか。
いや、これだけ広い地域でこれだけ日常風景として大量の石垣があることを考えれば、わざわざ専門の
石工を呼んで来るのではなく、住民が自らの手で積んでいたと思えるのだがどうだろうか。
この地方の人々は皆昔から日常的に石積みを作ったり補修したりしていて、ガーデニング感覚で
実はプロと言えるほどの凄腕を持っているのかもしれないな。

井戸の周りにも青石が使われている。

細いところにはまりこんでしまったおかげで、目当ての石垣を見つけることができたという幸運。
ニコニコレンタカーさまさまだったか!?(笑)

続く

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2 コメント

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ねじまきさん、 (ぷにょ)
2014-08-26 12:46:19
いやいや、さすがにこの短い旅程では事前に予約して行きますよ~
ここは3日前ぐらいに取りました。実は余裕をかましていたら
思いのほか選択肢がなく、、、ちょっと焦りましたよ(苦笑)

ねじまきさんのように車の運転平気ならもっとたくさん、
いろいろ見れると思いますよ!ただし、季節は選んだ方が
いいかも。この頃のような大雨続きだと山道は怖いですね。

実は私また9月に八幡浜あたりに行くかもしれません(笑)


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Unknown (ねじまき)
2014-08-26 08:27:26
ぷにょさんって宿を決めずに旅されてるんですか!?
気ままな旅なら問題ないですが…。
きっちり計画派の自分はなかなかやらないですね。
でもそれで田舎のおばあちゃん家に泊まれた訳ですよね。
今回のシリーズで自分も興味出ちゃいました(笑)
ちゃんと調べてみようかな…。
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