アルバム・チャートにおいて、UKでは成績が上がったがUSでは下がった(圏外!)フィリピンのインディー・ロッカー、ビーバドゥービー。
そんなにヨーロッパ的な音楽ではないと思ってたから、USチャートに入らなかったのは意外だし残念。
そして、レッド・ホット・チリ・ペッパーズが今年まさかの2枚目リリース発言!
今年の1枚目、『アンリミテッド・ラヴ』は6年ぶりの新作だったから、
6年の間にいい新曲がたくさんたまっていたのかもしれない。
…先月同様、チャートで目立っていたアーティストを5名選び、レビューしていきます。
シングル・チャート、今月は安定していてよかったです。
ただ、アルバム・チャートの方はバッド・バニーの独走で、首位にちょっと変化が欲しかったな~と思いました。
1.ケイト・ブッシュ(投稿日が誕生日!)
先月のUSチャート・レビュー記事でケイト・ブッシュ「神秘の丘」のリバイバル・ヒットは続かないと書いていたのが恥ずかしい...。続かないどころか、主要国の多くでTop10入りし、イギリスやアイルランド、オーストラリアでは1位もとっています。Netflixのドラマ、『ストレンジャーシングス 未知の世界』に使われたことで注目を浴びてストリーミングが上がった同曲ですが、ドラマからはメタリカの「マスター・オブ・パペッツ」も同じようにリバイバル・ヒットしそうになっています。USチャートでの動きは何だか4年前のクイーン「ボヘミアン・ラプソディ」に似ていますが、ケイト・ブッシュと同じようにすごいところまで上がってくるかもしれません(「ボヘミアン・ラプソディ」のチャート復活は一時的だった)。「神秘の丘」も「マスター・オブ・パペッツ」も長めの曲なのによくこんなヒットするなあと思いましたが、ドラマの人気が一役買っているのでしょう。...あれ?でも Netflix は会員がどんどん減ってるんじゃなかったっけ?つまり、ドラマは知らないけどなんか流行ってるから聴いてるっていう人も多いのかな?
2.ルーク・コムズ
3枚目のスタジオ・アルバム、『グロウィン・アップ』がアルバム・チャートで1位を逃したという大事件!!アルバム・チャートでは同週に強い競合相手がいなければ、だいたい10万ポイントくらいとれば1位をとれるのですが、『グロウィン・アップ』は確かポイントが7万程度で、1位のバッド・バニー『Un Verano Sin Ti』(12万くらい)には遠く及びませんでした。バッド・バニーは確かに強い競合相手ですが、『Un Verano Sin Ti』は1か月以上前にリリースされていたアルバムで、初登場ではなかったのでこれは完敗です(何言ってるか分からなかったらこの文は無視してください)。2位に終わったのも残念でしたが、ポイントが7万程度というのもショックでした。しかし、考えてみれば先行シングル "Doin' This" は大ヒットしたとはいえるもののそんなに目立っていた印象はなく、アルバムの1位を確実視できるほどのプロモーション効果は生んでいなかったといえます。とにかく、アルバム・チャートはポップ/ロック/カントリー・アーティストにはやはり厳しいようで、そう簡単に1位はとらせてくれないみたいです。🍻
3.エム・ベイホールド
ほかの国からはかなり遅れて、米国でエム・ベイホールドの "Numb Little Bug" がピークを迎えています。まあまあ長い期間を経て、先月米国でTop20入りを果たしました。これは一言でいうと珍しい曲!全編うつ病についての曲なのですが、このような真面目な歌詞の曲が大ヒットするのはロジックの "1-800-273-8255 feat. カリード & アレッシア・カーラ" (2017) 以来かもしれません。私は歌詞のことを知ってから曲をきいたので、「そういう曲なのか!」という感動を味わわずにもったいないことをした気がします、というのも曲調は全体的に明るいのでそこにちょっとギャップがあるわけですね。あまり詳しくは知らない新人アーティストですが、これから名前を見るようになっていくかもしれないので要チェックの人です。📌
4.リゾ
リゾもルークさん同様、新作『スペシャル』がアルバム・チャート1位を逃してしまいましたが、代わりに先行シングル "About Damn Time" がシングル・チャートで頂点に達しました。"Truth Hurts" に続く、2曲目のナンバーワン!最初は4位あたりがピークかなと思っていましたが、その4位から3位、2位とひとつずつ階段を昇っていき、1位にたどり着いた感じですね。アルバムには去年のシングル "Rumors feat. カーディ・B" は収録されませんでした。カーディ・Bもいるしリゾらしい良いハイテンション曲だと思うのですが、アルバムの流れには合わなかったのかも。それと、"About Damn Time" も実はあまりしっかり聴いていなかったのですが、しっかり聴いたらやっぱり「まさにヒット曲!」という感じで何も考えずに楽しめる天才的な曲でした。ちょっとディスコっぽいところもあって、最先端なんだけど昔っぽい音も混じっているのがリゾの音楽で、単純に「ポップなハイテンション・ラッパー」と定義づけできないのも面白いです。全盛期のニッキー・ミナージュとはちょっと違うというか。
5.イマジン・ドラゴンズ
6thアルバム『マーキュリー - アクト・2』をリリース!ロック・バンドはウィーザー以外はアルバム・リリースのスパンが長いものだと思っていますが、イマドラは2年連続での新作リリースが今回で2回目ですね(1回目は2017、2018年の連続)。彼らも例外視するべきかもしれません。ただ、いつかの記事でも触れたように『マーキュリー - アクト・2』は単独では売られていないという前提で、2021年リリースの5thアルバム『マーキュリー - アクト・1』とのセット販売になっています。そのため、チャートでは『アクト・1』のデラックス盤扱いになっていて、新たに『アクト・2』がチャートに登場することにはなりませんでした。ここはもやもやします...。あと、『アクト・2』からヒットした先行シングル "Bones" はまだまだしっくりこないのですが、ヒットしたこと自体はもちろん嬉しいです。サントラ "Enemy" とは関係なしに、まだまだイマドラは現役だということが証明されたからですね...これもどこかの記事で書いたような。とにかく、名目上は6枚目のアルバムとなっているものがチャート上では存在しない感じになっていて、微妙な気持ちになりました...。🐉
イギリスの才能しかないアーティストたちのおかげでポップ・ミュージックは楽しめるようになったけど、
R&Bはまだ全然入ってこない...!
最後に好きになったR&Bソングは、ギヴィオン "For Tonight" で去年の11月かも。
まあ、そういう年だったということで、いいか。
読んでくださった方、ありがとうございました!