昨年末、ハード・ロック・バンドのスリープ・トークンのアルバム『テイク・ミー・バック・トゥ・エデン』(2023) を買ったものの、
正直、全然はまってない...。
激しいロック・ミュージックを期待してたら思いのほか落ち着いてて、
だけど激しいのも激しいので聴いてると疲れちゃうから、やっぱハードロックとかメタルは好みじゃなかったかも...と省みる。
良い音楽だとは思うけど、なかなかつかめない曲もあって、好みの分野だな、と思ってしまった。😔
全米チャートの月次レビュー、2月版です!
シングル / アルバム・チャートにおいて特に注目すべき活躍をしたアーティストを数名取り上げ、
彼らのチャート・アクションを振り返りつつ両チャートの全体的なレビュー(今月はこんな特徴があった、みたいな)もします。
もちろん主観ですが、読んでいただければ幸いです!
1.アッシャー
まずはこの人ですね...、今年のNFLスーパーボウル(アメリカのアメフトリーグ決勝戦)で、壮大なハーフタイム・ショー・パフォーマンスを行ったアッシャーさんです。日本時間で確か2月12日のことでしたが、彼はそれに先駆けて8年ぶりのニュー・アルバム『カミング・ホーム』も2月9日にリリースしており、ハーフタイム・ショーをそれのプロモーションにも利用しています。結果、アルバムは全米2位とすごくいい順位を獲得したわけですが、前作『ハードⅡラヴ』(2016) の5位を上回っていて、改めてハーフタイム・ショーの効果はすごいなと思いましたね。その前週に開催されたグラミー賞授賞式もそうでしたが、視聴数とか各主体のプロモーションの本気さ(CMとか)からも本当に国民的なイベントなんだなということが理解できて、面白いです。ビヨンセが決勝戦中のCMで新曲を初公開したり、テイラー・スウィフトが決勝戦に出る恋人トラヴィス・ケルシーを応援するため、公演を行っていた東京から急いで帰国し現地観戦にギリギリ間に合ったりとアッシャー以外の話題も十分すぎるほどあった今年のイベントでしたが、プロモーションはしっかりと功を奏して新アルバムの成功につながりました。チャートでは彼の過去作も次々とリエントリーしたりしていて、チャートでもしっかり主役になれていましたね。🕶
2.フロー・ミリ
新しく出てきたアメリカの女性ラッパーで、"Never Lose Me" という曲がバズを起こし全米シングル・チャートTop20入りしています。ニッキー・ミナージュが昨年12月リリースの新作『ピンク・フライデー2』からなかなかビッグなヒットを出せないでいるなか、今年最初のフィメール・ラッパーのバンガーはこの人になるかもしれません。気になったことは...、俗っぽい話で申し訳ありませんが、最近はフロー・ミリさんみたいなスイートな声のラッパーも増えたなあ、ということです。可愛らしい声で、下品さや圧が控えめ。これまでの女性ラッパーの感じとは確かに違います。一方で男性も、ジャック・ハーロウなどいわゆるイケボの人の活躍が目立ってきました。21サヴェージも声の評価は強そうです。ヒップホップが声の奇麗さに重点を置くジャンルに遷移していく未来は想像しにくいですが、これも1種の多様化ということでしょう。🦷
3.ベンソン・ブーン
新星ポップ・シンガー、ベンソン・ブーンが世界各国のチャートで活躍中!自分はまだ1回しか聴いたことがありませんが、1月リリースの新曲 "Beautiful Things" が大人気でアメリカでもリリース2週目でTop10入りしてしまっています。まったくの新顔というわけではなく、過去に自身の曲が総合チャートにランクインしたこともある人ですが、今回で遂に大ブレイクといった感じ。現在アメリカのシングル・チャートはジャック・ハーロウの "Lovin On Me" が首位を独走している状態ですが、それを同曲が打ち負かす可能性は大です。新人男性ポップ・シンガーが全米1位を獲得するのは2019年のルイス・キャパルディ "Someone You Loved" 以降なくて、この界隈はそのルイスさんですら最近は失速してしまっているほど不況なので、ベンソンさんが1位をとって界隈を再び盛り上げ、新人男性ポップ・シンガーが少しでも長く売れるような景気になったらいいと思います。🦋
4.ノア・カハン
グラミー賞では惜しくも最優秀新人賞を逃してしまいましたが、サード・アルバム『スティック・シーズン』(2022) の最終デラックス盤『スティック・シーズン(フォーエヴァー)』が2月9日にリリースされ、これは全米3位の大成功になりました。イギリスでは1位に輝いています。最終デラックス盤、というのは、すでに昨年6月に『スティック・シーズン(ウィール・オール・ビー・ヒア・フォーエヴァー)』というデラックス盤が出ているからで、アーティストが2度も精力的なデラックス・バージョンを出すことはかなり異例ですが、原作はリリース以降超ロングヒットしているアルバムでシングルのヒットも多いので納得できます。ノアさんのシングル・ヒット、つい最近も "Stick Season" が自身初の全米Top10入りを果たして「おおっ」となりましたが、ロック・チャートでヒットしたシングルがあまりにも多いので所属アルバム別にちょっとまとめてみました。
オリジナルの『スティック・シーズン』(2022) より
→ "Stick Season"
→ "Northern Attitude with ホージア ( Remix )"
→ "She Calls Me Back with ケイシー・マスグレイヴス ( Remix )"
デラックス1回目『スティック・シーズン(ウィール・オール・ビー・ヒア・フォーエヴァー)』(2023) より
→ "You're Gonna Go Far"
→ "Dial Drunk with ポスト・マローン ( Remix )"
→ "Call Your Mom with リジー・マカルパイン ( Remix )" ...がヒット。(※ Remix はいずれも原曲のみアルバムに収録されている)
リミックス・バージョンのヒットが多いですが、最終的に、他にも2022年のオリジナルからもう2曲、2023年のデラックス1回目からもう2曲リミックス・コラボ・バージョンが輩出されていて、2024年のデラックス2回目は実質的にアルバム未収録となっているそれらリミックスをすべて追加収録したようなアルバムになっています。デラックス1回目リリース後にそれらリミックスを出して大飛躍してしまったため、リミックス・ヒットはアルバム未収録の単発シングルみたいになってしまっていたわけですね。なお、それゆえ2回目のデラックス盤は完全な新曲がほとんどありませんが、1曲だけ "Forever" という新曲が追加されていて、これがこれ以降ヒットするのか否かが気になります。1曲だけ完全な新曲追加、というのもなんかかっこいいですね。🍃
5.ビヨンセ
最後に、この大御所にも触れておきましょう...、またも音楽性を変えてきたR&Bスターのビヨンセさんです。前述のようにスーパーボウル中のCMで新曲を初公開して話題になった方ですが、直後に公式にもその曲 "Texas Hold 'Em" がリリースされています。そしてその音楽性、前作『ルネッサンス』(2022) は彼女のダンス・ミュージックへの転換が目立ったアルバムとされていますが、今回の転換はカントリー・ミュージック。今かつてないほど盛り上がっているカントリー・ミュージックの市場に、堂々と参戦を表明したようなかたちです。ラナ・デル・レイも次作はカントリーに影響を受けた音楽になるとか言ってましたし、カントリー市場は本当にもう商機だらけって感じですね。これまではカントリーの方が(一度でも売れたい人は)メインストリームに合わせていたような感じだったのに、信じがたいです。...話を戻して、"Texas Hold' Em" は話題性もあって全米初登場2位。聴いた感じ、テイラー・スウィフトの "Cardigan" (2020) が全米初登場1位をとったときも思ったのですが、どちらかというと下からじっくり上がってきて1位をとるようなチャート・アクションであってほしい音楽だなあ...とか思ってしまいましたが、人気とか注目度を考えると初登場の順位が高くなってしまうのは仕方ない...とも。あと、聴きやすくて良い曲だというのは間違いありません。🏹
<全体レビュー>
シングル・チャート・・・グラミー賞効果とハーフタイム・ショー効果のダブルパンチの月!!特にグラミー賞効果は例年以上の盛り上がりで受賞曲・授賞式パフォーマンス曲が軒並みチャートを急上昇する効果が見られた!!
アルバム・チャート・・・1月に引き続き新作のリリースが少なくまだまだ静かな上位...。しかしグラミー & ハーフタイム・ショー効果がここにも効いたほか、どちらの効果の恩恵も受けるテイラー・スウィフトが特に成功し、上位をさらに勢力的に占め続ける!!
このタイミングでTØPが新章予告してきたああぁっ...!!!
どうするのよ!?ちょっとロックから離れようかなとか思ってた矢先!!
無条件で買っちゃうじゃないですか!!待望の『トレンチ』続編でしょ!?
いつ!?12月とかならセーフだけど、いったいいつなんですかー!!?
🦅 ...チャート・レビュー、以上になります。めちゃくちゃな終わり方ですが、読んでくださった方、本当にありがとうございました...。 🦅