不格好オヤジの日中のぼやき

主に日本と中国の話題についてぼやきます。

成人式

2015-01-12 13:02:30 | 日記
 今日は成人の日、日本の成人は満20歳からとされているが、これは世界的には極めて遅い部類に属するようだ。ウィキペディアを見ると、大半の国では、成人年齢を18歳としているようで一番早いプエルトリコ、ハイチでは何と14歳、キルギス・ネパール等でも16歳で成人と見做されるとのこと。ヨーロッパはその大半が満18歳、アメリカは州により異なるが、大半はやはり18歳で、ごくわずかの州で19歳、21歳というところもあるようだ。

日本と同じ、満20歳を成人年齢としているのはタイ、台湾、ニュージーランド、チュニジアぐらいなもので、お隣の韓国では19歳と中途半端な年齢となっている。日本が何故20歳にしたかについては、明治民法制定時の徴兵制度、課税が20歳からだったという説と、15歳前後を成人としていた当時の日本の慣習と当時20代前半を成人とみなすことが多かった欧州との中庸を取ったという話の2つがあるようだが、確かなことは分からない。

 私が長く暮らした中国は、世界の大部分の国と同じ満18歳が成人年齢である。ただし、成人が有する権利、義務に目をやると、犯罪を犯した場合に完全な法的責任が生じる(ただし、中国の場合、故意による殺人、強姦、放火等重大な犯罪では14歳以上でも刑事責任が生じる)という点では似ているものの、様々の点で日本とは大きく異なる。

 日本では、成人と同時に選挙権、飲酒、喫煙、保護者の同意なき結婚等の権利が生じるが中国では随分と状況が異なる。中国では成人になっても一般の国民(人民)に選挙権がないのは無論のこと、成人年齢に達しただけでは結婚すらできるとは限らない。中国は法律上、男性が満22歳、女性が満20歳になるまで結婚はできないのである。親の同意は必要であるものの男性18歳、女性16歳で結婚できる日本と比べると年齢的に随分と遅くなっている。

 しかし、「上に政策あれば、下に対策あり」の中国。農村では習慣的に早くから結婚し家庭を持っているものも多く、そういう場合は式だけ先に挙げてしまっている(結婚登記は法定年齢に達した後行う)ケースが多いようである。駐在時代に良く通っていた上海の足裏マッサージ屋では、結婚式だけ先に挙げて、成人前に子供も産んだという出稼ぎマッサージ師の女の子に複数出会ったことがある。要は式だけ先に挙げてしまって、それをもって世間的また実質的に結婚したことにするのである。もっとも、都会ではこれと逆なケースが一般的だ。つまり、結婚登記だけ先に済ませ、結婚式は後で行うというパターンである。結婚登記を済ませていれば、日本の常識では立派に夫婦だが中国ではあくまで結婚式を挙げて皆にお披露目しなければ対外的に夫婦と言わないケースが多い。私が結婚式で征婚人(婚礼立会人)を務めた夫婦も、まず結婚登記を行い、時間的にはかなり後で結婚式を挙げるという形であった。

 結婚の話を長くしすぎたが、喫煙、飲酒はどうであろうか?中国駐在期間中、いろいろな中国人に、中国での喫煙年齢、飲酒年齢について尋ねてみたが、どうも皆歯切れの悪い答えしか返ってこない。「成人である18歳以上じゃない?」「よく知らない」「法律でそんな規定あったっけ?」等々。最後やむを得ず、ある弁護士に確認したところ、驚くべきことに中国では飲酒、喫煙とも明確な年齢規定がないというのが結論であった。ただし、未成年保護法に保護者(親、監督者)が、喫煙、飲酒などにつながらないよう監督する義務があるとの規定はある。また、タバコについてはたばこ販売取扱業者に対して、未成年への販売を禁止する規定があり、事実上喫煙は18歳以上という共通認識はできつつあるようだ。しかし、飲酒年齢については明確なものは何も存在しない。いろいろな中国人と話していると小学校時代から飲酒をしていたという人は結構多い。

 こうして見てくると、日本でも昨今は20になっても成人意識を持てない連中が増えてきているものの、中国ではそれに輪をかけて成人という意識は稀薄かもしれない。成人になっても選挙権も生まれず、男性は結婚もできず、飲酒も別に成人だから飲めるというわけではない。何とメリハリのない成人年齢?このためか知らないが、中国には成人式なるものも存在しないのである。


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