QOOTESの脳ミソ

日記や旅の記録(現在進行中および過去の旅)がほとんどですが、たまに「腹黒日記風」になっているのでお気を付けください。

パール・バック『大地』

2024-06-13 19:46:33 | Books, Movies & Music
最近はパール・バックの『大地』という小説を鞄に入れて持ち歩いている。以前実家にあったものでずっと前に亡くなった母が「読んだから上げる」と言ったのでもらってきてそのままになっていたのだ。

全4巻。辛亥革命の前後あたりの時代に、極貧の農民でとても普通の結婚はできない主人公が近所の富豪の家に奴隷として「飼われて」いた女を嫁にもらったところから話は始まる。妻は非常に不器量であったために富豪の家でも誰からも見向きもされず半ば虐げられて暮らしていたが、その分人間やその営みをつぶさに観察していたからか、主人公と結婚してからはその知恵で主人公を助けどんどん豊かになっていく、という物語。「あげまん」ってこういう人のことを言うんだなと思った。

遅読なのでまだ1巻を読んだばかりなのだが、ぐいぐい引き付けられる。2巻からは主人公の息子娘たちの物語に次第に移っていくが、革命も近く、まだまだ彼らは運命に翻弄されそうだ。

あくまで私見だが、いい長編小説というのは読みながら主人公と同じ時間や時代を生きた気持ちになれるもの。この『大地』と言う小説はそれができる小説。好きな長編小説ベスト3のうち2つまでは決まっていたが最後の1席に見事に滑り込んだ。

あとの2作はヴィクトル・ユゴーの『レ・ミゼラブル』と三島由紀夫の『豊饒の海』。どれも主人公と同じ時間を過ごした気持ちになれる小説だった。

『レ・ミゼラブル』は10数年前ロンドンでミュージカルを観る前に事前準備で読んでいったのだが、本当に読んで行ってよかったと思った。ミュージカルやヒュージャックマンの映画版で描かれているのは、小説のほんの一部だということがまずわかるし、ミュージカルを観ていると目の前で繰り広げられている物語に加えて、端折られている物語がかえって生き生きと頭に浮かんでくる。

『豊饒の海』は人間の身体は滅んでも精神が連綿と、時に狡猾に続いていく様をまざまざと見せつけられる主人公に、自分が同化して感動したり恐怖したりした。

とにかく引き込まれるのである。

と、ここまで書いておいて、一部の方をドン引きさせる事実をお知らせすると、僕は重度の村上春樹ファンで彼の本は全て殿堂入りしているので、上の長編ベスト3には入れていない。

世の中の読書家、文芸ファンの方にはなぜかとことん嫌われている村上春樹(笑)。でも僕はすごく好きなんですよね。登場人物の心の動きとか、行動とか、読んでいると非常に共感できることが多くて。

でも群れるのが窮屈であまり好きではないので、「ハルキスト」と言われる人々はあまり好きではない(笑)。

で本題に戻ると、『大地』いいですよ。出版されたのは1931年で、この作品でパール・バックはノーベル文学賞を取った。本の後ろの方の広告を見ていたら、この人の小説の多くを少し前の朝ドラ「花子とアン」のモデルになった村岡花子さんが翻訳されていることを考えても古い時代の作家だということがわかる。

著者のパール・バックはバージニア州出身のアメリカ人で、宣教師だった親に連れられて中国にわたりそこで育って、「中国人として」のアイデンティティもお持ちだったらしい。それくらいじゃないと書けないほど中国人の登場人物たちの描写が精緻で丁寧だなと思った。

隙間時間を見ながら読んでいるのでまだしばらくかかると思うが、残り3巻。楽しもうと思う。

高松でゴキゲンな一日☆

2024-06-13 09:56:39 | 日記
昨日は予定通り成田空港第3ターミナル朝7時半ごろ発のジェットスターで高松入り。予約していた瓦町付近のホテルに移動し荷物を預けて、さて朝飯にうどんでも食いに行こうかと出発した。

普段は歩いてうどん屋巡りをするのだが、今回は自転車でも借りてみようと瓦町駅地下の高松市営のレンタサイクルステーションに行くと、Hello Cyclingなるアプリを入れてくださいと言われる。高松市はこの全国を網羅するシェアサイクルサービスを使って貸自転車を管理しているのだそう。

機種変更のときの移行が面倒なのでスマホは(PCも)あくまでインターフェイスとして使って、各種アプリなどはできるだけ入れたくない派なのだが、それしか方法がないらしく仕方なくアプリを入れて自転車を借りた。高松市だけ料金は別体系で一日200円と良心的。手続きは非常にスムーズで便利。

いや、アプリがお手軽で便利なのは当たり前にわかっているんです。スマホが壊れたり、機種変更するときが面倒なだけで。

どこかの企業がクラウド上でアプリを全部管理できるようにしてくれないかしら。自分のスマホでアプリを使うよな気軽さで、どのスマホからも自分のアプリが自分の設定でログイン作業なしに迅速に使えたら機種変更のことまで考えても後々まで包括的に便利になるのに。僕が考える程度のことだからもうそういうサービスはあるんでしょうね。

そういうわけで、前日思っていた通り一食目はさか枝うどんに決定。しかも今回は自転車があるから同じ高松市内でも少し遠くまで行けそうなので、いつものアーケード内のさか枝ではなく、県庁裏の本店までいくことに。一食目、かけうどん小にふっくらと煮た油揚げ。結局きつねうどんなのだが、高松ではきつねうどんとはなぜか呼びたくない(笑)。

一食目をさっさと平らげて、次は栗林公園方面にサイクリング。栗林公園前にある「上原屋」さんというこれまた有名店に。そこではぶっかけの小。またまたふっくらと煮た油揚げもつけた。讃岐うどん特有のごわごわしっかりしたうどんにぶっかけの出汁が良く絡んで美味い。さいごは油揚げをスパチュラのように使って、きれいに丼の中身を平らげて完食。あ、たまご追加するの忘れた。

ところで僕は栗林公園と聞くたびに前立腺を思い浮かべてしまいます。

どうでもいいことですが。

うどん2玉でだいぶおなかが満たされてきたがもう少し食べたい気分。そのあとはチェックインの時間まで高松ぽかぽか温泉か仏生山温泉で風呂に入って時間をつぶそうかと栗林公園から西に自転車を走らせた。

僕はドラえもんのしずかちゃんよりも風呂が好きだという自負がある(どんな自負だ?)。隙があればスーパー銭湯や温泉を探して入る。ビジネスホテルもできるだけ大浴場付きを選択。しかし、ドーミーイングループは株主の意向か銀行の意向か知らないが昔よりも高級路線に衣替えしようとここ数年がんがんと値段を上げてきているからもう気安く泊れない。きっと外国の投資ファンドでも入っているんだろう。

そんなことを考えながら自転車で走っている間に、今回は高松ぽかぽか温泉に行くことに決定。仏生山温泉はデザイナーズ・スパのようなおしゃれな雰囲気が大好きだ。高松ぽかぽか温泉は広くていろんなお風呂があって、水風呂も14度ほどの極冷と20度ほどの普通温度のものと2種類あるのがお気に入りだ。

風呂が決まると、やはりうどんをもう一食食べておきたくなったので、グーグルマップで近隣のうどん屋をチェック。点数が良かった「おおしまうどん」さんに。ここもさか枝さん上原屋さん同様、セルフタイプの店だ。ここではまだ食べていない釜玉うどん小を選択。出来上がりが届けられると、他店と違って茹で立てのうどんにたまごが粗く混ぜられていて新鮮。非常に美味かった。

これでうどん計3玉。これだけ食べるとさすがにもうおなか一杯だ。店を出るとぽかぽか温泉までサイクリングで腹ごなし。風呂に入って、極冷の水風呂でさっぱりしてホテルに戻り、夜の部に備えた。

選択の余地なく入れたシェアサイクルのアプリだが、便利だし高松以外でも日本全国で使おうと思う。

だが、やはりスマホ内にアプリを増やすのは好きではない。クラウドからアプリを使うのは難しいにしても、せめてブラウザ版でできないものかね。

さて、洗濯も終わったようなので、干してからマリンライナーで岡山に移動です。