QOOTESの脳ミソ

日記や旅の記録(現在進行中および過去の旅)がほとんどですが、たまに「腹黒日記風」になっているのでお気を付けください。

「イケオジ」ブーム。

2024-06-06 09:44:24 | 日記
こういうのはアルゴリズムとかいうやつの仕業なのでしょうか。システムが前回の日記の中からなぜか「パキスタン」という単語をピックアップして、パキスタンをテーマにしたほかの方のブログ記事が紹介され始めた。ちょっと国名書いただけで内容には触れていないのに(笑)。これをきっかけにパキスタンに行った時の記憶がよみがえってきた。

パキスタンは首都のイスラマバードではなく、インド国境に近い第2第3の都市、カラチとラホールに行った。もう20年ほど前だ。現地に進出している日系企業の社長とお話をする機会をいただいたので最初はカラチに。一週間に及ぶ反りの合わない上司とのインド滞在に別れを告げ、デリー>ムンバイと乗り継ぎ、カラチ空港に着いたのは21時頃だったと記憶している。

当時は個人旅行だとホテルは取らなかったのだが、出張なので事前に予約を入れていて空港からタクシーでそのホテルまで向かった。ホテルに入る前にホテルの検問があり、危険物など積んでいないかタクシーが厳重にチェックされた(パキスタンはまだ甘い方で中近東に行くともっと厳重だと現地の日本人が教えてくれた)。

部屋に入ったのがもう23時近くだった気がする。ムンバイから乗ったスリランカ航空(だったはず。パキスタン航空かも)でも機内食とともに提供されたのだが、少々緊張していたのでどうしても酒が飲みたくなりルームサービスのメニューを見るとビールがあった。しかしアルコールの提供時間はもう過ぎている。

ダメもとで電話をして「ビール飲みたいんだけど・・・もうダメだよね?」と遠慮がちに聞くと「・・・何本お持ちしましょうか?でも内緒ですよ。」と言われ「じゃ、二本」と答えると間もなくドアがノックされ、紙袋に入ったビールが二本届けられた。

なんでも聞いてみるもんだ(笑)。

それを飲みながらパキスタンのMTVを観て、ベッドの上で飛び跳ねてひとしきり踊ってから、寝た。

翌朝は社長とのアポイントがあったので朝食をとったあとタクシーを呼んでもらう。当然メーターなんかない嫌いなタイプのアジアのタクシーだ。訪問先はカラチ郊外の工業地帯にあるので一日仕事だと思い、一日貸し切りの交渉をして目的地に向かった。値段は覚えていないが、どうせ会社持ちだから領収書書いてくれればいくらでもいいや、と思っていたものの意外と安かったという記憶だけはある。

カラチ市内から目的地まで2時間ほどだったろうか、信号なども少なく秩序を感じない国道を車は走っていく。途中で小さい町を通り過ぎたびに頻繁に何かのデモに囲まれた。あれが何かの拍子で加熱するとテレビでたまにニュースになるように車が焼かれたり、自爆テロに巻き込まれたりするんだろうと思った。

目的の会社に無事に到着すると日本人のスタッフがエントランスまで迎えに来てくださって応接室に通された。少し待つと小柄な中高年男性が入ってきた。面会予定だった社長だった。僕のような野良豚とは雲泥の差の、ご両親やご家族と日本の企業社会でまっとうに育てられた品のいい紳士だった。簡単に自己紹介をすると、

「こんな会議室ではアレですから、場所をかえてランチでもしませんか。食事はとられましたか?」。

断るはずがない。

ということで、再度入り口に戻り車で移動。ついた先は広大なゴルフコースが見渡せるクラブハウスのレストランだった。様々な外資系企業が集まっている工業団地内に整備されているゴルフコースだった。

「ここの食事は美味しいんですよ、クラブハウスサンドでよろしいですか?」と注文してくださった。お邪魔している立場なので全部お任せにした。

食事が提供されるとクラブハウスサンドの他にオニオングラタンスープも運ばれてきた。どれも正当においしくて、パキスタンにいることを忘れてしまうほどであった。

食事もそうだが、社長の身のこなしが素晴らしすぎて。何度も言うが「野良豚」の自分には一生かけても届かないなと美しく手入れされたゴルフコースの芝を見ながらぼんやり考えていた。

世の中には「イケオジ」ブームなどというものがあるように聞く。おそらくはマスコミが暇つぶしにたきつけているだけだと思うが(笑)、もし本当にそんなものがあって年配の男性を恋愛対象とする若い女性がここに連れてこられたら、もれなく恋しちゃうんだろう。

帰り際に、
「カラチの後はどこかに行かれるんですか?」と聞かれたので、
「北のラホールに行ったあと、デリー経由で(ネパールの)カトマンズに」と答えたら、
「カトマンズはこの数日マオイスト(毛沢東ラブな人々)が大変ですからね、気を付けてくださいね」

と言われた。これから行く町なのに迂闊にも何もチェックしていなかったが、そのあと行ってみたら結構大変な状況でびびった(笑)。

政治的な危機・危険とは、ニアミスよりもちょっと軽い「ミディアムミス」の経験が僕には何度かある。

その話はまた機会のある時に。

因みにこの時に泊まったパキスタン・カラチのホテルは僕が日本に帰国した約一か月後に自爆テロの被害にあった。

これがニアミスならぬ「ミディアムミス」(笑)。