昔から自然災害が多めな日本。何かあったときにがれきやダメになった家財はさっさと片づけられるようにしておきたいとずっと考えてはきた。それをさらに強く思うようになったのは東日本大震災の時。
本来は若い頃から最後の持ち物はスーツケース一個のみという人生が理想なのだが、いろいろと楽しいことを知ってしまった以上、夢は夢として大切にしつつ、現実の方を見て行かないといけない。
自分に同じことが起こったらさっさとゴミになった家財道具を片付けて(捨てるものは回収が始まったらすぐに出せる状態にして置いて)、そこですぐに通常の生活ができない状態ならPC一つ持ってとりあえず1~2週間どこかの町のビジネスホテルに移って仕事をして、そのあとまだ自宅あたりの電気ガス水道が復旧していなければ、さらにどこかの町のマンスリーマンションにでも一時的に住んで日常生活がさっさと再開できるようにしておかないとなぁと思うわけである。そのための資金は毎月積み立てている。
モノが多ければ撤去するゴミも多くなる。だけど、ゴリゴリミニマリストになってしまうと、それはそれで着道楽、食い道楽の自分は物足りない。だからまずモノを「最適から少し少ない程度」の量に減らすのが急務。どうでもいいコレクションはもっと捨てないとなぁと。自分が死んだあと残されたら一番困る。
震災以来ちょくちょくいらないものを粗大ごみで出すようにはなったけど、その作業すら面倒くさかったので、新たに何かが必要になったときはできるだけ30cm角の大きさの、東京都で不燃物で捨てられるようなものが無いか考えるようになった。
例えば加湿器。空気清浄機能も付いた(というより空気清浄機に加湿機能が付いた)大型のものもあるが、不燃ごみに出せる小さいモノを選ぶようになった。
あとはそこそこ大きくても自分一人で運べるもの。箪笥やチェストよりもプラスチックの引き出し型ケースの方が、数段あってもひとつずつなら捨てるにも移動するにも一人で大丈夫だ。
粗大ごみや不燃物で出しやすいことをセールスポイントにした商品はこれから消費者に受けるのではないかと思う。
ここ数日の石川県の水害のニュースを見ていて改めて自分の部屋を見回した。この部屋が水に浸かって家財の多くがダメになったらどうやって片付けようか、すぐに片付けられるだろうか。
以前から何度も書いているが、この部屋は賃貸なので仕事の関係でまだ10年超は住み続けるとは思うが、最後は数年後に購入する「思う存分孤独死できる家(一軒家)」に移って息絶える予定なので、災害があればもちろん、なくてもいずれ退去することを考えていなくてはいけない。(しばらくは二拠点生活をする予定である)
この部屋にある大物家財はまず小学生の頃から使っている本棚、これは、まぁ大きいが一人で動かせる程度。子供の頃から爺くさい少年だったので、小学3年生のある日、母に家具屋に連れていかれて「好きな本棚を選びなさい」と言われて、重役室にでもありそうなダークブラウンの木目の本棚を買ってもらった。なので、この年になった今でも問題なく使えている。
ベッドもソファもでかいが分解できるので、粗大ゴミに出すのも移動するのも一人でできる。洗濯機も意外と軽いので処分するのもそれほど問題ない。
本棚とベッドは「思う存分孤独死するための家」を獲得したら早めにそっちに移動するかな。ベッドはMUJIのモノだが今は売っていないモデルで、デザインが非常にいいのだ。再版されたら向こうで買って今使っている物は処分してもいいが、再販はきっとない。「ヤマトのらくらく家財宅急便」と言うサービスでその二つを先に送ればあとはほぼ細かいものなので、なんならドライブを兼ねて少しずつ自分でも運べる。
今使っているソファは、10年超はもたないと思うので、あと1~2度ほどIKEAで新規購入+古い物引き取りをお願いするが、最終的には洗濯機と同時に廃棄することになるだろう。
問題は捨てる捨てないの問題以前に一人で移動できそうにない260リットルの冷蔵庫。
この冷蔵庫は転職に際して東京に来るときに持ってきたもので、以前から使っているので思い出がある。購入したのは2006年だったと思う。
東京に来る前に勤めていた会社は、現在の自分以外社内に外国人しかいない会社とは違って、日本人しかいない純日本人的ワンマン会社で(笑)、経営者が高齢と言うことで、いろいろな制度がクラシックだった。
今はもう大手商社や官公庁でもやってないと思うが(あるのかな?)、海外出張が決まるとまず支度金数万円が振り込まれる。さらに現地滞在中の生活費として一日5000~7000円(ホテル、食事代は別)が支給された。生活費と言われてもホテルと食費が別支給なので、他にはほとんど出費はない。もちろん現地交通費なども別支給。海外出張があるたびにまとまった買い物ができた(笑)。
2006年には某地方数か国に2週間強の海外出張があったので、(よく覚えていないが)一日の生活費が5000円支給だったとしても単純に7万円ほどの臨時収入があったはず(支度金もあったから約10万円ほどになったと思う)。それで念願の大きめの冷蔵庫を買った。それが今使っている260リットルのサンヨーの冷蔵庫である。
それまでの一人暮らし用の冷蔵庫とは違って、日常の食材に加え、酒や酒のつまみをふんだんに入れて置けるようになって、僕の食生活が一気に充実したのが非常に嬉しかったのを覚えている。
2006年に購入したのであとここに10年住むとしても28年、これはもう「思う存分孤独死するための家」には持っていけないなぁ。ここを引き払う時に処分しようと思う。
十数年前ここに引っ越す時に手伝ってくれた友人が引っ越し業者で長くアルバイトをしていた奴で「このくらいの冷蔵庫は一人で運べるよ。400リットル未満くらいまで大丈夫。」と言って一人で運んでくれた。背負うのがポイントだと言って、ほんとに一人で背負って運んでくれた。でも僕には無理だな。引き取ってもらう時だけ誰かに助けてもらって下まで下ろそう。
以前も書いたと思うが「思う存分孤独死するための家」には600リットルくらいのでかいフレンチドアの冷蔵庫を置く予定。大きい冷蔵庫だと作り置きおかずも何種類か入れておける。加えて食費を節約するためにフリーザーの大きいモデルを選ぶことも決めている。貧しい年金生活でしかも暇だろうからスーパーで見切り品を見つけては、帰宅してから悪くなったところを丁寧に処理して一食分ずつ冷凍しておいて、毎日の食事に使う。
食材の冷凍技を食材ごとに解説した主婦向けのムック本も先日購入したので、老後に備えて一つ一つ習得中である。「えっ!こんなものまで冷凍保存できるの?」と言うものも紹介されていて非常に役に立つ。
冷蔵庫が大きければ、ワインセラーを買わなくても日本酒やワインをそこそこの本数保管しておける。ウイスキー、ウォッカ、ジンなどハードリカーのお気に入りの銘柄をそろえたミニバーコーナーもリビングの隅に作るので、ソーダやトニックウォーターも冷蔵庫に入れておきたい。もちろん「かってに氷」の自動製氷機能も必須だ。
「思う存分孤独死するための家」のインテリアは他人には一切触られたくないので、これから先うっかり同居人ができないように細心の注意を払うことが必須である。
僕は見切り品を見るとなるべくそっちを購入してしまう傾向がある。見切り品でなくても、ブナシメジで多いが通常の値段でも形がそろっていなくて皆さんに敬遠されるだろうなと思うものを僕は選んで購入することが多い。最終的に値下げをしても売れなかったものは廃棄されるんだろうなと思うと、食材が気の毒になってしまうからだ。
・・・売れずに廃棄寸前の自分と重なる(笑)。
同様の理由で賞味期限が近いものを探して買うことが多い。最近は「手前どり」の呼びかけもされているようだけれども、目をひん剥いて奥に手を伸ばしている主婦の皆さんもまだまだ多い。どうせ数日中に使うんだから賞味期限がすぐ来るのでいいじゃないかと思いながら見ている。
「思う存分孤独死するための家」では、大きい家具は冷蔵庫と今の自宅から移動するお気に入りのMUJIのベッド、小学生の時に買ってもらった本棚、それくらいに抑える予定。
ソファは大きいものではなく、僕が死んだら粗大ごみに出しやすいちょっと軽めのものをニトリで買って置く。これからも大きいものを増やさないように気を付けないと。書籍もその本棚に入るだけの冊数に減らさないとな。
災害に遭った皆さんを見てこんなことを考えるのは不謹慎なのかもしれないが、あれらのがれきをどうやって片付けるんだろうと思うと、ふと想像が自分に返ってきて、自室を見て、身につまされるのである。
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