朝から雨。一時的にやむことはあっても、ほぼ一日雨でした。
というわけで、ずっと家にいて読書。何を読んでいたかと言うと——
昨年なんとなく買って面白かった本の2巻目。地図と照合しつつ読みました。八王子版『遠野物語』の趣があった前作より更に歴史や文化に目配りがなされ、民俗学資料としても興味深いです。八王子怪談 逢魔ヶ刻編 (竹書房怪談文庫 HO 552) 川奈 まり子 https://t.co/urICDzH6WB
— レイチェル (@Rachel2012R) May 13, 2022
多摩地域住人で八王子も隣接しているので、いちいち多摩の地図をめくりつつ読みました。実は高尾山に登ったこともないのですが……八王子城探索もけっこう「登山」だと言うし、やはりいろいろな意味で怖い気もします。桜の季節の滝山城へも行ってみたいけれど、いずれにせよクルマがないと大変そうです。
前作は「あの場所にこんな怖い言い伝えが」とか「あそこでそんな事件が」という方向で興味をそそられましたが、上のツイートにも書いたように、今作は思いのほか民俗学寄りで、また巻末の八王子車人形の紹介や関連エピソードも読めて良かったです。今年に入って国の無形文化財に指定された車人形、一度は観てみたいと思いつつ、いまだ機会を得られていません。春の大きい公演は終わってしまったようですが、夏の公演もあったら行ってみたいものです。
上記ツイートに作者の川奈さんご自身からリプライを頂き、恐縮してしまいましたが、『八王子怪談』第3弾にも期待します。
夜は【金曜ロードショー】視聴。なんと『ローマの休日』の新吹き替え版!早見沙織さんと浪川大輔さんと聞いて、失礼ながらあまりイメージじゃない……と思っていましたが、お二人とも良かったです。それぞれ池田昌子さん、城達也さんに寄せている感じもして。それだけにカットされたシーンがちょこちょこあったのが残念でした。収録はノーカットだったと思いたいです。
さて、往年の名作映画も時と共に古くなってしまったり、現代の価値観と合わなくなってしまったりしますが、これはそういうストレスなく観られます。70年近く前(!)の作品であると思うと、これはすごいことです。
オードリーの光り輝くような美しさ、可憐さ、そして知性、グレゴリー・ペックのハンサムっぷりや包容力もさることながら、彼らの演じるアン王女やジョー、またカメラマンのアーヴィング、美容師のマリオ等、脇のキャラクターたちも魅力的で、わざとらしい「嫌なヤツ」が出てこないのも良いですね。さりげないセリフで状況や人物の性格がすんなり理解できる脚本(なんとダルトン・トランボ!)も素晴らしいと、今更ながら感心しました。
そして、いわゆるハッピーエンド「ではない」からこそ、この映画は歴史的名作となったのだと改めて思います。切ないけれど美しく、後味の良いエンディングでした。
何にしても、古典的名作にはそう呼ばれるだけのわけがあり、価値があるのですよね。久しぶりに観られて良かったです。