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昨日アマゾンから届きました。
今年度アカデミー主演男優賞受賞作品。ポール・トーマス・アンダーソン監督の、ダニエル・デイ=ルイスによる、ダニエル・デイ=ルイスのための映画。
風景、ライティング、そして人物の心情の合致が見事で、アカデミー賞では撮影賞も受賞していますが、アメリカ西部の大地と空の空漠さ、美しさはやはりスクリーンでこそ味わうべきだと思います。
劇場公開前後には「欲望に取り憑かれ、モンスター化して行く男の半生」と、DDLの「怪演」が喧伝されていましたが、改めて観直すと、ダニエル演じるダニエル・プレインビューは別に「怪物的」人物などではありませんでした。
まあ、ラストの「あれ」は確かにアレですが、『ノーカントリー』や『ダークナイト』を観た後では、寧ろとても人間的に感じられます。
狷介で偏屈で、時に暴力的衝動に駆られることはあっても、義理の息子HWへの愛情はやはり本物だったと思うし、演じるダニエルも、彼の弱い部分や悲しさを繊細に表現していました。彼自身の演技や魅力は、そう極端に変わった訳ではないんです。一方で、特にイーライ(ポール・ダノ)絡みのシーンでは、笑いを誘発する演技や無声映画の演技のような身のこなしも見せ、やはりこれは「ダニエル・デイ=ルイスひとり舞台」みたいな作品だったと思います。
例の「靴職人修行」の噂(これの真偽のほどはいまだ不明)と、その後『ギャング・オブ・ニューヨーク』に出演した頃から、DDLは生ける「伝説」となりつつありましたが、この映画によってその伝説も完成した感があります。次の出演作は何かということが常に注目される俳優となった彼が次回作として選んだのが、オールスターミュージカル映画『ナイン』であることは意外でしたが、楽しみでもあります。
『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』ではアカデミー賞の他、各映画賞を総なめにしたダニエル・デイ=ルイスですが、SAG(米俳優組合賞)授賞式のスピーチでは、ヒース・レジャーを称揚してくれました。→こちら
その他のノミニーや出席者の顔ぶれも見ものです。
『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』劇場公開時の感想は下記に。
『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』(2007)
『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』感想拾遺
賞関係その他については「映画情報・雑感」カテゴリで書いています。