Copyright(C) S.Takeda
栄華を誇ったムガール帝国の最後の華、マハラジャの終焉も、
かの大英帝国の帝国主義による時代の変遷をまぬがれることは出来ませんでした。
かの大英帝国の帝国主義による時代の変遷をまぬがれることは出来ませんでした。
夢のアラビアンナイトの、まさにそのようなに装置を彩ったドラマテックな世界。
着飾ったハーレムの女たち、細工によりをかけ、贅を尽くしたお城や調度品...象に乗ってのサファリなど..
そして、もちろん、領土を守ったり、拡張したりの勇ましい戦いとか..
そこには華やかさゆえの終焉への歴史のプロセスによるさまざまな深い感情の皺が、
見るものに、なんともいえない思いを醸させるのです。
今でも、パンジャブ、ラジャスタンあたりのマハラジャの現在の生活を、
テレビなどで紹介されたりしますが、その土地の名士であり、政治活動や、家族伝来のお城をホテルとして、
訪れた観光客に、さまざまな独自のイヴェントでもてなしたり..。
その地方では、いまなお殿様として、それなりの役割を自ら任じて..、
そんな存在なんでしょうね。
何年か前、テレビで見たのですが、ラホールのマハラジャの末裔の、たしか姉君と弟君だったでしょうか、それは、ひときわ印象に残っています。
没落して、幾く年月...ゲートからあたりいちめん植物に覆われて、石組みの建物の残骸のようななかに、ふたりは黒い精悍なドーベルマンと、ひっそり暮らしている....
ぽつんとあるテーブルの上には、いかにも堂々としたグラスやお皿でテーブルセッテングされていて...。
ほかには、ほとんど生活を満たすようなものは見当たらないのです。
しかし、なにより驚くのは、二人の存在感でした、とくに姉君は、空高く羽ばたく鷲のように堂々と誇り高く..というより、誇りそのものとでもいいましょうか!
二人だけのこの状況においても、なお、ヒエラルキーは、しっかりとあって、彼女が君主で弟が彼女に仕えているという......
実に、ここにおいてもOne of Maharajya、マハラジャ、健在!
草の生い茂ったゲートで、取材班を出迎え引き入れ導いた召使い風の男と
威風堂々の黒いドーベルマンが、尊大であるべき形を演出していました。
その有り様、表情は、マハラジャの高貴だと自認するDNAしか滲みだせないもの.....
それは言うに言えない、たくさんの情報を読み取った感動となって、心に残ります。