ピエール・ルメートル「その女アレックス」(文春文庫)2014年
先日読んだ「僕が死んだあの森」の作者が2011年に書いた殺人サスペンス。パリ警視庁の身長145cmのカミーユ・ヴェルーヴェン警部の三部作のひとつ。文庫が数十円で買えたのでひょいと買ってしまい、事情を知らずに読む順番を間違えたことに途中で気づいた。事件が引き続いているわけではないので大して問題はないが、できれば「悲しみのイレーヌ」を先に読んだほうがいいかもしれない。
新たに発生した誘拐事件に緊張が走る。ヴェルーヴェン警部は誘拐事件に関する悲しくも苦い過去を持つ。なので、本当は担当したくなかった事件だが、容赦なく捜査に引きずり出されてしまう。誘拐された女性の生死は時間との戦いに委ねられる。警察の捜査と監禁場所との描写が交互に描かれる切迫感。
しかしこの小説は誘拐事件の解決で終わる物語ではなかった。読み進むに連れて、話はとんでもない方向に舵を切る。えっ?そっち行くのか! と思ったらそんなことになるのか! なんてこった! あぁそうゆうことか! 前情報なしに読んで驚くのにはうってつけの探偵小説。カミーユは決意した。真実よりも正義・・・
ただし、この小説にはものすごく惨いシーンが多い。ほんわかしている暇がない。惨い話はごめんだ!という人にはお薦めできない。「僕が死んだあの森」は殺人事件が起こった後は、主人公と読者を精神的に追い詰めるような物語だったが、「その女アレックス」は残酷な描写が繰り返され、登場人物と読者を直接痛めつけるような物語だ。
先日読んだ「僕が死んだあの森」の作者が2011年に書いた殺人サスペンス。パリ警視庁の身長145cmのカミーユ・ヴェルーヴェン警部の三部作のひとつ。文庫が数十円で買えたのでひょいと買ってしまい、事情を知らずに読む順番を間違えたことに途中で気づいた。事件が引き続いているわけではないので大して問題はないが、できれば「悲しみのイレーヌ」を先に読んだほうがいいかもしれない。
新たに発生した誘拐事件に緊張が走る。ヴェルーヴェン警部は誘拐事件に関する悲しくも苦い過去を持つ。なので、本当は担当したくなかった事件だが、容赦なく捜査に引きずり出されてしまう。誘拐された女性の生死は時間との戦いに委ねられる。警察の捜査と監禁場所との描写が交互に描かれる切迫感。
しかしこの小説は誘拐事件の解決で終わる物語ではなかった。読み進むに連れて、話はとんでもない方向に舵を切る。えっ?そっち行くのか! と思ったらそんなことになるのか! なんてこった! あぁそうゆうことか! 前情報なしに読んで驚くのにはうってつけの探偵小説。カミーユは決意した。真実よりも正義・・・
ただし、この小説にはものすごく惨いシーンが多い。ほんわかしている暇がない。惨い話はごめんだ!という人にはお薦めできない。「僕が死んだあの森」は殺人事件が起こった後は、主人公と読者を精神的に追い詰めるような物語だったが、「その女アレックス」は残酷な描写が繰り返され、登場人物と読者を直接痛めつけるような物語だ。