ざっきばやしはなあるき  

雑記林花或木 Since 2005-01-01 
美術とか映画とかなんとなくぶろぐ 

『TOUCH/タッチ』

2025-01-28 20:07:50 | 映画[た]
『TOUCH/タッチ』
原作:オラフ・オラフソン
監督:バルタザール・コルマウクル
出演:エギル・オラフソン/Koki/パルミ・コルマウクル/本木雅弘/メグ・クボ/奈良橋陽子/中村雅俊

 アイスランド映画。初期の認知症と診断を受けた男クリストファーが、心残りなことを清算しようと旅に出る。目的は50年前に突然姿を消してしまった恋人ミコ(Koki)の消息を確かめること。高橋(本木雅弘)の経営する日本料理店で働いていた当時を思い起こし、アイスランドからイギリス、日本へとはるばる旅をする物語。

 突然いなくなった謎を知るのはもちろん映画の本筋だが、あまり見慣れないアイスランドの風景も興味深いし、まさかの日本観光旅行みたいなシーンは、外国人にウケそう。洋画なのに日本語もバンバン出てくるし、その日本語もちゃんとしていて、ヤカモトさんとかユニオシさんとか出てこなくてよかった。

 でも久多良木(くたらぎ)さんという聞きなれない日本人が登場して、映画を見ているときに日本語なのに聞き間違えそうになった。後で調べたら、全国に240人ほどいらっしゃるようで、およそ10人しかいないらしい豫風さんや下井谷さんよりメジャーだった。



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ピエール・ルメートル「その女アレックス」

2025-01-26 20:08:53 | 
ピエール・ルメートル「その女アレックス」(文春文庫)2014年

 先日読んだ「僕が死んだあの森」の作者が2011年に書いた殺人サスペンス。パリ警視庁の身長145cmのカミーユ・ヴェルーヴェン警部の三部作のひとつ。文庫が数十円で買えたのでひょいと買ってしまい、事情を知らずに読む順番を間違えたことに途中で気づいた。事件が引き続いているわけではないので大して問題はないが、できれば「悲しみのイレーヌ」を先に読んだほうがいいかもしれない。

 新たに発生した誘拐事件に緊張が走る。ヴェルーヴェン警部は誘拐事件に関する悲しくも苦い過去を持つ。なので、本当は担当したくなかった事件だが、容赦なく捜査に引きずり出されてしまう。誘拐された女性の生死は時間との戦いに委ねられる。警察の捜査と監禁場所との描写が交互に描かれる切迫感。

 しかしこの小説は誘拐事件の解決で終わる物語ではなかった。読み進むに連れて、話はとんでもない方向に舵を切る。えっ?そっち行くのか! と思ったらそんなことになるのか! なんてこった! あぁそうゆうことか! 前情報なしに読んで驚くのにはうってつけの探偵小説。カミーユは決意した。真実よりも正義・・・

 ただし、この小説にはものすごく惨いシーンが多い。ほんわかしている暇がない。惨い話はごめんだ!という人にはお薦めできない。「僕が死んだあの森」は殺人事件が起こった後は、主人公と読者を精神的に追い詰めるような物語だったが、「その女アレックス」は残酷な描写が繰り返され、登場人物と読者を直接痛めつけるような物語だ。



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『アーサーズ・ウィスキー』

2025-01-21 19:58:01 | 映画[あ]
『アーサーズ・ウィスキー』
監督:スティーヴン・クックソン
出演:ダイアン・キートン/パトリシア・ホッジ/ルル/ジュヌヴィエーブ・ゴーント/エスメ・ロンズデール/ハンナ・ハウランド/ボーイ・ジョージ/ローレンス・チェイニー/デヴィッド・ヘアウッド/アディル・レイ

 発明家の夫が残したウィスキーを飲んだ70代の女性3人組、寝て起きると20代のピチピチギャルに変身していてびっくり。これはすごいと喜んで、はめを外しに街に繰り出すのだが、数時間過ぎたらもとのおばあちゃんたちに戻っちゃって大慌て。しんでれらか!

 寝て起きると変身、とか言ってながら、映画が進んで行くにつれて、変身するまでの時間が曖昧になってきて、すぐ変身してたりする。粗探し探検隊。そんなこんなで変身おちゃらけだけのコメディかと思ったらそこまで軽薄な映画ではなくて、生き方を真剣に考える真面目な映画だった。若返ることで、改めて自分たちの生きてきた人生を振り返り見つめ直す機会を得た女性たちの物語。

 私のようなもう若くない人たちにとって、20代に若返るなんて夢のような話で、若返ったら何でもできそうな気がするが、自分が20代だった頃に何ができたかと振り返ると、大したことをしてないなぁと、後悔するしかない。きっと若返ってもうろうろして終わっちゃうんだろうな。数時間で魔法が解けちゃうってのが痛し痒しだねぇ。あと、私は酒弱いので、不思議なウィスキーを飲んで「頭痛ぇ、おえっ!」とかやってるうちに元に戻っちゃう鴨新米。



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『室町無頼』

2025-01-19 14:05:18 | 映画[ま]
『室町無頼』
原作:垣根涼介
監督:入江悠
出演:大泉洋/長尾謙杜/堤真一/松本若菜/江本明/北村一輝

 歴史書に1行載っていただけの名前「蓮田兵衛」を元に原作者・垣根涼介氏が書き上げた小説からできた映画。だから史実と言っても他に何の資料も無いので、「フィクション」というか「たぶんこうだったんじゃないか劇場」みたいなものかな。

 蓮田兵衛を演じる大泉洋、いろんなバラエティやドラマなどで目にしているが、気のせいかもしれないけれど、もしかしてだけど、この映画の大泉洋がいちばんかっこいいんじゃないかと思った。

 才蔵(長尾謙杜)の修業シーンはジャッキーチェンの映画を見ているようで面白い。江本明の個性が強烈。骨皮道賢(堤真一)も美味しすぎる。

 『はたらく細胞』にも出演していた松本若菜がここにも登場。一か月くらいのうちに2本で見てしまった。こちらのほうが登場シーンは多い。

 『十一人の賊軍』もそうだったけれど、権力に立ち向かう名もなき者たちという形の映画は、名もなき観覧者からすれば感情移入しやすい。筋書きもわかりやすいし見応えもあり良い作品だと思う。時代劇が嫌いな人以外にはお薦め。


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『エマニュエル』

2025-01-11 20:53:56 | 映画[あ]
『エマニュエル』
監督:オードレイ・ディヴァン
出演:ノエミ・メルラン/チャチャ・ホアン/ナオミ・ワッツ/ウィル・シャープ/ジェイミー・キャンベル・バウアー/アンソニー・ウォン

 最初の『エマニエル夫人』が公開されたのは1974年。ずいぶん話題になったのは覚えているが、当時の私はすぐに見られる年齢ではなかったので、実際に見たのはずっと後で、多分レンタルビデオでも借りたのだろう。

 私は、見たことのある映画をEXCELで一覧表にしてある。監督名や出演者、公開年、評価、備考も書いてあったりなかったり。ど忘れして載せていないものもあるだろうが、『エマニエル夫人』を確認したら一覧表に載っていた。『続・エマニエル夫人』まで載せていた。A/B/Cで評価も書いてあるが、どちらもBだった。あまり印象に残ってない。『続』を見たことさえ忘れていた。

 ちなみにまったくの余談だが、この一覧表で評価Cが付いていたのは、『いかレスラー』、『えびボクサー』、『火星人ゴーホーム』、『キラー・コンドーム』、『キル・エビル』、『クイーン・コング』、『コアラ課長』、『チュパカブラ』、『ヅラ刑事』etc。備考欄には総じて「くだらん」と書いてある。くだらんものは好きなんだけどね。『火星人ゴーホーム』なんか「最悪」と書いてあるが、どう最悪だったのかも思い出せない。

 『エマニエル夫人』も内容は覚えてないが、ポスターになった籐椅子に座るシルビア・クリステルの姿だけは印象に残っている。それからフランス語の主題歌も。とはいえフランス語なんて全然知らなかったので「♪ジョオボジョオボジョオボエマニエル♪」みたいな歌の雰囲気だけ印象に残っている。

 というわけで『エマニエル夫人』の内容も覚えてなかったので、比較することもできず、新鮮な気分で見たのだが、ほとんどホテルの中の出来事で、大事件が起こるわけでもなくホワホワッと終了した感じ。エマニエル夫人っちゅうくらいだからエロシーンを期待してしまう人も多いと思うが、ソフトでアンニュイな雰囲気を醸し出しているので、比べていいものか知らんけど、昨年見たヨルゴス・ランティモスの『哀れなるものたち』のほうがよっぽどエグくてエロくて面白い。でも、本当に猥褻な映画が見たければ、そんな寄り道はせずに真っ直ぐにAVでも見た方がコスパは高いと思う。

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『人体の構造について』

2025-01-06 19:10:50 | 映画[さ]
『人体の構造について DE HUMANI CORPORIS FA BRICA / THE FABRIC OF THE HUMAN BODY』
監督:ルーシァン・キャステーヌ=テイラー/ヴェレナ・パラヴェル

 上映館によっては昨年から公開されていたようだが私の近所では年明けの公開だった。カメラでの生々しい手術の様子が映されるドキュメンタリー映画。内視鏡はもちろんのこと、脳の開口手術や帝王切開、前立腺全摘、湾曲した背骨の手術など、ややグロ的な血しぶきドバッな映像が続く。「ひえぇ~!」なんて思いながら見る。

 局部麻酔で脳に穴を開けている医師と開けられている患者が話している。ネジを回しながら「ここは?」「あ、ちょっと痛い」とか言い合っている。ひえぇ~! もし私が手術を受けるなら全身麻酔にしてほしい。「気が付いたら手術が終わっていた」にせよ「気が付いたら人生が終わっていた」にせよ、全身麻酔を希望するぞ。

 私も受けたことのある白内障手術の様子が俯瞰的に見られた。濁った水晶体を吸い出して目の中に眼内レンズを縦に入れて、器具でひょいひょいと横向きに整えたりしていた。あぁ、こんな感じだったのか。これはもちろん局部麻酔だったので、眼球をほじくられている気がして、痛くはなかったけれど、ィヤァ~な気分がした。

 ずっと学術的な手術の映像だけかと思ったら、医師や看護師などが仕事しながら労働環境をぼやき続ける姿や、いろんな所の調子が悪い患者たちの院内での様子なども挟み込まれていて、いかにもドキュメンタリーな雰囲気を醸し出している。このシーンはそんなに長くなくてもいいのに、なんて思うところもあったけれど。

 ともあれ、聖地巡礼とか病院巡礼とかはできるだけしないでおきたい。そう願いたい ←痛いし! 健康保険料の値上げを防ぐためにも ←痛いし!


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ピエール・ルメートル「僕が死んだあの森」

2025-01-04 19:28:40 | 
ピエール・ルメートル「僕が死んだあの森」(文春文庫)2021年

 フランスのある村の物語。母と二人で暮らしている12歳のアントワーヌ少年。なにげない日々の営みに溶け込んでいた少年だが、ある日、殺人事件が起こる。ここから先、少年と周囲の人々の人生がガラリと変わる。そこまでは何だかパッと冴えない小説だなぁなんて思いながら読んでいたのに、突然先が気になって気になってしかたなくなる。この少年はどうなるんだ、母はどうなるんだ、隣人たちはどうなるんだ、物理的に精神的に追い詰められる犯人の動揺がずっしりとこびりついたまま最後のページまで不安な読書が終わらない。



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SHARP AQUOS sense9 (SH-M29)

2025-01-03 10:40:17 | 電子機器
 3年半ぶりにスマホを買い換えた。シャープのAQUOS sense9(SH-M29)SIMフリーモデル。使っていたスマホの調子が悪いわけでもなく、不満があるわけでもないのに、電池の持ちが悪くなると買い換えるという変な風潮がある。気軽に電池交換ができないからしかたない。SDGsに逆行している。今回も前機同様追加料金を払ってガラスコーティングをした。綺麗で後が気楽なので気持ち良い。

 液晶サイズは5.8インチから6.1インチに広がったが、筐体がバカでかいわけではなく、ホールドしやすい。今まで画面の下部にあった指紋センサーが右脇の電源スイッチと一体になった。良いのか悪いのか微妙だが、慣れれば問題ないかも。指紋センサーの長押しで電子決済アプリなどの起動ができる「Payトリガー」機能もある。

 バッテリーは5000mAhというキリの良い容量、買ったばかりだから充分もつけれど、時が経てばどんどん短くなって行くのが常なので、省エネ技術がどうのこうのと記載してあっても、もはや数年後に期待はしていない。ワイヤレス充電にも対応してくれたらいいのだけれど。

 カメラが5030万画素というびっくりするような数値は、持っているデジカメの2010万画素の2倍半、もう何が何だかわからない。でも映りはいい感じ。カメラ部分がもののけ姫のコダマみたいでカワイイ。

 旧スマホからのデータ移行は付属のクイックスイッチアダプターで実施。とはいえアプリそのものがコピーされるわけではないので、個別にインストールが必要。でもインストール済のアプリのアイコンやいろんな設定は旧スマホの状態が移行できるので助かる。いくつかアイコンが足りないなぁと思ってPlayストアを見に行ったらそのアプリは既に存在しなくなっていた。私はPhotoやMusicをmicroSDカードに置いているので、これらに関しては移行もクソもない。Twitterの青い鳥アイコンをずっと温存しておいたのだが、今回の移行により黒いXアイコンに変わってしまった。帰ってこい青い鳥よ!

 イヤホンジャックが廃止され、有線を使いたければ、Type-C → イヤホン変換アダプタを使う仕様になった。私もワイヤレスイヤホンを主に使っているので問題ないが、なにやら巷では有線イヤホンが持てはやされているとかいう噂を聞いた。そっちの方が音がいいとか。あまり音にはこだわらないが、充電のいらない有線イヤホンは安心感があるから好きではある。

 Bluetoothイヤホンをして歩いていると時々「ピロ」っと音がして一瞬途切れ、数メートル歩くとまた「ピロ」っと途切れることが多い。Wi-Fiのせいかと思ってオフにしてみても変わらなかった。なんかヤダなぁ。それから充電ケースの残量が少なくなると勝手にスマホに繋がってしまうので、Blurtoothを都度切らないと電話が来た時音が聞こえなくて焦る。

 MVNOのmineoにして9年半経った。今は5GB税込み1518円/月で契約。5G対応だが相変わらず4Gで使用中。家ではWi-Fiだし、YouTubeは家で見るし、ゲームはしないので、今のところ5GB/月で足りている。

高さ149mm×幅73mm×厚さ8.9mm、重量166g
アウトカメラ:広角5030万画素、標準5030万画素
インカメラ:3200万画素 CMOS
6.1インチ2340x1080 Pro IGZO OLED液晶
防水(IPX5/8)/防塵(IP6X)
OS:Android 14
ROM:128GB/RAM:6GB
CPU:Qualcomm Snapdragon 7s Gen 2 Mobile Platform
   オクタコア2.4GHz + 1.95GHz
おサイフケータイ。バッテリー:5,000mAh
指紋・顔センサー
ワイヤレス充電非対応、イヤホンジャック非搭載




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2025新年おめでとうございますなう!

2025-01-01 08:21:32 | Weblog
 一触即発で世界が滅亡しそうな昨今ですが、順当に新年になってしまいました。皆様イカがお過ごしですか。今年もよろしくお願いします。戦後80年経っても人間は愚かなままですね。一回地球割れたほうがいいのかもしれません。んちゃ!

 今年の年賀状は「がんばりマヌカン」、昨年開催されたデ・キリコ展に出てきた目鼻口の無いマヌカンがお気に入りなので、そいつを流用して自転車に乗ってもらいました。マヌカンはマネキンのことです。「夜霧のハウスマヌカン」なんていう歌が昔ありましたね。デ・キリコとは関係ありません。「マネキントリオ」なんていうアイドル3人衆が昔いませんでしたね。とりあえず年賀状の説明を記しておきます。
・(中央)デ・キリコ的なバイセコー・マヌカン
・(左中)頭にパンを乗せたバイセコー・ダリ男
・(左中)バイセコー・ダリ男の車輪で遊ぶ危険少女・井出きり子
・(左下)がんばり屋さんのバイセコー・ファージ君
・(右中)日陰に小休止している徒歩ファージ君
・(右中)兵器を運ぶあしながおじさん
・(中下)不安を与えない遠近法に沿った箱
・(背景)不安を与えない遠近法に沿った建造物
デ・キリコ的には、不安を与える遠近法崩れが売り物ですが、私の年賀状は崩れてないのでぜんぜん不安ではありません。不安なのは私の人生のほうです。

 昨年の漢字は「金」でした。「勝っても金、負けても金」←チガウ! 今年の漢字はぜひ「ビャンビャン麺」の「びゃん」になって欲しいと思います。昨年もそう思っていた人々がたくさんいたようです。中華街に「びゃんびゃん麺」を食べに行った日を思い出します。それを大きな筆で描くお坊さんが途中で疲れ果てて筆を投げるシーンを見たいです。変に崩さずに楷書で書いていただきます。

 昨年の流行語大賞は「ふてほど」という聞きなれない単語でした。「ふてほど」は第1話を途中まで見てやめた記憶があります。最後まで見ればきっと面白かったと思いますが、きっと私はどうかしていたのだと思います。でももし最終話まで見たとしても「ふてほど」は耳馴染みのない単語だったと思います。

 ところでこのブログも今日で20年が経ちました。20年過ぎてもgooブログシステムが終了せずに続いていてよかったです。引っ越しは面倒くさいですからね。20年前の元旦ブログを見たら「新年は9時から出勤」と書いてありました。営業所が休んでいる隙にサーバの入れ替えをしたのです。

 今年の抱負とかはありません。私はダスティン・抱負マンではありません。ただの通りすがり人です。見知らぬ人の抱負なんて、あっても誰も聞きたくないはずです。どーですかおきゃくさん?!

 いーち、にーい、さん、da...orz



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