3.探訪レポート
2021年4月2日(金)磐井ツアー下見1日目①
この日の探訪箇所
原口古墳 → 筑紫野市歴史博物館 → 津古1号墳 → 津古永前遺跡 → 横隈山古墳 → 小郡市埋蔵文化財センター → 花立山穴観音古墳 → 焼ノ峠古墳 → 久留米市埋蔵文化財センター
お、今日の飛行機は、エアバスA350-900ですぞ!
最新鋭の飛行機じゃないですか!
シートに付いている目の前のモニターをいじっていると、飛行機の前方の様子をリアルタイムで監視できるようになっています。
こういうのって大好き。
飛行機は順調に飛び、やがて福岡空港に近づきました。
モニターを見てみましょう。
前脚を出したらちょっと邪魔ですが仕方がない。
福岡空港へアプローチするときは、海の方からやってきて、滑走路の軸線上に入るために少し旋回します。
眼下には福岡の街が近づいてきました。
福岡空港はもろに街中にあるため22時を過ぎたら飛行機は飛ばないのです。
何年か前にクラツーのツアーの帰りに私たちが乗るはずだった飛行機で機材トラブルが発生して、代替機が22時に間に合わず、帰れなくなったことがありました。
板付遺跡が見れるかなと思いましたが、位置がちょっと違いますね。
フライトシミュレーターをやっているみたいで楽しい。
まあ、私が操縦したら地面に激突ですが。
何度も激突して、しかるのちに上達する!
それはゲームだけの話です。
ちゃんとした人が操縦しているため無事に到着。
福岡空港ではまずは朝飯ですな。
吉牛です。
美味い。
いつものニッポンレンタカーへ行き車を借り、本日の探訪を開始します。
まず最初に向かうのは原口古墳です。
北部九州の前期古墳の中でも有名なので、以前から行ってみたいと思っていたのですが、ようやく今日念願が叶います。
以前、太宰府に行った時に、西鉄の朝倉街道駅からJRの天拝山駅まで歩いて乗り換えたことがあったのですが、天拝山駅から原口古墳までは歩いても20分で来れる距離だったんですね。
そのときは気づきませんでした。
さて、近くに到着しましたが、車を停める場所がありません。
墳丘の西側の邪魔にならない場所に路駐して行ってみましょう。
古墳へはどこから入るんでしょうか?
ここが入口っぽいな。
でも墳丘に取りつく前に周りの様子も見てみたい。
東側の県道のほうに出てみました。
「ウエスト」の焼肉ヴァージョンの店がありますね。
ウエストのうどんはめちゃ美味いですよ。
南側から見ると山が削られているように見えますが、古墳があるようには見えません。
では、先ほど見つけた入口っぽい場所から入ってみます。
すぐに墳丘らしきものが見えてきました。
注意深く警戒しながら歩きますが、形状は大きく改変されているようです。
登ってきた道を振り返ります。
道はまだ続く。
木々の間から県道方面にあるドンキのペンギンが見えます。
標柱がありました。
ここは後円部墳丘の途中の場所のようです。
墳頂にはお堂があるようです。
原口観音堂の由緒が刻されています。
後円部からの眺望はゼロ。
後円部墳頂の様子。
ここまでの道は決して歩きづらいわけではありませんが、きれいな墳丘を見ることはできません。
筑紫野市博物館発行の「ちくしの散歩」によると、弥生時代の甕棺墓の上に古墳が造られており、墳丘長80mの前方後円墳で、後円部中央では粘土や朱が多量に見つかったため、埋葬主体部は粘土槨であったと推定されています。
出土遺物で注目されるのは、三角縁神獣鏡が3面出ていることで、あとで訪ねる筑紫野市歴史博物館にはそのうちの2面のレプリカと1面の実物が展示してあります。
築造時期に関しては、九州最古級の古墳で3世紀代にさかのぼると考える研究者もいる一方で、『古墳の黎明 津古古墳群とその周辺』(小郡市埋蔵文化財調査センター/編・2013年)に掲載されている編年によると、築造時期は4世紀初めで、焼ノ峠古墳と同じ時期としています。
原口古墳の南には、やはり九州最古級の古墳を擁する津古古墳群があり、この地域は筑紫における古墳発祥の地の一つであることは間違いないですし、弥生時代からかなり大きな勢力がいたことも遺跡から見れば確実です。
筑紫野市周辺が邪馬台国であったかは分かりませんが、伊都国や奴国などと並ぶ重要な国があったのは確かだと私は考えています。
では戻りましょう。
通常、このように土が削れている場所で多量の石が見られる場合は葺石なのですが、原口古墳はどうなんでしょうか。
今後はこの地域の古墳についてもよく調べていきたいと思います。
実はここも今度のクラツーの「磐井ツアー」の探訪候補地だったのですが、事前にWebで調べたところツアー向きじゃないと判断して外しました。
実際に来てみるとその通りでした。
古墳の森から出てきました。
東側に見えるあの綺麗な山容は何の山でしょうか。
原口古墳のある森。
あの立派なお屋敷の裏山、というか一体化していますね。
では、つづいて筑紫野市博物館へ行ってみましょう。
(つづく)