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Kakuma News Reflector 日本語版

カクマ難民キャンプの難民によるフリープレス
翻訳:難民自立支援ネットワークREN
著作権:REN(無断引用転載禁)

2008年12月号 カクマ難民キャンプの子供の労働

2009年05月15日 | 人権
【写真】水道栓の近くで笑顔を見せる、働く子供たち

子供達は疲れ、やせこけ、年より老けてみえる。彼らの顔の表情から、未来の生活に希望を持っていないことがわかる。カクマ難民キャンプの至る所で、家事の働き手は子供達なのだ。私はこうした子供達に会い、その生活についてインタビューする機会を得た。その結果、大部分の若者は労働に喜びを感じていないこと、かろうじて生計をたてるためだけに働いていることがわかった。

私が会った子供達のほとんどは地元のトゥルカナ地方 の出身だが、難民キャンプの出身者もいた。ソマリア人やスーダン人のコミュニティが最も、子供の労働という問題をかかえていた。

働く子供達は毎朝とてつもなく早起きして、日々の雑用や仕事を始める。彼らの仕事には水運び、洗濯、石割り、下水運び、ホテルでの皿洗い、煉瓦造り、雇い主の住居の清掃などがある。食料配給センターから雇い主の家に配給食料を運搬するなどの責任ある仕事をすることもある。男の子はこの配給食料を手押し車に乗せて運ぶが、女の子は頭上に乗せて運ぶ。配給食料はとても重いので、子供達はひどく疲れるが、雇い主は、荷物が重すぎることなど考えもしない。彼らの関心事は自分たちの配給食料が無事に家に届けられるかどうかという点だけだ。

貧困は子供達の生活を劇的に変えてきた。カクマにおける子供の労働の要因も貧困である。働く子供達のほとんどが、一家の稼ぎ手になっている。家族は子供達が働くのをやめさせようとしないばかりか、食料をはじめとする生活必需品を子供達に頼りきっている。学校に通っている子供もいるが、大部分は学校に行っていない。保護者も学校に行くように勧めない。子供達が学校に行って働かないと、その日は空腹を抱えたまま寝ることになりかねないからだ。

難民の子供達はどうだろうか。国連難民高等弁務官事務所から配給食料を受け取っているのに、なぜ食料のためにお金を稼がなければならないのか。その答えは食糧配給のやり方にある。つまり家族に配給される量が不十分で、長く持ちこたえられないだけなのだ。難民は月に2回、配給食料を取りに行く。しかし割り当てられた食料が少なすぎて、次の配給日まで体力が持たない。それで難民の子供達の中には仕事をしなければならない者も出てくる。働けば、わずかな給料であれ不十分な配給食料を補うことができるからだ。

子供達の中には、他の子も働いているのだからというプレッシャーから働らいている子もいる。友だちがお金を手にしているのを見て、児童労働に巻き込まれていく子供もいる。誰も面倒をみてくれる人がいない孤児が、生きるためにやむをえず仕事に走る場合もある。それでもなお身寄りのない子供達がケニアにやってきて、 生活に耐えかね、食べていくために仕事を始める。

こうした子供達は自分たちのことを総称して「逆境に耐えている子」と呼んでいる。



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