Kakuma News Reflector 日本語版

カクマ難民キャンプの難民によるフリープレス
翻訳:難民自立支援ネットワークREN
著作権:REN(無断引用転載禁)

2009年12月号 難民学生卒業、通信学、社会学、保健学、開発学の学位を取得

2010年04月22日 | 教育
苦難のなかにありながら、難民たちは能力を発揮し、高等教育で目標を達成している。最近行われた卒業式では UNISA(University of South Africa)とKISWCD(Kenya Institute of Social Work and Community Development )の遠隔教育で学んできた学生が、資格と学位の両方を取得して表彰された。

2009年10月24日、ケニア福祉・地域開発研究所(KISWCD)は、イエズス会難民サービス(JRS)と合同で、カクマ難民キャンプでの2回目の卒業式をとり行った。卒業生のうち何人かが通信学と社会学の学位を受けた。他に保健と地域開発の免許証を受けとった人たちもいる。

卒業生とその友人たちが卒業式に参加し、そこにKISWCD、JRS,ウィンドル・トラスト・ケニア(WTK)、フィルムエイド・インターナショナル(FAI)、ドンボスコの人道支援団体スタッフも加わった。式典は午前10時にドンボスコの神父による祈祷の言葉で始まった。歓迎スピーチのあと、若者たちが伝統的な歌や踊りを披露した。文化的な演目はすべて、希望を持って生きるには教育がいかに大切かを表していた。

〈状況は好転していないが、希望も見える〉

その日のシニアオフィサーがスピーチを促されたとき、この式典はクライマックスに達した。WTK代表のジョン・マケケ氏が、スポンサーの取り組みを歓迎するスピーチをし、支援を表明した。「私たちはWUSC(ワールド・ユニバーシティ・サービス・カナダ)など多くのプログラムで、JRSと緊密に協力して活動しています。しかし資金は限られており選抜競争は厳しくなっています。けれども私たちは熱心に取り組んでいますし、これからも教育を支援したいと思っています」とマケケ氏は述べた。

主賓はJRSのケニア・ディレクター、クリスティーヌ・ムワニキ氏で、聴衆の大歓呼をうけてステージに迎えられた。彼女のスピーチはすばらしく、JRSがさまざまな支援スポンサーであり続けることを確認した。「私たちは東アフリカで活動しています。その目的はあなた方の権利に寄り添い、尽くし、守ることです」とムワニキ氏は述べた。

ムワニキ氏のスピーチによると、JRSのナイロビ本部は都市の難民の世話をしている一方で、ここのキャンプの難民を支援するプログラムも持っている。「私たちはまた心理社会的な支援をします。そして身体障碍をもつ人々が少数ながらカナダに移住できるよう努力しています」と彼女は述べた。

KISWCDの校長は、聴衆を魅了するメッセージを伴った力強いスピーチを行った。彼が強調したのは、難民や移民の生活や境遇は変わるという希望をもってほしいということだった。「良いメッセージをナイロビにもって帰れます。状況は好転しないし、苦しみもある。でも希望もまた見えるのです」とジャクソン・ワチラ氏はスピーチのなかで述べた。

KISWCDの校長は難民の若者たちに、学業を身につける努力をするようにと励ました。大学は、ジョモ・ケニアッタ農業技術大学(JKUAT)とデイスター大学との協働のもと、より進んだシステムで学生の支援を続けているとのことだった。
最後に、KISWCDの試験担当官、オバラ氏が証書を授与した。お祝いは続き、卒業生の友達や家族も加わった。

〈卒業生は喜びと将来への展望を表明〉

数人の卒業生が、KISWCDとJRSに対し、困難の中にあっても学習の機会を与えてくれたことに、喜びと感謝の気持ちを表明した。

KANEREは、ケニア中等教育修了資格試験(KCSE)の2008年の受験者で、A-段階の成績を取ったA.D.さんと話をした。彼はそのよい成績でスポンサーを得て、現在キャンプのWUSCクラスに通っており、カナダに移住する準備をしている。彼は、スポンサーシップを受けてとてもうれしい、将来は建設と建築分野の勉強をしたい、と語った。
「とてもすばらしい。これはやり遂げたことへの賛辞です。やり遂げたという事実は、後輩たちにとって、同じようにやれるのだという励みになるでしょう。私はまた、このような機会がなければもてなかった友達に恵まれ、そしてまた賞を頂くことができました」とA.D.は言った。

〈KISCEは難民の教育のニーズを支援し続ける〉

JRSは卒業式の資金援助をした。そして、WTKと協力し、難民と移民にいくつかの支援を提供している。カクマのWUSCクラスを終えた卒業生たちは、ナイロビに送られ、TOEFLの英語試験を受けることになっている。

KSWCD は1997年の創設と同時に、コミュニティー開発に向けての創造、学習、研究の分野で大学の活動をはじめ、キャンプ住民が日々ぶつかる問題の解決方法を見つけるようになった。カクマ難民キャンプの学生は、JRS/UNISAのセンター(南アフリカ大学遠隔学習センター)で勉強している。場所はカクマ第一キャンプの第5ゾーンだ。

KANEREの記者が、ムワニキ氏にコメントを求めると、彼女は次のように答えた。「私たちのところには記者たちに話す役目の広報担当職員がいます。個人的なコメントは禁じられているのです」と説明した。


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