2010年6月号 編集長からの手紙

国内外の読者の皆様へ

この小さな社会にいる私たちが、ようやくここまでたどりつけたことを、全能の神に謹んで感謝します。いくつか理由があり、KANEREの発行が何カ月も遅れていまいました。心からお詫びします。皆様の目に留まるのはいささか遅れましたが、それでもなお、この号を読んでいただく意味はあると信じています。

これまでの仕事に対し、KANEREのスタッフに感謝します。今年の前半はいろいろな事件に遭遇し、通常の作業が妨げられました。それらの事件は記事にできたものもあり、できなかったものもありますが、私たちは常に自分たちの力を信じ、KANEREを存続させるため断固として働き続けるつもりです。

５か月以上にわたり、カクマキャンプの生活には、危険を伴う問題がいくつか起きています。4月から5月にかけては豪雨に見舞われ、キャンプが洪水にになり、泥壁のシェルターに住んでいた数人の難民が流されました。またカワラセ川の季節的な増水で濁流が１キロ先のロドワーの町にまで達し、地元トゥルカナの少年1人と、スーダン出身の難民3人が死亡しました。難民コミュニティーでは殺人事件、暴行事件、それに関連した家庭内暴力事件がそれぞれいくつか報告されています。

スポーツの世界では、アフリカの地で初めてFIFAワールドカップが開催されました。キャンプ内の映画館やカフェはどこも、現地の試合を肌で感じようと、サッカーのサポーターやファンで溢れかえりました。

世界難民月間には、何千人ものカクマ難民、国内外の難民支援NGO団体が、ケニア政府の関連局主導のもと、ナパタ・グラウンドで2010年世界難民の日を祝いました。

コメント、意見、経験などあなたの生の声をさらに広く伝えていきたいと思います。お便りはすべて私のアドレス、kakuma.news@gmail.comまでお送りください。