Kakuma News Reflector 日本語版

カクマ難民キャンプの難民によるフリープレス
翻訳:難民自立支援ネットワークREN
著作権:REN(無断引用転載禁)

2018年2月号 キジバ難民キャンプの難民による抗議

2019年07月07日 | 人権
カバタ・ボル&ロランド・カラモ

2018年2月20日火曜日、難民の大集団――数千人とも言われる―がルワンダ西部のキジバ難民キャンプを徒歩で出発した。集団の指導者は、最近提案された食糧援助削減への対抗策としてコンゴ民主共和国への帰還を宣言した。これは抗議として実施される自主帰還の最初の例になるかもしれない。

集団をキャンプに戻そうとしたルワンダ軍の兵士が実弾を発射した。UNHCRルワンダのレポートによると、この騒乱で少なくとも難民11人が死亡、1人が足に負傷、他にも数名の負傷者が出たもようだ。

コンゴ出身者が大部分を占める難民集団はキジバキャンプを午前6時半に出発し、正式な帰還要求をしようとキブイエの町のUNHCR事務所にさしかかった。難民委員会の代表ルイス・ムバンガルセ・マオンビによると、事務所に向かう途中で、集団のうち4人が負傷し、1人が逮捕されたという。


【写真】キジバ難民による抗議―銃弾で負傷した男性 (ソーシャルメディアに投稿されている映像より)

木曜日の午前現在、難民はまだキブイエで円滑な帰還を要求していた。事務所の外で群衆が歌っているビデオがソーシャルメディアに投稿されている。

この大移動が始まる前、UNHCRとルワンダ政府の災害対策・難民問題省(MIDIMAR)に手紙が提出されていた。2018年1月5日の最初の書簡で、コンゴ民主共和国に戻るかウガンダのような第三国での恒久的な解決を目指していることを正式に発表した。2月7日の2番目の書簡では、差別と粗末な医療支援、飢餓を非難している。

難民関係者によると、2018年1月以来、世界食料計画(WFP)からの一人当たりの配給が一ヵ月につき9USBドルから6.7USドルに減額されているという。1996年にさかのぼると、難民は12.5キロのトウモロコシ、3.6キロの豆、0.9リットルの食用油、0.9グラムの塩とおかゆの為の小麦粉を受け取っていた。しかし2017年7月以来、WFPは一人当たりおおよそ9USドルの現金支給に変えている。

2018年2月、難民のリーダーたちはルワンダの災害対策・難民問題省(MIDIMAR)のトップ、ム・ドゥ・ボヌール・ジャンヌダルクからキガリ会議場に来るようにと言われた。そこで言い渡されたのは、1996年からルワンダにある難民コミュニティをルワンダ社会に統合するということだった。この提案は、援助のさらなる減少につながるのではないかと懸念された。しかしMIDIMARの難民担当のディレクターは、難民は全国UBUDEHEシステムには含まれない、むしろ援助機関は難民援助供給のモデル事業にするつもりなのだと言った。

UNHCRにキブイエへの帰還の要求をする一方、ルイス・マオンビはコンゴでは何が起きるかわからないと言っていた。年老いた難民の多くはコンゴ民主共和国の迫害と差別のため逃げてきた人たちだ。キジバ難民キャンプの大部分は南キヴのバニャムレンゲと北キヴのバニャマシシにまたがっていて、現在のキャンプ避難民17,000人の3/4がここで暮らしている。

今回の抗議運動は特異な展開で、難民が抗議の手段として自主帰還を兵衛した最初のケースである。これは、ルワンダがイスラエルのアフリカ難民を受け入れるという悪評高い国際協定にからんでいるのかもしれない。

難民は国際法や保護で縛られてはいるが、難民の抗議に対するルワンダ兵士の過剰な力の行使は、ただちに調査されるべきだ。

KANARE が UNHCRに接触したところ、報道発表するようにとの指示を受けた。UNHCRは食糧配給の減少は国際資金の不足が原因だと認めた。

コンゴ民主共和国が彼らを受け入れない場合は、彼らの目的地はウガンダになるかもしれないとルイスは言っている。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿