初体験。

長男が編集部に電話して、応募作品の評価を聞いた途端に現実を思い知る。
面接結果が出てからで良かったね～と言うが慰めにならない。
本人はかなりショックで錯乱状態に落ちたらしい。
「言葉にならないくらいでした・・・」
映画やドラマの様に自転車を漕ぎながら喚き散らしたらしい。
「あんな風になるんだ～。叫ぶしかなかった・・・」
なんと気が付いたら隣街まで叫び続けていたらしい。
「自分の中の何かが壊れた・・・」
彼は心が折れた以上だと振り返る。
「気が狂ったとは正にあの事だと・・・」
人間の心理状態とは恐ろしい。
「奈落の底ってあんな感じかなぁ～・・・」
今までに経験した事のない人格崩壊を味わう。
「ぼくの初めての地獄だった・・・」
初体験の衝撃は計り知れない。
約３時間、未知なる自分と向かい合い、涙も体力も尽きた時、彼は戻って来た。
スポ少の野球時代に経験させたつもりでいたが、あれとこれとは別物らしい。
吹っ切れたのか「少年ジャンプ」５０冊を資源ごみ用に出すと言う。
バイトも決まり、早く働きたいと鼻息が荒い。
また一つ経験を積んだのは良いけれど・・・・。
「ただいま～！」
彼の両手には本がぎっしり入った袋が・・・。
「またブックオフで買ったのか！？・・・」
今朝も６時起床、世の中、良い事も悪い事もあるからねぇ～・・・。