プロジェクトでは製品・サービスを成果物として構築します。価格競争に巻き込まれない為に、商品独自の希少性が求められます。わかりやすい例は、他の商品ではできないことが、できることです。
しかし、現在は多くの類似商品が世界中に溢れていますから、ユニークな商品を出すことが難しくなっています。特に機能面で独自性を出すには、圧倒的な技術力や資金力が必要となるケースが多く、投資できる国や企業は限られます。
既存パラダイムで戦うと、中小企業に勝ち目はありません。そこで、顧客体験にフォーカスすることが重要になります。顧客の感性にアピールする体験を発掘し、そこに注目してプロジェクトの成果物をデザインします。機能や性能を追求するのではなく、エモーショナルな体験を探索します。
15年ほど前、私は米国の東海岸でショーファー付きの車を半日頼んだことがあります。ドライバーは新型レクサスで空港に出迎えてくれました。
そのドライバーはレクサスの後部座席にマッサージ機能があるから自由に使ってくれと教えてくれました。他にもいろんなガジェットがあるらしく、その機能の豊富さでメルセデスからレクサスに乗換えたと言っていました。
15年前の話です。当時は、機能で差別化ができた時代です。
今は、マッサージ機能はプレミアムセダンの上級車種に付いています。追加オプション設定であることもありますが、ショーファーカーではデフォルト設定の時代です。現在は、機能や性能で他社を圧倒することがますます難しくなっているのです。
価格競争に巻き込まれない持続可能な商品を制作するには、どこに着目すればいいのでしょうか。
「プロダクトマネジメントの要諦」に詳しく書いていますので、こちらもどうぞ。