ビジネスパートナーやクライアントとの会話で、スコープは固定だがアジャイルでデリバリーしたいという支援要請はよくあります。
通常のケースでは、「スコープ固定なら、納期は変動です」ということなのですが、よくお話してみると「スコープも納期も固定」なことも。更に付け加えると、契約は請負契約希望であったりします。
大抵アジャイルをよく理解されていないケースが多いので、タイムボックスでスコープを最適化(最小化)していく話しをします。
不確実性コーンにもありますが、プロジェクト初期では計画も見積りも±300%の誤差があります。そして、計画と見積りの基準となる「成果物」も当然確定できません。
プロジェクト開始時に仕様を決めきれるということは、「私たち神だね!」に等しいです。
今登っている山を登ったら、新たな山が見えてくるわけです。今の山を登ったときに、「目標はこの山じゃなかった」と分かることもあるわけです。今登っていない山の更に奥の山まで見通せるのは神様しかいません。
不完全な人間である以上、最初から1ミリ違わずスコープや計画を定めることはできません。もし決めきってしまった場合、大きな投資をして誰も喜ばないプロダクトができてしまうリスクは300%です。
不透明なビジネス環境で、探索的なアプローチを選ぶ以上、スコープを固定すると自分の首を絞めてしまうことになります。
成果物も、計画も、設計も、プロジェクト期間を通して、繰り返しアップデートされていくものなのです。
アジャイルなアーキテクチャーについてこちらでも詳しく説明しています。