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ポルシェを救った大発明!(三菱サイレントシャフト)

2017-01-28 00:01:57 | 自動車から見える日本と世界

ポルシェ944(左)&924(右)

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このブログは高知の幸福の科学の信者たちによる布教ブログサイトですが、最近、自動車関連記事もご好評頂いております。

通常の自動車関連ブログとは違って、「〇〇という作品は、その後の世界にどう影響を与えたか」という観点が、オリジナリティーとしてあるとは思っております。

今苦境に喘ぐ三菱自動車の歴史を振り返ることで、三菱が世界のトレンドメーカーであることに着目しています。

三菱から学ぶ、トレンドメーカーになる方法とは、世界のトレンドメーカーとなるには、資金も、大げさなプロジェクト立ち上げも必要なく、何事も、本質を見抜くこと、そしてその本質を磨くこと、また、その本質を、きちんと分かりやすい方法で提示していくことが重要ではないかと思うのです。そして可能な限り、現実的な方法論でやってみせることではないかとも。

「やろうと思えば、誰でもできそうな気がすること」ここが、世界のトレンドメーカーへの道ではないでしょうか。

そして世界は変わるのです。

ここで書かれていることは、日本で現実に起こった歴史です。技術という分野ではありますが、それが現実に起こり、そして今があるのです。これは一種の革命なのです。

 

 

 

(赤い部分が、サイレントシャフト。エンジンと同じ振動を発生させて、「振動」を消す。)

かつて三菱自動車では、とても有用で、三菱らいし実用的な発明をしました。サイレントシャフトです。

自動車にはエンジンが必須ですが、エンジンというのは、必ず「振動」が伴うのですね。

爆発でピストンを縦方向に動かし、それを円運動に変換させて動力を取り出すのがエンジンですが、ピストンが縦方向に動くときに、どうしても振動が発生してしまうのです。

自動車だけでなく、すべての工業製品にとって厄介なものこそ、この「振動」なのです。

なぜなら振動は、利用者の疲労を溜め、健康を害するだけでなく、製品を痛めてしまうものだからです。

また振動によってネジが緩み、またボディーは常に痛められ、溶接なども常時影響を受けるからです。

エンジンにとって、大敵である振動。これによって、かつての技術者は悩みました。

ロータリーエンジンの回転の様子。

実はエンジンでも、理論上、振動のないものもあります。

それが、ロータリーエンジンであり、水平対向エンジンであり、直列6気筒orV型12気筒エンジンです。

ロータリーエンジンは、エンジンの行程は全て円運動です。振動を発生させる、ピストンの直線運動が存在しません。

ですから理論上、振動が発生する要因そのものがありません。

水平対向エンジンは、ピストンが向かい合って回転力を得ますが、お互いのピストンが、衝撃を打ち消しあう構造なので、振動が出ないのです。

水平対向エンジンの、ピストンの動き

 

直列6気筒エンジンは、動力を得るクランクが1回まわる間に、他のピストンの動きで、燃焼爆発による振動を消す効果があります。

6気筒エンジンの主流がV型に変わった今でも、直列6気筒(直6)エンジンにファンが多いのも、直6だと振動がないからです。

またV12気筒エンジンは、直6を組み合わせたものですから、振動はありません。

直列6気筒エンジン 理論上振動がない。

これらのエンジンの共通点は、全て高額商品であることです。

ロータリーエンジンは、技術面での克服するハードルが高すぎです。日本のマツダ以外、市販には成功していません。

水平対向エンジンは、部品も多く、組みつけが難しく、同じ性能のエンジンの、2倍の価格になってしまいます。ボクサーエンジンは、価格のハードルが高いのです。

直6エンジンは、全長が長いです。直6では、エンジンの置き場所を作るために、車体を大きくしないといけません。

直6の連結型である、V12気筒ならなおさらで、車体を大きくするなら、高級車を作る以外、商品価値はありません。

日本で唯一の、V12エンジンを積む、トヨタ センチュリー

 

これが実は、「振動のない自動車製品=高級車」という、思想面での刷り込みなのです。

その他の機種のエンジンでは、理論上、どうしても振動が発生してしまうからです。

この「振動」というエンジンの宿命を解決したのが、日本の三菱自動車なのです。

 

三菱が1974年に、軽自動車ミニカで発表した、エンジンにおける画期的な発明であるサイレントシャフトとは、どうしても振動が発生してしまうエンジンに、同じ振動を与えて消してしまう装置なんです。

 

歴史的発明サイレントシャフト搭載第1号 三菱 ミニカアミ

オンサとオンサを同時に鳴らすと、オンサの音は消えますよね。

音とは、空気の振動によって発生しますけれども、この同じ音と音とをぶつけることで、空気の波が消えて音が消えるわけです。これを三菱は、振動でも同じ原理を用いて、実際にエンジンの振動を消してしまったんですね。

これで、世界は変わったのです。

なぜならば、直6エンジンなど高額で、技術や商品としてのハードル高いエンジンを、搭載する必要性そのものがなくなってしまったからです。

まずは、ポルシェが三菱の特許を所得しました。

ポルシェは、アウディ製の4気筒エンジン搭載の、ポルシェ924の振動に頭を悩ませていたはずです。

なぜならポルシェは、それまでずっと、水平対向エンジンを搭載していたからです。

 

ポルシェ 924

「924は、ポルシェに非ず。」歴代のポルシェ愛好家から、924が厳しい評価を受け続けましたが、それは924がFRだったことや、安価なアウディ製4気筒エンジン搭載車だったからだけではないと思います。それまでのポルシェ製品には、ありえなかった不快な振動が、924にはあったからではないでしょうか?

それが証拠に、ポルシェ製エンジンを搭載した944は、ポルシェ愛好家からも高い評価がありました。「ポルシェ製エンジンは、やっぱり違う。」と言われたのです。ポルシェ944のエンジンは、サイレントシャフト付だったのです。

 

ポルシェ 944

通常同じ気筒数ならば、排気量の大きなエンジンほど、振動は大きいのです。力強い印象がありますけれども、それは振動が大きくなっているからです。

ポルシェ924は、4気筒2000cc、一方の944は、同じ4気筒2400ccです。理論上、振動では不利なはずのに、944には振動がありませんでした。それによってポルシェは、「さすがポルシェ。」という評判を得、944はその後も968シリーズに移行し、1994年まで生産されました。

基盤のポルシェ924が、1975年発売ですから、このシリーズは、20年の超長寿製品なのです。

最終的な排気量は、ポルシェ968で、4気筒で3000ccまで行きました。

 

ポルシェ 968

今、メルセデスベンツですら、主力は4気筒エンジンです。それを、ダウンサイジングと評して売っています。

でもそれは、三菱のサイレントシャフトなしでは実現不可能なのです。

ベンツ製品のクオリティーは、サイレントシャフトなし4気筒では、かもし出すことができないからです。

昔は、エンジンに振動があるのは当たり前でした。

振動がないエンジンが良ければ、価格の高い製品を買うのが当たり前だったのです。

振動がない・・・ということが、高い商品価値だったのです。

今ヨーロッパでは、ダウンサイジングは進み、1500cc以下の小さなエンジンでは、3気筒エンジンが主流になりつつあります。

3気筒エンジンを自動車で最初に市販化したのも日本メーカーですが、それはさておき、本来振動がえげつない3気筒の普及にも、三菱発祥の、サイレントシャフトなしだと、強烈な振動があるので不可能だったのです。

 

BMWのハイブリッドスポーツカーⅰ8 エンジンは3気筒


しかしその振動は、今の自動車商品ではありえない、過去の遺物となっています。それは、日本発祥の技術が可能としているのです。

ではなぜ三菱は、エンジンの振動を、消すことに挑戦したのでしょうか?

それは、戦前からのライバル、スバル(中島飛行機)が、水平対向エンジン搭載車だったからではないでしょうか?

ロングストローク=高トルクの三菱エンジンは、振動面ではスバルにかないません。

ですから、「中島(スバル)何するものぞ!」と、果敢に技術的克服に挑んだ結果が、サイレントシャフト開発だった・・・。

私には、こういう風に見えるんですよね。

三菱の技術的貢献というのは、全てスバル製品への、別の方法論での克服方法だからです。

三菱=ゼロ戦 VS スバル(中島飛行機)=隼 決戦は、今でも世界を進化させ続けているのです。

それが、日本の本当の姿です。

             (ばく)

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「善因善果、悪因悪果」

 

 



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