薔薇の花ほどどこの花屋さんでも、見かける機会のある花は、そう多くはないでしょう。
バラには求愛に対する象徴的なイメージ、情熱的な印象が浮かびます。
西欧では、多くの人々に愛されている花という印象です。
その様なイメージのあるバラは、古来の日本の華道では使用されて来ませんでした。
その理由は薔薇のトゲが、忌み嫌われていたのだそうです。
昔の人々にとってバラは、そのトゲがあるために、人を寄せ付けない印象だった。
古来の華道では、そこがネックになって活けて見られる花としては、評価してもらえなかった。
欧州ではバラに関する逸話も多く、特にフランスで品種改良された 3-35-40というバラは、大戦の戦禍を逃れるために米国や敵国のドイツにまでもその種苗が、送られて保護され絶滅を逃れたという事です。
奇しくも終戦後、敵国のドイツから再び3-35-40というバラは、フランスへ帰って来たのだそう・・・。
サンフランシスコ講和条約の折、この花は参加者各自の手元に届けられて、その折に名がついたそうです。
そのバラの名は ピース 。
画像:ウィキペディア参照
さて、ハマナスもバラ科の植物。
日本沿岸で野生で見受けられるバラ科の植物で、ドイツでは結構重宝がられていて、原産の日本よりも多くの人々に親しまれているそうです。
ハマナスは寒冷地を好む花なので、ドイツでは好んで育てられているのだとか・・・・。
塩害にも強く、凍結した道路に撒かれる融雪剤に耐えるというので、路上際を賑わせているそうです。
ドイツではもはやハマナスは、日本から送られてきた花という感覚ではないそうです。
バラの育種家くらい詳しい少数の人々にしか、ドイツでは知られていないのだとか・・・。
ハマナスは食用や漢方薬にも使用されたりして、意外に重宝な花です。
画像:ウィキペディア参照
バラの育成・栽培に関してはフランスが秀でていて、世界的には英国やフランスの庭園の主役的存在のイメージです。
品種の改良にも長けていて歴史も長く、私たちのイメージもバラと言えば、欧州のシンメトリックな庭園を思い浮かべたりします。
世界的にも愛されているバラにはミスターローズと呼ばれた有名な種育家がいて、その道では世界的にも有名な人物がいました。
その Mr.ローズ とは、日本人だったそうです。
日本のバラの育種家 鈴木省三 氏です。
彼は品種改良に携わっていた時、日本のバラの原種にこだわって、病気に強く耐性のある薔薇を改良して欧州に遅れを取っていた日本のバラの育種に生涯をささげた人物だった。
バラは花弁が豊富で、こんもりとふくよかなスタイルが好まれがちですが、Mr.ローズはノイバラの様な質素で小さなバラも愛したそうです。
その種育が、世界的にも認められるようになって、欧州のバラの育種家にも彼の名が、知られる様になりました。
欧州の薔薇の庭園を立体的に装飾できるようになったのは、蔓が伸びる様に成長してくれるバラを育成した彼の業績で、日本のノイバラから産まれたそうです。
Mr.ローズ は資生堂のバラに関わる商品開発にも参加していた事は、知る人ぞ知るお話です。
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