左心低形成症候群ってご存知ですか?

お腹の中の赤ちゃんが先天性心疾患の左心低形成症候群という指定難病なので、ブログを始めた新米パパ

新しい役割

2024-12-24 21:19:14 | 日記
その日を迎えた。

この日は、全てが終わるのが何時になるから分からないとの事で、公共交通機関を使い、最寄りの駅に8:00過ぎには着いていた。

妻も子供も緊急帝王をするでは無く、無事に当日を迎えてくれた事がひとまず良かった。

8:30前には病院に着いて、妻の病室へ。

スケジュールは

9時から分娩。

帝王切開なので1時間ほどで終わるとのこと。

分娩されてからは、子供がどうなのか。

すぐに、手術が必要なのか等を含めて、検査をする事になる。

そこからは、時間は伝えてもらっていなかった。

思ったより、いつも通りの妻と自分がいた。

妻は、昔のトラウマで手術室に行くのが、怖いと言っていたが、全てを受け入れているようだった。

代われるものなら代わってあげたいがそうはいかないのが、人体の不思議であり、代替のきかないとこである。

8:45になると、ご主人も一緒に降りましょう!と看護師さん達に言われ、手術室へ。

その間には、月並みな言葉ではあるが、「頑張ってね」と「しんどい思いをそっちにだけさせてしまってすまない」と伝えた。

そして、私を置き去りにする形で、手術室へ。

大きな扉が閉まると不安と孤独感が一気に襲ってきたが、仕方ない。

少しだけ見えた手術室の中に多くのドクターがいた気がした。

当日は、産まれた瞬間に何かあっても対応出来るように、ドクターも時間も隣の手術室も空けて、待機してくれるとの事で、うちの子供の重度さをひしひしと感じた。

その後は、妻の居なくなった病室で、1人で待機。

看護師さんが、呼びに来てくれるまで。

1人でいると

妻の安否。

子供の安否。

ずっとグルグルと思考する。

順序的にいえば、まずは妻だ。

妻がまずは無事であることを強く願っていた。

そして、思ったよりも、早く呼ばれた。

9:40に看護師さんが来て、「産まれましたよ!NICUに赤ちゃんが来られますので、見に行きましょう!!!」と言われ、カメラを持って、エレベーター前に。

思ったより、早くてこちらの心の準備が出来ていなかったし、どういう感情でいればいいのかわからなかった。

誘導されるままにエレベーター前に、エレベーターが、開いて、NICUに行くまでの通路の時間のみ見れます。との事で、それだけで圧倒的に短い時間だと言うことが、想像出来た。

そして、エレベーターの扉が開いた。

看護師さん3名とドクターが、付き添いながら、「「おめでとうございます」」と言ってくれた。

「産まれた瞬間に産声も上げてくれまして、元気な男の子ですよ」と言われた。

私はカメラを構えていたが、「え…まじか…」と感動なのか驚きなのかまだ信じれてないのか感情がわからなかった。

そしてドクターから「今から心臓や肺の動きなど、血液も含めて検査を色々とさせてもらいますので、よろしくお願いします」と子供を乗せた保育器は、NICUへ。

時間にして30秒あったかどうかくらいだろうか。

あまりにも短く、産まれて来てくれてありがたいが、これから待ち受ける壁を思うと複雑な気持ちでもあった。

その後は、妻のいる手術控室へ。

執刀医から手術の時の状況と説明をされて、また妻の居ない病室へ案内される。

そこから程なくして、妻が戻ってきた。

お疲れ様とありがとうを伝える。

まさに男には出来ない大偉業を成し遂げてくれた瞬間であった。

トラウマもあっただろうに。

強い人である。

話を聞くと、息子の産声を少しだけ聞けた様子だった。

労をねぎらいつつ、NICUで、診てもらっていることを伝えた。

術後なので、お腹の痛みもあったり、看護師さんがパットを交換してくれたりと、ずっと一緒にいるわけには、いなかった。

ここまでで、11:00頃。

妻は大丈夫だった。

あとは、子供だ。

どうなのだろうか…と不安がよぎる。

こんなに産まれた瞬間の感動が一瞬で過ぎ去って、不安にかられることも中々人生の中で無いだろう。

12:00。

まだ連絡は無い。

13:00。

まだ連絡は無い。

途方も無く長い…。

待つしかない。

待つしかないのだが、何も出来ないのが辛い。

14:00。

まだ連絡は無…

14:00過ぎに、連絡は来た。

看護師さんに呼ばれて、NICUの控え室へ。

そこでは、NICUでの説明と、家族の状況や、同意書などの書類を書きながら、NICUのDVDを見ていた。

そして、控え室で1時間ほど待つ。

今日だけで痔になりそうであった。

15:00。

控え室にて待ってる。

16:00にさしかかろうとしていた時に、ドクターが現れた。

「お父さんですかね?この度は改めておめでとうございます。少し説明も含めて会って頂こうと思います」と言われ、ついに対面へ。

そこには、保育器に入ってはいるが、なんとも小さな体躯の息子がいた。

「産まれて検査をさせて頂きました。ここからは、いつどうなるかを様子見させて頂きながらになります。それで、泣いたりすると呼吸がしんどくなってしまうので、今は麻酔で眠ってもらっている状態です。ここからは、心臓の動きと、肺の動きを観ながらですね」との事。

面会がどうなのかとかも含めて色々と質問をさせてもらった。

NICUではスマホは使えないので、ビデオカメラをこの為に買っておいた。

事前に、産まれたらすぐにNICUと聞いていたからね!
準備が出来たね!

そこで少しの間、面会と撮影をさせてもらった。

直接的に子供に関わっている時間もあまりなく、声も聞いてなければ、抱っこもしていない。

本当に自分の子供なのか?という疑問もあるが、これはどの家庭でも思うものなのだろうか?

普通よりも関われないので、親になるまで、時間もかかりそうだなぁとも感じた。

その後に、妻の病室へ戻り、説明した。

おそらく17:00過ぎに、病院を出た記憶である。

嬉しさと切なさが、同じくらいで込み上げてくるが、今日ついに自分は父親になったのだと徐々に時間と共に噛み締めながら、実家へ帰った。

なんにせよ。

妻と子供に大感謝。

幸せを増やしてくれて、ありがとう。


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