世界の中心で吉熊が叫ぶ2

身長15センチの吉熊くんと生きる独身OLの暮らし

あの眼差し

2024年11月25日 | 日記
ちょうど一年前ぐらいにホルモン療法を始めた。
最初は服薬。10年間飲み続ける予定。
そしてお腹に劇薬。こちらは今のところ5年間続ける予定。


私には主治医が3人いる@順天堂。

主治医1(近所でクリニックを開業。私の病気を発見してくれた人。無骨だけど優しい)

主治医2(執刀医。現在メインの主治医。森に住んでいそうな風貌)

主治医3(去年の今頃受けた一ヶ月限定の治療でお世話なった。期間限定の主治医。再発しない限りもう二度と会うことはない幻の先生)


去年の11月27日、主治医3に「ホルモン療法の注射、打つかよく考えた方がいい」と言われた。
元々子供が欲しくない45歳の私は「はて?」と思った。

注射を打ち続ければそのあいだ生理は来ない。
そしてそのうち閉経を迎える。
生理痛とPMSに悩んでいた私は一刻も早く打ってほしかった。


だけど主治医3は私の眼を見て、「よく考えた方がいい」と。


主治医1も2も私の45歳という年齢と未婚というライフスタイルで「こいつはもう妊娠なんて考えてないだろう」と思ったらしく、妊孕性には一切触れなかった。

でも主治医3は私の女性性を気遣い、「今回の、その生理が人生最後だよ?いいの?」とこちら側にぐんぐん入ってきた。
正直、混乱した。

翌日の28日、主治医2にも「どうする?打つ?」と言われて、大混乱。
自分に決定権があるとは知らなかった。

さっきまで「早く生理を止めてくれ~!」と思っていたのに、「打つと再発率は低くなりますか?」と一応、確認。

「うん。下がるよ」と主治医2。
「じゃあ打ってください」と私。

心の中では決めていても、いざジャッジを下さなければならない時、人ってやっぱり迷うんだなと思った。
そうして1ヶ月製剤をお腹に入れてもらい、12月の月経予定日になっても生理は来なかった。サイコパスのようにピタッと止まった。
続いて3ヶ月製剤を入れ、今ではコスパが良い6ヶ月製剤を入れている。

今の化学閉経状態は私にとってウルトラミナクルハッピーをもたらした。
世の中の閉経間際の女性で、このような状態になっている人はどのぐらいいるのだろう(子供を望んでいる人は別だけど)。
たぶん、宝くじに当たったと同等の価値があるに違いない。
病気になったのは嫌だったけど、QOLが爆上がりしたのは事実。


でも、ふと主治医3の、私に寄り添ってくれたあの眼差しを思い出し、感謝の気持ちと、そして「でもやっぱ生理無いの楽すぎ!!」という紛れもない本音が混在した変な気分になる。

40代に入ってからは特にPMSがひどく、「生理前のりょうちゃん、…怖い。人が変わったかのよう」とよく母を怯えさせた。

今はいつでもフラットな精神状態で生きられて本当に平和で幸せ。
ホルモン治療を開始したことへの後悔や寂しさなんて一切ない。
副作用もホットフラッシュぐらいで、強いて言うなれば、体重が増加したり疲れを感じた際に、以前だったら「生理前だから」と言い訳ができたのだが、今はそれができないというのがあるぐらい。


あれから一年。幸せは続いている。


今日は友人あやみちゃんがローソンのチケットをくれたので「からあげクン」を買って帰宅。
冷凍庫に保管していたお好み焼きで夕ご飯。


今は、「果実とけだすティーバッグ」を飲みながらこれを打っている。
桃の果実感たっぷりで美味なり。


治療の副作用のホットフラッシュがひどく、冬でも熱い飲み物を飲むと滝汗が出るのだが、漢方薬を飲み続けているせいか、今日は大丈夫。

ご機嫌なり。