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今日の記憶を一言半句

東京芸大奏楽堂和楽の美2(邦楽絵巻物「源氏物語」光源氏の美しさと妖艶さ)

一言一句とはならず少し長い書き込みです。

 

昨日の、和楽の美・邦楽絵巻物「源氏物語」「夕顔と須磨の巻」公演の感想を。

 

歌舞伎俳優の松本幸四郎、そして、能楽 観世流宗家 観世清和と宝生流宗家 宝生和英の両師を交え「源氏物語」をテーマにした邦楽絵巻物でした。

 

 

筝楽、雅楽、能楽、長唄、邦楽囃子などの邦楽が集結したコンサートは始めて。

奏楽堂は満席。

観客に女性が多くて7割、外国人が1割。

年齢層は老若男女だが若い女性が多かった。

クラシックのコンサートとはちょっと違うなと感じた。

 

 

「源氏物語」は言わずと知れた、平安時代中期に紫式部が書いた長編小説。

与謝野晶子の現代語訳を読んではいるが、けっこう難解でした。

12歳頃から52歳頃までの54帖にわたる大長編なので、すでに男盛りを過ぎた光源氏48歳頃の35帖「柏木」まで読み中断したまま。

この辺でいいか、なんて感じです。

 

 

「源氏物語」は光源氏の女性遍歴と言える物語ですが、読んでいるうちに、登場人物が多くて、光源氏と相手の女性とまわり人脈が覚えきれない。

そこに登場する人物の系図を帖ごとにメモしながら読んだ。

 

洋楽ばかり聴いてきた私にとって、これでもかと言わんばかりの邦楽のオンパレードで、3時間あまりのロング公演でした。

 

名だたる方々の、筝楽、雅楽、能楽、長唄、邦楽囃子、日本舞踊で、それぞれが4帖の「夕顔」と16帖の「須磨」「明石」を演奏表現し、今までにない和楽を集結したものでした。

 

 

演目 和楽の美・邦楽絵巻物「源氏物語」「夕顔と須磨の巻」

第一部

箏曲生田流・尺八「平安春の宴」

雅楽「青海波」

能楽観世流仕舞「半篰」

能楽室生流仕舞「葵上」

能楽室生流半能「須磨源氏」 

 

第二部

箏曲山田流「須磨恋慕」

箏曲山田流「白き花」

長唄・邦楽囃子「夕顔」

日本舞踊・邦楽囃子「源氏供養」

能楽観世流仕舞「岩船」

終曲

 

松本幸四郎が「源氏物語絵巻」から抜け出した光の君という設定に観世流・宝生流の両宗家が仕舞を。

 

平安時代の雅な世界が見えてくるような松本幸四郎が舞う光源氏は、美しさと妖艶さがただよう。

源氏物語の中でも、まさに光源氏が舞う姿は、人々を魅了し世の女性の心を乱したと記されている。

それが理解できる。

 

平安中期の宮廷貴族たちは雅楽の演奏を行い能を舞う、光源氏のようにみずから舞ったり歌ったりしていたのだろう。

 

伝統雅楽曲を直接聴くのは始めて。

どうしたことか、口ずさむことができそうなほど身近に感じ、感動がこみあげて目頭が熱くなるのを覚えた。

それは、私の体に日本人のDNAが宿っている証であるからのよう。

 

最終曲に、洋楽(オーケストラ)が加わり、和楽器とのコラボレーションは、音楽が好きな私にとって、贅沢この上ない満足感に浸りながらの終演で幕を閉じた。

 

なぜ今まで、あまり邦楽を聴いていなかったのか。

これからでも遅くはなく、機会があれば足を運ぶことにしたい。

 

日本の古典音楽にどっぷりと浸かり、日本人だなーとつくづく感じた一日でした。

 

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