しるべない旅

幼い頃の思い出と日々の雑感気まぐれに綴っております。

バイクふれあい記57

2023-09-25 16:21:20 | 日記



キーをそのままにし、モーターを休ませたあと、キックペダルを踏んでエンジンの周期を足で感じ取りました。

「これ踏みながらボタン押してみるね。 カチッキュブーン ここまで踏むとモーターが止まるね。 カチッ ボタン弛めたよ。 また、踏むよ ガリッ ドロッ また、ボタン押すよ。カチッ キュブーン また、止まったね。ボタン弛めたよ。 カチッ下まで踏むよ。 ガリッ

ドロッ バーン 二回止まるから、2気筒。」

「ドロッてピストンが2つあるしるしだよ。ガソリンが燃えて、排気する音だね。」

「面白い。キー戻してライト点けるよ。 コチッコチッコチッ」

「点いた。ギアが切れているランプ点いたね。」

「ボタン押すよ。」

カチッキュルキュルカチッヒューンガクッカチッ

「これで2気筒一回り。周期がわかると点火燃焼がしているかわかるね。」

ここまでが儀式の2つ目。


つづく


バイクふれあい記56

2023-09-25 16:04:55 | 日記


休日は、子どもにとって楽園です。バイクのいたずら相手は、小5のお兄ちゃんになりました。お互いに一人っ子だから、本当の兄弟のように接してもらえていました。私の人格形成に大きな影響を与えてくれました。彼も、ベンリイちゃんのいたずらに没頭していて、いっしょに練習しようと誘ってくれました。

お兄ちゃんと話すと、ベンリイちゃんのチャーミングポイントは、ヘッドライトの形、キーを差し込む位置、エンジンやセルモーターの音だと言いました。私と同じで、気が合いました。お休みの日は、ベンリイちゃんはお父さんの送り迎えがないから、夕方、お母さんが買い物に行くまで遊ぶことが出来ました。

アパート裏手は砂山を崩したちょっとした広場になっていました。やはり、子ども同士の遊びだから、目の届く範囲でと許されたのがここでした。ヨーロッパへ旅したことがありますが、男の子も女の子も、バギーという小さな四輪のクルマやミニバイクで、大人の目の届く範囲で遊んでいるのです。日本もモータリゼーションが推奨されていた昭和40年代までは、事故も少なく、バイクの運転技法は、家族や知人を通して伝えられて行きました。そんな長閑な時代に、遊びながらベンリイちゃんの運転のコツを覚えました。

さて、この空き地は、アパート前の取り付け道のどん詰まりから、砂地の小道を降りて行きます。お兄ちゃんのお家から出て、途中まではコンクリート、その先が悪路になるので、砂地のため、転倒しても怪我が少ないです。この空き地で遊べるのも、住宅造成が始まるまでの半年ほどでした。

砂山を上がったり下りたり、エンジンの唸りの変化を堪能出来ました。

アパート前の取付け道路から、きちんとエンジンを始動させて向かいました。角形のライトが大好きだから、昼間でもヘッドライトを点灯させていたずらしました。

「お兄ちゃん、鍵を左に回すとモーターの音をさせて遊べるんだよね。」

「よく覚えたね。」

カチッキュルキュルキュルキュルキュルキュル....

2人で指を重ねながら操作しました。

「お兄ちゃん、右の親指と人差し指尖らせて押すとずっとずっとモーターが回るんだよね。」

「キュルキュル、いい音だよね。」

「ここって、ピストンをガソリンが燃えやすいように揃える場所なんだよね。」

「そう、エンジンを暖める場所だよ。面白いけど、モーターが焼けると怖いから、お休みさせようか。」

「うん。」

カチッヒューンガクッ

エンジン始動の儀式のひとつが終わりました。


つづく




バイクふれあい記55

2023-09-25 14:58:29 | 日記


エンジン音の理屈がある程度わかり出すと、セカンド、サード、トップとそれぞれのギアで方向転換しながら往復練習を始めました。それぞれのシフトで、加速減速のタイミング、車体のバランシング、受ける風圧が異なるのを肌で感じました。
シフトアップ、シフトダウンの際のクラッチやギアの動きが、熱伝導が進み滑らかになりました。車体のバランシングが、自然に楽になり、転倒の危険性が減って来ました。楽しくなって来ると、1時間くらいの練習があっという間に終わりました。

つづく



バイクふれあい記54

2023-09-25 11:56:44 | 日記
カチッキュドッドウォ〜ンガクッカチッキュカチッキュドッドカチッロロウォ〜ントト……
この音が出る時は、点火プラグに燃料が被っている感じで、燃焼がしっかりしているものの持続しない感じです。腕を下げて残ったガスを抜いてあげます。カチッカチッと、給電と発電に切り替わる音がかわいらしいです。
エンジンが暖まり、音表現が理解出来ると、テンションが上がり、スポーツ感覚になりました。セルボタンは、すっかり、エンジン調整の一部になりました。アクセルを捻りながら、押しっぱなしにしたり、ポンとさっぱり叩いたりして、親指と人差し指のどちらかで止まりそうになると遊んでいました。サイレントサウンドにすっかりハマっていました。粗っぽい押し方をしてもちゃんと真ん中を押したのと同じ凹み方をしました。親指の腹は、ボタンを押さえ続けていると、窪んだ跡になりました。キックペダルは、エンストがどこで起きたか察知する時使いました。

つづく



バイクふれあい記53

2023-09-25 11:50:00 | 日記
カチッキュ ル キュ ル=バッテリーはすぐに放電するんですね。この音がしたら、キックで充電してあげます。カチッ ボタンを押す キュ ガリッ 踏み下ろし止める ブ〜ン 踏み下ろす ドッル 腿を上げる バーン キュ ガリッ 踏み下ろし止める ブ〜ン 踏み下ろす ドッル 腿を上げる バーン 2気筒だから同じ動作を優しく2回繰り返しました。キックを片すとボタンを押し続けるうちに、モーターが低回転ながら続くようになり、微笑みが溢れました。

つづく