く
カチッ キュ ガリッ 吸気 カチッ ドロッ
圧縮 爆発 排気 カチッ ル カチッ ガリッ 吸気 カチッ ドロッ 圧縮 爆発 排気
カチッ バーン カチッ
ボタンを押したり緩めたりするたびに、カチッという音がしっかり聞こえました。エンジンが、今、何をやっているのか、声を出して確かめながら操作していました。オイルがしっかり回っているのがわかりました。キックペダルを片付け、ボタンをギューッと挟み押ししました。
カチッキュルルキュルルキュルルキュドッドッ....
モーターを回しているうち、ガソリンが出始め、自然に点火燃焼しているのがわかり、位置合わせが成功したのがわかりました。
パチンヒューンカチッガクッ
この音が聞こえると、ボタンを緩め、側面を挟みました。これで、エンジン始動準備は終わりました。いい音にうっとりしていました。
く
とある休日、お父さんに車輌点検を見せてもらいました。ダンプカーの運転手さんとあって、手際よく進めていました。エンジンを見ながら、キュルキュルの音源、部品の役割を説明してもらい、ひとつに納得していました。寒さが厳しい時期になるから、毎日の点検はいい走りのため、大事な事だとわかりました。整備が終わると、お父さんに見守ってもらい、エンジンをかけました。
コチッ
ガリッドロッドロッバーンガリッドロッドロッバーンガリッドロッドロッバーン....
先ずは、キックでピストンの位置合わせ。お気に入りのドロッドロッの連発が聞こえて、笑みが浮かびました。
次は、セルモーターを回しました。いつものクセでボタンを親指と人差し指で挟み押ししました。これをやると、押したり緩めたりして、細かくピストンの様子を知ることが出来るからです。キックペダルは出して、場面を聞きながら足先で感覚チェックです。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20220912/10/palmerhuges11-05/f4/ef/j/o0736055215173579967.jpg?caw=800)
エンスト後、こんな音がするのも大好きでした。
カチッキュルキュルキュルキュルキュルキュルキュルキュル...
ガソリンがプラグにかかってしまうと、点火爆発まで、生ガスを逃がしてあげないといけません。こんな時は、アクセルグリップを閉めて、セルモーターの音を長く楽しめます。クラッチはしっかり握りながら、止まっています。セルとキックを交互に使い、負担を軽くしながら、逃がしてあげます。排気ダクトからガソリンの匂いがすると心なしか大人の雰囲気になります。やがて、大きな音を立てて、エンジンが復活すると、嬉しさはひとしおです。ウオーンとサイレントサウンドの優しくも逞しい音色が響くと、アクセルグリップの手が取られ、深角が進んでいるから、音を満足して、手首を戻してあげます。セルボタンは親指と人差し指で押したままにして、アクセルを閉めたあともキュルキュルが楽しめるようにしておきます。エンジンが落ち着いたら、下って回転して上ってを繰り返し、到達距離を伸ばします。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20220912/10/palmerhuges11-05/f4/ef/j/o0736055215173579967.jpg?caw=800)
初めて自力で車体を操作して金属道路に行く際、下りが怖かったから、復路は平地側から帰宅しました。しかし、転倒せず、お母さんと同じ音を出しながら、エンジンブレーキで吹かして下れたのが自信になり、坂道にハマってしまいました。お母さんは、125㏄ツインエンジンは、坂道に強いと話していました。重心がしっかりしていて、安全なバイクだと実感し、すっかり虜になっていました。
エンジンの調子は温度によって、滑らかになるまで時間に長短がありました。エンジンが暖まっていると、クラッチは一握りでセカンドまで軽く入れられました。
ギュー ガチャガチャ ウオーンドロッドロッゆっくりクラッチを緩めます。 スルスルスルスルスル....ギアが軽いと、ローより素早く平地の距離が稼げました。それでも、ハンドルが取られやすいから、バランス感覚が必要です。坂に入る前でハンドルが取られるとこんな感じになりました。
スッ ドロッ ルッ スッ ドロッ ルッ...ロッロッロッ ガクッ エンストしました。ボタンを押したままにしていたから カチッキュカチッヒュ セルモーターが少しだけ鳴ると指先をパッと素早く広げました。この仕草が我ながらおしゃれだと思いました。カチッウオーンドロッドロッ ちょっぴり上がっただけでもどりました。