先週土曜日、石川県金沢市で行われた白山カンファレンス(はくさん)という、びまん性肺疾患の研究会へ出かけてきました。私は実家が富山県ですが、長く冬の北陸に帰っておらず、お誘いを受けて嬉しくなって遙々飛んでいきました

小松空港に着く頃には下方に広がる真っ白な平野が見え、降り立ったところは雪景色。懐かしい景色に一人で大はしゃぎでした。北陸では雪に備えて植木に雪吊りという縄張りをするのですが、その光景すら懐かしく新鮮で、おもわず写真をパシャパシャ。まるで初めて都会に行ったお上りさんみたい・・・
。

研究会は4例の症例を臨床・画像・病理を含め、じっくり検討するもので、何と1例1時間半くらい続き、かなりハード(濃い?)な会でした。簡単に・・・ご報告。
症例1:セラミック製造業者に出現した間質性肺炎の1例。
両側下肺野末梢胸膜下に胸膜より若干離れた部分を主座として非区域性・帯状に広がるすりガラス影で、収縮性変化を伴う。経時的には緩徐な進行あり。f-NSIPに近い画像だけど、微妙に違う要素があり、膠原病や薬剤関連をr/o・・・という感じ。抗ARS抗体に関連した肺病変が疑われるという結末でした。
症例2:Sjogren症候群による間質性肺炎が疑われた1例。
気腫性変化と軽度の線維化、小葉間隔壁肥厚などを伴う肺野濃度上昇域が胸膜直下に斑状に分布。UIPともHSPとも言い難いが無理に分類したらそんな感じの病変。鳩飼育や羽毛布団など、鳥関連の生活歴豊富で、後になって唾液腺萎縮が出てくるというエピソードでした。病理はHSP説が優勢、SjS関連説もあり。という感じ。
症例3:消長を繰り返した多発肺結節影の1例。
両肺末梢胸膜沿い、肺底部などを主体に多発腫瘤を認め、いずれも辺縁がややにじんだような線状影が連続する感じ。リンパ路に病変がある雰囲気がとても強い画像でした。造影縦隔条件では病変内部が不均一で増強効果に乏しく壊死が疑われる感じ。リンパ腫様肉芽腫症でした。
症例4:過敏性肺臓炎との鑑別が問題となった間質性肺炎の1例。
ライスセンターという米の工場?みたいなところで毎年仕事をする男性に呼吸困難、乾性咳嗽などが出現。画像はまさにHSPという広範な淡い小葉中心性斑状・すりガラス影がベースで、右下葉にのみ浸潤影/融合影が合併している感じ。近くで画像が見えなくて集簇した粒状影かな、と思っていたのですが、コメンテーターJ先生の解説では分岐状影などが多数ある感じで、濃度が高く、非定型抗酸菌症の可能性を考えるというコメントでした。病理学的にも肉芽腫形成が目立ち、非定型の感染checkが必要とコメントされていました。
以上、ご報告です。知らない場所の研究会は新鮮でしたが、こんなにゆっくり画像を見る暇がない研究会は初めてで、とにかく見えない&見る機会がない・・・。やっぱり内科主体だからかな?すっきり結論が出たのは3例目のLYGのみって感じでした。さすがびまん性肺疾患の研究会・・・。放射線科人口は少なそうでした。コメンテーター以外の放射線科医っていたのかしら?
でも、とても楽しかったです。いつもと違うっていうのも微妙な緊張感だし、お誘いしてくださったJunF先生にもいろんな先生を紹介していただきました。以前大阪で会った学生T君はJun先生と一緒に(というか行ったら既に)顕微鏡見てました。すごい。


小松空港に着く頃には下方に広がる真っ白な平野が見え、降り立ったところは雪景色。懐かしい景色に一人で大はしゃぎでした。北陸では雪に備えて植木に雪吊りという縄張りをするのですが、その光景すら懐かしく新鮮で、おもわず写真をパシャパシャ。まるで初めて都会に行ったお上りさんみたい・・・


研究会は4例の症例を臨床・画像・病理を含め、じっくり検討するもので、何と1例1時間半くらい続き、かなりハード(濃い?)な会でした。簡単に・・・ご報告。
症例1:セラミック製造業者に出現した間質性肺炎の1例。
両側下肺野末梢胸膜下に胸膜より若干離れた部分を主座として非区域性・帯状に広がるすりガラス影で、収縮性変化を伴う。経時的には緩徐な進行あり。f-NSIPに近い画像だけど、微妙に違う要素があり、膠原病や薬剤関連をr/o・・・という感じ。抗ARS抗体に関連した肺病変が疑われるという結末でした。
症例2:Sjogren症候群による間質性肺炎が疑われた1例。
気腫性変化と軽度の線維化、小葉間隔壁肥厚などを伴う肺野濃度上昇域が胸膜直下に斑状に分布。UIPともHSPとも言い難いが無理に分類したらそんな感じの病変。鳩飼育や羽毛布団など、鳥関連の生活歴豊富で、後になって唾液腺萎縮が出てくるというエピソードでした。病理はHSP説が優勢、SjS関連説もあり。という感じ。
症例3:消長を繰り返した多発肺結節影の1例。
両肺末梢胸膜沿い、肺底部などを主体に多発腫瘤を認め、いずれも辺縁がややにじんだような線状影が連続する感じ。リンパ路に病変がある雰囲気がとても強い画像でした。造影縦隔条件では病変内部が不均一で増強効果に乏しく壊死が疑われる感じ。リンパ腫様肉芽腫症でした。
症例4:過敏性肺臓炎との鑑別が問題となった間質性肺炎の1例。
ライスセンターという米の工場?みたいなところで毎年仕事をする男性に呼吸困難、乾性咳嗽などが出現。画像はまさにHSPという広範な淡い小葉中心性斑状・すりガラス影がベースで、右下葉にのみ浸潤影/融合影が合併している感じ。近くで画像が見えなくて集簇した粒状影かな、と思っていたのですが、コメンテーターJ先生の解説では分岐状影などが多数ある感じで、濃度が高く、非定型抗酸菌症の可能性を考えるというコメントでした。病理学的にも肉芽腫形成が目立ち、非定型の感染checkが必要とコメントされていました。
以上、ご報告です。知らない場所の研究会は新鮮でしたが、こんなにゆっくり画像を見る暇がない研究会は初めてで、とにかく見えない&見る機会がない・・・。やっぱり内科主体だからかな?すっきり結論が出たのは3例目のLYGのみって感じでした。さすがびまん性肺疾患の研究会・・・。放射線科人口は少なそうでした。コメンテーター以外の放射線科医っていたのかしら?

でも、とても楽しかったです。いつもと違うっていうのも微妙な緊張感だし、お誘いしてくださったJunF先生にもいろんな先生を紹介していただきました。以前大阪で会った学生T君はJun先生と一緒に(というか行ったら既に)顕微鏡見てました。すごい。