佐賀大学病院放射線科アンオフィシャルブログ ~さがの読影室から~

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2009.08.19 90°RFパルスについて

2009年08月19日 21時34分13秒 | オンタイム
 ただいま当直中です。
 
 さて、先日よりうだうだと90°パルスについて書いていたのですが、今朝重いペンを上げて図を引いてみてショックを受けました。

 もともと図形問題がとても苦手だったのですが、まさかこの程度の話だったとは…
 小学生でもできたかも、と思ってブログで公開したことを後悔してしまいました。

 反省を込めて、図を出してみます。更に間違っていたら教えてください。



 図が見づらくなるので、x'軸は省いています。赤とオレンジの実線と、二重線の角度はそれぞれ90°です。

 つまり、90°パルスによって縦磁化成分がxy平面に倒れる、というのはこのことではないでしょうか?

 この後、それぞれの横磁化成分の大きさからFID信号を出しつつ、T2*に従ってディフェーズしたものを、1/2TE時間後に180°パルスあるいは傾斜磁場を用いてリフェーズさせ、1/2TE時間後にエコーを得るのだ、と(T2コントラスト、あるいはT2*コントラストを強調する/しない)。

 で、任意のTR時間をおいて縦緩和をおこして、T1コントラスト強調する/しない。

 この辺りまでが、コンベンショナルなスピンエコー、グラディエントエコーの原理だと思います。実際の撮像では、スライス選択、周波数エンコード、位相エンコードの話が必要となりますが、こちらはまだ理解が十分でなく、よくわからないところもピックアップできていないので、いずれ何か書けたらなと思います。
 でも、k空間の説明も同時にしないといけないからなぁ…図は無理でしょう。
 以前ご紹介した、株式会社 日立メディコのページが非常に良かったので、興味のある方は是非ご覧下さい。なんだかわかったような気になります。

 昨日書いたハーンエコー、誘発エコー、定常状態についてはまだよく理解できていません。ただ、ここまでは良いかな…という感じがしてしまっています。コントラストがとても難しいので。読影するには必須かもしれませんが、何せ診断にはコンベンショナルなシーケンスを使用することが主なので。MPRAGEや、FLASHくらいは3T装置(MAGNETOM Trio SIEMENS)で使うので、知っておきたいところですが。

 では今日はこの辺りで。

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