作楽会 いけばな 草月流

作楽会いけばな教室 生徒さん募集中!
於:お茶の水女子大学国際交流留学生プラザ1階
月3回(金曜2回・土曜1回)

210218 New Challenge Exhibition 水のない いけばな展 1期、Re;座・草月いけばな展、日本間

2021-02-18 17:50:00 | 草月展など
先生から、勉強してくるようお知らせいただいた
水のないいけばな展の第1期を見に
草月会館へ 
 
受付で、写真撮影がOKであること、教室のブログなどへの公開もOKで
ぜひ積極的に宣伝してください
とのことでしたので、
以下、綾星の独断で何作品かをここに紹介します
今回は、作家名と題名がそれぞれ付されていました
 

お家元の作品です
4期にわたりそれぞれ違う作品を作成されたとのことで
制作風景がHPに公開されています
勅使河原茜家元/Reborn-1/マツ・タケ/
枝を斜めに切って組み合わせた、ちょっと何か欲しいと思ってタケを刺した
 
参考:
日経新聞2/13夕刊と
日経スタイルNIKKEY STYLE エンタメ!エンタウォッチング2/20 に
『3密避けて生け花楽しむ 水は使わない、動画でイロハ』
花展を紹介する記事が掲載されたとのことです。合わせてご覧ください
 
 


続いて

作楽会いけばな教室ゆかりの田所先生の作品「雪月花」です


階段をあがって、反対側からみたところ、こちらが正面
田所萩和/雪月花:自作鉄花器・カラタチ・ルトリ/
田所さんは色にこだわる方でピンクが何ともいえない、空間の面白さが出ている
 
以下、何作品か綾星の勝手な感想も一部副えて紹介します
作家名と題名はメモしてこなかったのでここには記せません、失礼をお許しください
→Facebookにて、家元によるリモート鑑賞ツアーが公開されましたので
 それを参考にして、出品者氏名(敬称略)と題名と花材を加筆します
 また、お家元がここがいいと講評されている点もすこし書き添えさせていただきます
 加筆部分は青字で示しました


明暗、裏表、オディールとオデットみたいです
嶋直香/Deux reves(二つの夢)/:ガラス・雑木・根・鉄土台/ 
縦の表情で下がすっきり上にどんどんふくらみも出て素材の面白さがでている


枝ぶりを生かした曲線に均等につけた実
江口玉枝/コロナ禍の贈物/枯れたキウイ蔓と枯れた実/
流れがあって動きそうな不思議な線の構成
 


着色した素材を球体にしたのだろうか、球体にしたあと着色したのだろうか・・・
堀田順子/小さな星/鉛筆/
よく考えた
 

枯れ物と異質素材・薄く柔らかく見えるけれど金属なのかしら
前田早苗/0(ゼロ)発信/アクリルミラー・サンキライ・ノバラ実


無造作に丸めて置いたただけのように見えて、印象的でした
こういう作品、床置きでいいのか台を付けたほうがいいのか
いい悪いではなくて作者の意図なのだろうけれども
お教室でこういけた場合、先生や皆さんでいろんな意見が出そう
横山華苑/Maru/サンゴミズキ・銅版/
色を意識して同系色にしているけど質感が違い流れがある


額縁のような四角いパーツをたくさん使った繰り返しの立体に
棒を挟み込んだ縄を絡めた作品
青木霞洋/黒と赤の融合:角材・ロープ・箸・発泡スチロール/
角に曲線が入って締めている
 
着色した木・蔓とソテツ、ソテツの葉のせいなのか流れ・動きを感じます
武良友瑞/更始/ソテツ・着色キウイ・着色ミツマタ花材/
黄色の器に対して強い色だが3種の素材の違いが面白く合体している。ソテツが入ったことがすごいいきている。枯れたソテツの色がこんなに強く出ているのが面白い
 
 

ツバキでしょうか、常緑の葉を連ねたレイで作った一種いけのような緑を見つめる曲線の作品
たかはし藤水/はっはっは/ツバキ/
葉を連続して針金に通した一つの物を作って、それをどう表現していくかというそこに楽しみがある


材の輪切りに着色してあるのか、金属質の材料をこんな風に重ねたのか
野村浩秋/進む/ソテツ・木/
リズミカル、面白さがある

うす橙色で統一した作品、透き通ったホウズキの実は何色かに着色してある
露華あつこ/深海の杜/流木・透かしホオズキ・麻/
ホオズキの散らばり具合がきれいで柔らかさが出ている


この作品の作者の方がお友達と話しておられました
お訊ねしてみると、
「今回は、作品を宅配して、会場への配置はスタッフにお任せだったので
どこにどんなふうに置かれるのかここへ来るまでどきどきしていた
四方見のつもりで作成したが、自分ではこの右側の方を正面と思っている」
とのことでした
「場でいける」いけばなの草月流なので、今回のような初めての試みでの心配があったんですね
ソテツはいけた後置いておくと枯れていって長持ちするので、
平成のころつかったソテツと最近のソテツを組み合わせたので「ときのながれ」なのかな?
石川静暁/ときのながれ(平成~令和)/ソテツ/
すべてソテツだが時間の流れを感じる、ソテツはとげとげしい素材だが曲線や色の変化で不思議な柔らかみ丸みが出ているのが面白い
 

2色の縄だけでこんな作品ができるんだ・・・
中原揪/結ぶ/縄・着色ドライカスミソウ/
ボリューム感・形が面白く出ている

題は「結び」
よく見ると線の細い太いがあって、
同質に見えましたが太いところは細い材料が巻きつけてあるようです
亀谷美樹/結び/キウイ蔓・木綿糸/
綺麗さがすごい、糸の色が少しずつ違う、中が密でそこから広がる空間がきれい
 


こういう縦長の作品と、丸い作品が多かった
他にも平面の作品や横長の作品もありました
青木紫葵/無/カキ/
いろんな柿の枝を切ってそれを自分で選び抜いて構成して使う面白さ


お教室のお稽古でも使ったことのある笊の作品があった
笊を合わせて綴じ、中に、異なる網と花をいれたバーツをくみ上げた作品
このように、パーツを作って組むという作品の作り方も参考になる
同じ大きさでなく大小があったらまた違う作品ができそう
野口寿泉/水なしでいけるいけばな展からの発展/竹籠・ビニールマット・レンズマメ/
素材のおもしろさ、うまく発見して組み合わせている、転がりそうな動きにつながっている
 


黒いネットに珊瑚のような花材と異質素材
天内知紅/境界/海藻・マルベリーシート・ワイヤー/
色合いが面白い組合せ、上から見たときの中の空間が光っていてよく素材の良さを出している

松葉でこんな立体ができるんだ これで輸送に耐える完成度だということがすごい
荒井栄園/Towards the Light(光に向かって)/
荒井さんが追及している素材、ほんとに繊細で、ちょっとした風でもバランスが難しい
 
この作品、初め上から一べつして、ただ紙が束ねてあるのかと思いました
先ほど話しておられた作家先生が、「どう置かれるかスタッフ任せ」といっていたので
あらためて、回り込んで下から見たら、白い紙に青い球体がはさまっていました
この作品、作家はどこから見てほしかったんだろう
草月のスタッフはどう見たらいいと思ってここに置いたんだろう
北島里夏/天への贈り物//
正面から見るのと上から見るのと見るところは一つではない面白さ、風でふわふわする

黒と生成りの三角のパーツをたくさん作って構成した作品
山田里楓/探索-Sustainability with Desire-/紙ストロー・鉄/
方向によっていろんな形に見える、動き出しそうにも静かに佇むようにも見える
 
こういうのも「いけばな」なんだな
いけばなは「彫刻」でもあるのだな
そう思った「水のないいけばな展」でした
 
HPのイベント情報によりますと
『4期それぞれの会期中、YouTube、Facebook、Instagramでの配信を予定している他、ホームページからも視聴することができます。公開後はいつでもご覧いただけます。』・・・とのことです




先生が、応募要項を知らせて下さいました
それを見ると
作品サイズは、縦+横+高さが160cm以内、重量30kg以内
素材は、枯れ物、着色花材、竹、雑木、流木、石、鉄など
水使用不可、破損の恐れが無い作品、生の素材でも水を使わない素材は可、造花、ブリザーブドフラワーは使用不可
とのことです
 
前期・後期、先着順ということでしたが、たくさんの応募があり、
結果、4期各50作品、総勢200名の花展となったそうです

・・・・・

同日、2階で公開されていました「Re: 座・草月 いけばな展」も見てきました

家元を支える草月アトリエスタッフで結成されたユニットによる
2020年春の東京ミッドタウンにおける作品・装花の再現です
竹と枯れ物をメインにした作品
その一部を紹介します
 

割って初めて見える竹の内側の色と節
深澤隆行/刀-KATANA-


たくさん作った輪切りのパーツを構成した作品
倉田康治/変奏1Veriation no.1


これらも「水のない いけばな」
飯岡湖武孜/雨滴


竹に窓を開けるとこんな構成もできるんだ
伊藤佑飛/Retreat


建築のような彫刻のような作品
深澤隆行/刻TOKI

竹もヒゴになると軽やか
倉田康治/Blooming in the sky


竹にもいろいろある、これは亀甲竹?
御手洗直己/亀甲ガラス肉体美

割いた竹を重ねてそらせたパーツを組み上げた作品
伊藤佑飛/TAKE OFF
参考: 座・草月展 展示は2/28まで
 
 
5階の日本間も見学してきました
お雛様が飾られていました

竹の字は勅使河原宏作

花材は紅白の桃・梅・雪柳


書 と花器は勅使河原宏
花材はネコヤナギとベンケイソウ
2/26まで 作家: 秋山美晴


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