最近、全国の各地の自治体で、上下水道の料金値上げが相次いでいます。
設備の老朽化更新費用や人口減による需要の先細りが要因だが、住民や需要者に、購入先の選択権のない水道料金が、他の自治体と比べて高額の料金になるのは困ります。
小浜市における水道事業も、すべての市民や事業者が安心、安定、持続可能な計画を立てると共に、施設整備や更新事業への投資効果や効率を十分に検討し、水道料金体系の見直しや、国庫補助制度等の活用による財源確保に努める必要に迫られています。
既存水源の地下水だけでは水量の減少や、水質悪化が懸念されることから、安定した水源を確保するために、河内川ダム完成後に浄水場を新設して北川の表流水を新たな水源とする多水源化計画があります。
河内川は福井県三方上中郡若狭町に位置し、その源を福井・滋賀県境の駒ヶ岳(標高780m)に発し、山間部をほぼ北流しながら流下し、若狭町熊川地先にて北川本川に合流する流域面積16.3k㎡、流路延長6,4kmの一級河川です。
北川水系ではこれまで昭和28年、昭和34年、昭和47年、昭和57年にみられるように幾多の水害に見舞われてきました。最近では平成16年の台風23号により浸水被害が発生するなど、治水対策は十分な治水安全度を有していない状態にあります。
一方、昭和53年、平成2年、平成6年に干ばつにより大きな被害を受けています。
特に、平成6年の夏季には、若狭地方において異常渇水が発生し長時間にわたり上水道の断水による取水制限が行われるなど多大な被害が生じました。
河内川ダムは、平成27年事業費23億9000万円でダム本体の堤体工コンクリート(38.8%)工事行われていて、平成31年完成の予定です。
小浜市は昨年度より、小浜市平野地下水調査を行っていて、27年度は地下水循環の解明、地下水収支と様々な環境、条件変化を想定した予想解明、地下水利用の継続のための政策検討を等を、総括をすることになっています。
私は、7月22日~23日に愛媛県西条市に地下水を上手く水道事業に活用されておられる先進地視察に行きまして、これからの水道事業への工夫を模索して発表できたらと考えています。
一方で、「水は「食」の基本であり、「食のまちぢくり」を進める小浜市にとっても重視すべき資源だと思います。
越山若水」の言葉もあるように若狭は全国に誇れる水が豊かな地であります。
「名水]とは、特に良好な水質と水量を保ち続けて古くから土地の財産となってきた湧水・地下水・河川などをいいます。
その水質の良さから茶の湯や酒造、稲作などで使われることも多くあります。
しかし「名水」といえる水の明確な基準は存在せず、また必ずしも飲料に適するとは限らないとされています。
「昭和の名水百選」(1985年)瓜割の滝(若狭町)お清水(大野市) 鵜の瀬(小浜市)
「平成の名水百選」(2008年)本願清水(大野市)雲城水(小浜市)熊川宿前川(若狭町)
「ふくいのおいしい水」44箇所にも小浜市では雲城水、鵜の瀬、滝の水、津島名水が認定を受けています。
沿岸は湿地や河川・湖など水産資源が豊富で河川が運ぶ栄養(窒素、リン、ケイ素)の影響が大きいといされ、海底からの湧き水の役割について注目されています。
昨年福井県立大学の若狭湾内に湧き出る地下水について特性や生態系への研究発表によると、山の豊かな森林からのミネラルを含んだ地下水が生まれ、湾内に入ってくる淡水の約2割を占め、おいしい水がつくられ豊かな海産物に恵みをもたらしているということです。
水は森羅万象の源とされ、人類の歴史は、水の恵みにより始まり生活や文化、経済の発展の基礎には水の存在があります。
近年、都市部への人口集中、産業構造の変化、地球温暖化に伴う気象変動等の様々な要因が水循環に変化を生じさせています。
地域社会には健全な水循環を維持回復させることの重要性を、このレポートをまとめながら痛感した次第です。
今後も小浜市の水道事業のあり方や、名水を活かしたまちづくりを発表出来たらと考えていますので、ご期待下さい。
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