若狭町と滋賀県高島市を結ぶ琵琶湖若狭湾快速鉄道(リゾート新線)実現住民の会が新幹線小浜・京都ルートの決定を受けて3月15日に解散いたしました。
昨年12月20日に北陸新幹線小浜、京都が運行主体となるJR西日本が、小浜駅と京都駅を最短距離で結べば最大の経済波及効果があるとして、昭和48年当時の「小浜ルート」に近い[小浜・京都ルート]を提案され一気にまき返し、決定となりました。
二十数年前は、敦賀から以西に新幹線が着くのは30年、50年先とも言われ、閣議決定されている嶺南の夢の新幹線若狭ルートと、10年先だと言われ、時系列の大きく違う琵琶湖若狭湾快速鉄道とを、決して駆け引きの材料にされてはいけないと思いも持ちながら運動をしてきました。
一時は、新幹線は無理だから琵琶湖若狭快速鉄道だと政治家に翻弄さてきた嶺南地方の20数年の歴史を振り返って、いろんな思いが錯綜しています。
私は、37才若狭青年会議所時代のこの新線運動の最初の火付け役としてこいのぼり鉄道運動と称し、未来の子供たちの為にと1994年の5月5日に開催しました。
琵琶湖若狭湾快速鉄道は、環境にやさしい電車、通勤通学が可能になれば京阪神の大学に通う学生の仕送りがなくなり、親の負担の軽減、さらに企業誘致がなされた時の社員、小浜病院の先生等優秀な人材が、大阪から75分京都から55分で来てもらえます。
便利なところに人は集まり、地元に帰ってくる人も増えますと活動してまいりました。
夢を追い続けて琵琶湖若狭湾快速鉄道実現住民会会長もさせていただき、署名活動を小浜連合婦人会の皆さんと共に、数年にわたり署名活動を続けて、福井県知事に署名請願すべきと訴えてまいりました。
2006年には建設同盟会会長の当時の村上市長のもと嶺南自治体、嶺南の商工会議所などが約二十二万六千人分の署名を西川知事、その時の県会松崎議長に署名請願をしています。私も琵琶湖若狭湾快速鉄道実現住民の会の会長として同行いたしました。
そして、小浜に続き、若狭町、高島市でも住民の会ができ、それから数年は機運が高まり盛り上がりましたが、事業主体が決まらず、財源の確保が難しいのに加え、今津の住民以外の滋賀県側が敷設への意欲が低いのもあり進みませんでした。
若狭町での住民の会への説明会で松崎市長から、快速鉄道は、京阪神地域との移動時間の短縮、滋賀県湖西地域との交流拡大による地域の発展を目的に官民一体となって
推進運動を行ってきたが、北陸新幹線が京都駅を経由する小浜・京都ルートで整備されると小浜・京都間は約19分で結ばれ、運賃・料金は2,110円となることから短時
間かつ安価で快速鉄道の目的の大半を達成することになります。
そのため今後は、北陸新幹線小浜・京都ルートの早期整備に力を注ぐことが重要と考え、県や嶺南6市町副首長で構成する嶺南地域鉄道事業化検討協議会で検討し、2月6日の嶺南広域行政組合管理者会で協議した結果、推進運動を中止することで嶺南6市町が合意しました。
快速鉄道推進運動にあたっては、住民の会の皆様をはじめ署名活動や運動資金をご提供くださった方など多くの市民が、期待と情熱を注がれたことは十分認識しており、そのご努力に対し、改めて感謝申し上げます。
北陸新幹線が小浜・京都ルートに決定できたことは、これまで京都・大阪との移動時間の短縮を目指してきた運動の成果のひとつであると捉えております。
今後は新幹線を早期に整備し、小浜・京都・大阪を短時間で結び本市を発展させていくことが、これまで快速鉄道に携わってこられた方への思いに応えることだと考えています。
北陸新幹線の開業時期については、国土交通省による敦賀・大阪間の調査では、着工が平成43年、工期が15年と想定されており、そうなると完成は30年後になりますが、平成42年度末の北海道新幹線札幌開業までの全線整備を目標としており、県とも協力しながら国や関係機関に対して財源確保と早期整備を強力に要請していきたいと思っています。
快速鉄道に求めていた京阪神地域への時間短縮を、新幹線で実現させるため、今後も全力で取り組んでいくので快速鉄道運動と変わらぬご支援をいただくようお願いしいたします。と説明がありました。
琵琶湖若狭湾快速鉄道は関西圏との移動時間短縮や滋賀県湖西地域との交流拡大を目的に推進運動を行ってきましたが、新幹線が整備されるのは早くても15年でも先の話です。
北陸新幹線敦賀開業が平成34年で5年余り、関東や、中京の方面の方は将来、京都に繋がる方面である嶺南地方の美浜町、若狭町はもちろん駅がつく予定の小浜市への興味は大変大きいと推察されます。
観光戦国時代ともいわれる都市間競争に打ち勝つためには、交通インフラをはじめ、いろんな条件整備が必要だと思います。
金沢開業で芦原温泉や恐竜博と沿線観光地が軒並み入込み数が増加しています。
この5年が大きなターニングポイントと捉え、市民の皆さんが夢の持てる小浜市の受入れ態勢づくりを目指して共に頑張りたいと思います。
最後になりましたが、琵琶湖若狭湾快速鉄道実現に向けて、一緒に長きに渡り活動をいただいた若狭青年会議所(JC)、小浜商工会議所の委員会、小浜市身体障碍者福祉連合会、小浜市連合婦人会、小浜市区長会などたくさんの皆さんに御礼を申し上げるとともに、断念せざるお終えなかったことに衷心よりお詫び申し上げます。
本当に、お世話になりましてありがとうございました。