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夫の両親に「末期がん・認知症」が同時に来た!介護ストレス軽減3つのコツ

2021-08-26 15:30:00 | 日記

下記の記事はダイアモンドオンラインからの借用(コピー)です

同居している夫の両親(義父93歳、義母86歳)が、ほぼ同時に「末期がん」と「認知症」になった。夫と私は、2人のケアと仕事の両立におけるストレスを極力減らすため、なるべく合理的な仕組みを整えた。今回は、介護される親も介護する側も穏やかに暮らしていける「三つのコツ」についてお伝えしたい。(ファイナンシャルプランナー、生活設計塾クルー取締役 深田晶恵)
「がん」と「認知症」
高齢化社会ではダブルで来る!
「親の最後の時」について、漠然と「病院」か「介護施設」のどちらかで息を引き取るもの、そんな風に考えていた。
 例えば、70~80代でがんや心筋梗塞などにより病院に入院中に亡くなる…。または90歳を超えて、深刻な病気はないが認知症になり、介護施設で晩年を過ごし亡くなる…。深く考えたわけではないが、周囲の高齢者がそうだったから、親が亡くなるのは病院か介護施設のどちらかだろうと思っていた。
 ところが、同居している夫の両親(義父93歳、義母86歳)が今年に入ってからほぼ同時に「末期がん」と「認知症」になった。しかも、二人とも!つまり、「末期がん」×2、「認知症」×2。「治らない病気」と「認知症」が同時にやってくるとは、想定外のこと。
 しかしよく考えてみると、がんも認知症も年を取るほど発症率は高まるので、同時になっても不思議ではない。「高齢化社会」とはこういうことだと、実感している。現在の医療制度では、末期がんだからといって長期間の入院をさせない。家族としても、コロナ禍の今、入院は避けたい。感染予防対策で家族の面会ができないと、認知症がさらに進む可能性が高いからだ。
 また、末期がんであることが分かってから認知症を発症しているので、今から介護施設に入所するのは難しい。そこで「第3の道」である「訪問診療」を利用することにした。夫と私は、自宅での看取りの可能性があることも覚悟した。
 介護保険の申請・認定、訪問診療の導入までには数カ月を要したが、最近少し落ち着いた。介護保険と訪問診療については解説本がたくさん出ているので、必要なときがきたら、書籍で全体像を知ることはもちろん重要だ。
 私が今回お伝えしたいのは、親に介護が必要になったり、病気になったりしたとき、ケアする家族として少しでもストレスを減らすコツである。あくまでも「わが家のケース」ではあるが、参考になる点があるとうれしい。
 夫と私がストレス軽減のために心掛けたことは、なるべく合理的に仕組みを整えること。ケアしている側の負荷を軽減するためだけではなく、親も「ルーティン」になれば、穏やかに暮らしてくれる。実行したコツは三つだ。
「がん末期」でも
普通の暮らしはできている
 介護ストレスを軽減するための三つのコツについて紹介する前に、わが家の状況を説明しよう。義両親と夫と私の4人暮らし。4人で同居をして22年になる。
義父:93歳。要介護度2
数年前に前立腺がんに罹患し、ホルモン注射で治療をしていたが、今年の3月に近所の総合病院の主治医から「血液検査の結果、骨転移しているようだから、治療はもうしない。緩和治療をしてくれるところを探して」と言われた。突然もう来なくていいと言われたのは、衝撃だった。
身体機能、認知機能は、著しく低下中。
義母:86歳。要介護度1
1年半前にGIST(消化管間質腫瘍)という、発症率が年間で10万人に1〜2人というがんに罹患し、腫瘍切除の手術を受ける。手術後1年で再発・転移した。再発後の治療は、錠剤の抗がん剤を服用(通院のみ)。主治医からは抗がん剤でがんがきれいになくなることはないと言われている。
認知機能低下は1年前からで、短期記憶の記憶力はこの半年でジェットコースターのように低下。3秒前のことでも覚えていない。
 文字で書いてみると、「末期がん」「認知症」とおどろおどろしいのだが、実際の義両親の生活は、3食とも自分で食べることができている。寝たり起きたりも、私たちが介助しなくとも何とか自分でできている。
 本人たちに認知症であるという自覚はないので、「年取っちゃったなぁ」と思っているくらい。よその人が来ると、受け答え抜群のため「お父さんもお母さんも元気そうね」と言われる。
 しかし、一緒に暮らす夫と私にとってみると、日常生活は一変した感がある。病院へ行くのも1人では無理、訪問診療や介護保険の訪問リハビリも立ち会わないといけない。簡単な家事を頼んでも数秒で忘れてしまうし、薬も声がけしないと飲み忘れる。記憶力の低下からか、得意だった料理のレパートリーは五つくらいに減ってしまった。
 そして夫と私は、ケアが増えた分だけ仕事との両立にストレスを感じている。
 義両親は「老いる」ことにとっくに慣れているので、私たちも慣れるしかないのだが…。分かっていても難しい。
高齢者をケアする側の
ストレス軽減「3つのコツ」とは
 さて、お待たせしたが、夫と私が介護ストレス軽減のために実行したコツをご紹介したい。それは、以下の三つだ。
介護ストレス軽減のコツ(1)
通院を減らす
 可能な限り、訪問診療の先生に1本化する。訪問診療導入前は、がん治療で近所の総合病院、血圧コントロール等で近所のクリニック、それに加えて歯科、眼科にも通っていた。義父と義母でそれぞれ通院日や診療科が違うので、それが「×2」だ。週に1~2回、夫と手分けして通院に付き添っていた。
 訪問診療の導入後は、血圧コントロールも診てもらうことにして内科クリニックへの通院をやめた(降圧剤も不要であることが分かった)。歯科は治療の効果がなさそうなので通うのをやめた。眼科は、目薬が半年分引き出しから出てきたので、当面は通院せずに在庫を使うことに。
 結果、訪問診療が月2回、義母のがん治療で総合病院への通院が月1回となり、かなり負担は軽減した。さらに訪問診療の先生の勧めで訪問調剤薬局も導入したので、薬の管理も1カ所に。しかも先生が診察後に処方箋をFAXしたら翌日に薬を配達してくれる。もう、調剤薬局で1時間も待たなくてもいい!
 教訓。お年寄りの話はうのみにせずに、おくすり手帳と薬の在庫を確認すること。本人たちは、ちゃんと毎日服用していると言い張るが、今回調べてみたところ、いろんな薬が驚くほど大量に残っていた。食器棚、テレビ台の下など、保管場所は複数!毎日きちんと飲んではいなかったのだ。
 訪問薬剤師に相談したら、残薬整理をし、残っている薬を1日分ずつ袋詰め(つまり、在庫を活用)してくれて問題は解決した。訪問薬剤師さん、大ヒットでした!
介護ストレス軽減のコツ(2)
医師には手紙作戦
 今年の1月に義両親の介護保険の認定の申請をした。当時は介護保険を申請するほど深刻ではなかったが、親戚から「年齢を考えると申請しておいた方がいいよ。認定には時間もかかるし」とアドバイスを受け、申請をすることに。
 要介護認定には、自治体職員の訪問調査と主治医の意見書が必要だ。主治医の意見書は、それまで20年以上通っていた近所の内科クリニックがかかりつけ医として適切なので、そこを指定。
 しかし、内科では血圧コントロールくらいで、がんの治療は2人とも別の総合病院にかかっている。本人たちに「内科の先生にがん治療していること話した?」と聞くと、「聞かれていないから話していない」と言う。さらに医師の話を理解していなくても、相づちは抜群にいい二人なので、かかりつけ医は認知症であることに気が付いていない可能性が大だと思った。
 かかりつけ医が、末期がんであることと認知症が進行していることを知らずに介護保険の意見書を書くと、要介護認定を受けるのは無理だろう。
 そこで、かかりつけ医に現状を報告する手紙を書いた。がん治療のこと、認知症が進行し、日常生活に支障を来していることなどを具体的にまとめ、「意見書作成の際に参考にしてください」と結んで、クリニックの受付に届けた。
 当時の状況だと「要支援」を受けられるといいなと思っていたのだが、手紙が功を奏したのか、「要介護度1」と「要介護度2」の認定となった。これで介護保険サービスの選択肢は広がった。
 手紙やメモでまとめて医師に渡すのは、他の場面でも役に立つ。例えば、認知症のおかげで起こったトラブルや、がんの再発のことなどは当の本人の前では話にくい。そこでメモにしておき、訪問診療の医師に渡すとサッと読んでしまってくれる。
 介護保険のケアマネジャーには、これまでの経緯や病歴、現在の病状、他に利用しているサービス(訪問診療など)、通院している病院などをまとめたメモを渡すといい。先方がメモする手間が省けるし、訪問ナースや訪問リハビリの人とも共有してもらうと間違いも少なくなる。認知症が進行している親が正確に自分たちの病状や日常の様子を伝えることは難しい。
 親と同居していなくてもできることなので、「手紙やメモを書く」のはお勧めだ。訪問診療を導入してルーティンとして慣れるまでが、時間も取られ、ストレスフルだった。
 しかも、訪問診療も介護保険サービスも、ビジネスの世界とは勝手が大きく異なるので、それもストレスになり得る。実際、私も「なんでこうなるかな!」と感じる場面は多々あった。「メモ作戦」は、ケアする側のストレス軽減にもなるのである。手紙やメモはもちろんパソコンで打てばOKだ。
介護ストレス軽減のコツ(3)
きょうだいとの情報共有はグループLINEを活用
 夫は3人兄弟で、兄と弟がいる。2人のお嫁さんも含め、みんな親のことを気にかけてくれる。気にかけてくれるということは、しっかり報告もしなくてはいけない。私たちは、グループLINEを活用している。
 コロナ禍ということもあり、たまにしか顔を見に来ることもできないので、病状や検査結果は都度グループLINEで報告するようにしている。深田家は仲良し家族なので、夫と私が話し合って決めたことにほかの兄弟がとやかく言うことはない。しかし、一緒に住んでいないきょうだいが、亡くなる間際や亡くなってから口をはさんできて、もめるという話はよく聞く。
 短くてもいいので、変化があったら都度報告。そうすれば、後のきょうだいトラブルを避けることができるし、なにより親の状況を知っておけば離れて暮らす子どもは安心できるようだ。
 報告を受ける側の心得としては、報告を受け入れ、同居でケアしている人を労うこと。あれこれ口出しすることは極力避けたい。北海道の母のそばには姉が住んでいて、電話で聞かされることに異論があることもあるが、ぐっと言葉を飲み込むようにしている。意見すると「そばにいないくせに」と姉がムッとするのは想像に難くない。傾聴と同意を心がけ、ひたすら聞くように努力する。
子育てと違う親のケア
終わりの時期が分からない
 93歳と86歳の義両親は割と元気に暮らしているが、病気の進行を考えるといつ急変してもおかしくない。一方で、がんと付き合いながら、この状況が5年以上続くこともあり得ると思っている。
 夫と私が親をケアする期間がどのくらいになるのか想像もつかないからこそ、できるだけストレスをためない生活をしたいと思っている。
 もしかすると、これを読んで「よくできたお嫁さん」と思う人がいるかもしれないが、20年以上一緒に暮らし、結婚以来25年間も義母に夕飯を作ってもらっていたので、これくらいしないと罰が当たるのだ。
 嫁という概念はなく、「家族」。わが家のお年寄りには腹が立つこともあるし、やってられないと思うこともあるが、そういうときは、家飲みで憂さ晴らしをする。その日のストレスは、その日のうちに解消する。
 最後に男性読者へ。自分の親だからと自分だけで抱えるのもよくないし、奥さんに丸投げもよくないですよ。「ワンチーム」を心がけてくださいね。そして奥さんの愚痴も聞くのも大事です。
深田晶恵:ファイナンシャルプランナー(CFP)、生活設計塾クルー取締役



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