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年齢を重ねても丈夫な骨をキープするには、たんぱく質やカルシウムだけでなく、運動で骨に負荷をかけて、骨を作る働きを高めることが不可欠。最新研究でわかった骨密度を高める運動を元に、日常動作を「骨活」に変える方法を紹介します!
・骨をキープするには、階段の上り下りにコツがあった
平均的な日本人女性の骨密度は45歳ごろから下がり始め、55歳までにピーク時の80%にまで落ちるという。運動などの対策をしないと65歳で大半の人が骨粗しょう症になる。だが“老化現象”とあきらめるのは早い! これを防ぐカギとなるのが「筋肉」だ。
東北大学大学院の永富良一教授は、「筋肉の収縮時にはカルシウムが不可欠。不足すると骨に蓄えられたカルシウムを消費するため、骨は弱くなる。その一方で、筋肉が動いて骨に負荷や衝撃が加わることで、骨の強度が維持される」と説明する。
そこで骨を強く保つのにまず行いたいのが、運動不足で弱りがちな下半身の筋肉の強化。永富教授が薦めるのは、階段の上り下り運動だ。上りでは1段抜かしで足を高く引き上げて、骨粗しょう症の影響を受けやすい大腿骨周辺の、太ももやお尻の筋肉を大きく動かそう。
point1■下半身の筋力を強くする
骨は、加わる刺激が大きいほど丈夫になる。その決め手が、筋力だ。筋肉が収縮すると、骨は圧縮されてしなる。その負荷で骨を形成する骨芽細胞が活性化し、骨を作る作用が高まる。脚や股関節まわりの大きな筋肉を強化して、衰えやすい下半身の骨密度アップをはかろう。
「骨の強度は、筋力に比例する。忙しくても、日常動作を意識して変えることでトレーニングにできる」と話すのは、骨粗しょう症の治療に詳しい慶友整形外科病院・骨関節疾患センターの岩本潤センター長。また、階段を下りるときは、骨にしっかり衝撃を与えるのがコツ。「骨に力学的な負荷がかかると、骨を作る骨芽細胞が活性化する」。
point2■骨に衝撃を加え、骨形成を活性化
骨を丈夫にするもう1つのポイントは、外部からの衝撃。階段の下りでは下半身に重力が加わり、骨にひずみが生じると、骨芽細胞が活性化して骨が強くなるという。効果を期待できる目安は1日で階段50段、建物なら3階分とされる。下半身に衝撃が伝わるように、足裏全体でしっかり着地するといい。
階段の上りでは骨を強くする筋力をアップ
1段抜かし上り「骨パワーウオーク」
【背すじを伸ばして足を高く上げる】
天井から吊られるような感覚で背筋を真っすぐ伸ばし、片足を高く上げながら1段抜かしで階段を上る。前のめりにならないように注意しながら、腕を大きく振って体を引き上げるように上る。
階段の下りでは足裏に衝撃を与えて骨を育てる
足裏ドン! 下り「骨パワーウオーク」
【足裏全体を使って衝撃を受け止める】
背すじを伸ばして片足を踏み出し、足裏全体で体重を受け止めるように着地。ひざは痛めないように軽く曲げるといい。腕はラクにして体幹がぶれないよう注意しながら1段ずつ下る。1日50段が目安。ケガをしない範囲で行って。
■太もも、股関節まわりの筋力を強くする
階段の1段抜かし上りは、通常より脚を高く上げることで大腰筋や大腿四頭筋を強化できる。また、脚を上げた時に片脚でバランスをとることで、お尻の横側の中殿筋も鍛えられる。一方、下りでは、体重を受け止める際に大腿四頭筋やもも裏のハムストリングスにも負荷がかかる。
永富 良一
東北大学大学院医工学研究科・医学系研究科教授
医工学研究科長、専門は体力科学、健康科学、スポーツ医科学。日本体力医学会理事、日本臨床スポーツ医学会監事、ヨーロッパスポーツ科学会議学術委員、日本スポーツ協会公認スポーツドクター。
岩本 潤
慶友整形外科病院 骨関節疾患センター長
慶應義塾大学医学部卒業。専門は整形外科、スポーツ医学、骨代謝学、骨粗しょう症。「Exercise is medicine(運動は薬なり)」を理念に運動と骨の研究に従事。
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