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入浴、運動、スマホ制限…「深い睡眠」にひと工夫

2021-09-29 12:00:00 | 日記

下記の記事は日経ビジネスオンラインからの借用(コピー)です。

「睡眠」には、脳内の代謝副産物を洗い流す機能がある

何か言いたい老いぼれ
 睡眠時間と認知症発生比率に相関があることは理解できるが、因果関係は何とも言えないのではないだろうか? 認知症になった結果睡眠の質が低下し、よく眠れないので短時間寝た後起きてしまったり、逆に長時間寝床から離れられなかったりするということも考えられるのでは?
 前回、中高年の「睡眠」は、後々の認知症発症に影響する、という研究結果をご紹介しましたが、実はその因果関係についても、2019年、学術誌「サイエンス」に掲載された米ボストン大学の論文で明らかになってきています。
 「何か言いたい老いぼれ」さんのように、科学的な因果関係をより詳しく知りたい、という方が多くいらっしゃると思いますので、きょうはまずその紹介から始めたいと思います。
 ローラ・ルイス氏が率いるボストン大学の研究チームは、睡眠中の脳内で、アルツハイマー病の原因の一つとされるβアミロイドなどの物質が、「脳脊髄液のゆるやかな大波」によってまるで洗い流されるかのように除去されていることを突き止めました。
 ヒトがノンレム睡眠(深い眠り)に入ると、すべての脳内ニューロンが静かになり、一時的に活動をやめるので、必要とされる酸素量が減少します。その結果、脳への血流量が少なくなり、その空白を埋めるように脳脊髄液が大量に流れ込み、たまったβアミロイドなどの代謝副産物を洗い流している現象が起きていることが分かったのです。
 起きているときや睡眠が浅いときには、すべてのニューロンがオフになることはないため、脳血流量が十分に下がりません。深い睡眠によって脳血流量が十分に下がらなければ、脳脊髄液の大きな波が代謝副産物を洗い流すこともないわけです。
「睡眠時に脳脊髄液が活発に動くとの研究も」
出所:https://science.sciencemag.org/content/366/6465/628
 深いノンレム睡眠を確保することは、細胞の再生につながる成長ホルモン分泌量を上げるだけでなく、「脳脊髄液のゆるやかな大波」による<脳内お掃除>を着実に行うという意味でも、私たちの健康維持に極めて重要なのです。
ノンレム睡眠の深さを決めるのは「深部体温の低下」
 このノンレム睡眠は、下記「睡眠のメカニズム」でも図示されているとおり、基本的には入眠後早い段階で訪れます。
「深い睡眠は入眠後すぐに訪れる」
出所:厚生労働省 e-ヘルスネット「睡眠のメカニズム」
[画像のクリックで拡大表示]
 この「ノンレム睡眠」の深さを決めるのは、実は「深部体温(体内の温度)の低下」である、ということが最近の研究で明らかになっています。つまり、就寝時に「深部体温がきちんと下がる」状態をつくることが、深いノンレム睡眠に入るために重要だということです。
 赤ちゃんの手足は眠くなるとポカポカ温かくなる、ということは皆さんご存じだと思いますが、実はこの現象は、手足から体内の熱を外に逃がすことで「深部体温」を下げ、体全体の代謝を下げている証左です。深部体温が下がって体全体の代謝が下がると、続いて脳温が下がり、スムーズに深いノンレム睡眠に入ることができます。
 この就寝時の「自然な深部体温低下」を妨げない生活習慣を構築することは、質の高い睡眠を確保する上でとても重要なのですが、私たち人間の生活は、自然界で暮らしているときより圧倒的に便利になり、今や夜中であっても様々な活動を行えてしまう環境にあります。
 睡眠不足や睡眠の質の低下による、老化や認知症リスクの加速、健康寿命へのマイナス影響を防ぐには、どのような生活を心がけていけばよいのでしょうか。 
 ここからは、ちょっと意識するだけで明日からでも実行できるかもしれない、いくつかの生活の工夫についてご紹介したいと思います。
入眠90分前の入浴、夕方の運動がおすすめ
 まず、深部体温をコントロールする上で手軽に活用できる生活習慣の一つ、「入浴」について考えてみましょう。
 入眠時の深部体温が下がりやすくするためには、寝る90分くらい前に、できれば「ぬるめ」のお風呂に入るのがポイント。先ほどの赤ちゃんの手足と同じ原理で、一旦身体を温めると末梢血管が拡張し、手足の表面からの熱放熱が増え、その後深部体温が低下しやすくなるためです。
 寝る直前にお風呂に入ってしまったり、熱いお湯で体の中までしっかり温めきったりしてしまうと、深部体温が上がってしまうので、深部体温が下がるまでに時間がかかり、しばらく寝つけなくなってしまうので注意が必要です。
 また、運動も同じ原理で、夕方くらいのタイミングで行うと、体内の代謝が良くなり、皮膚表面からの熱放熱がその後も続くので、ちょうど就寝時には深部体温が下がりやすくなるのでおすすめです。
 また、寝るときに寝具や部屋が暖か過ぎると、深部体温は下がりにくくなります。これから寝苦しい夏がやってきますが、そういう場合には、頭や首を冷やして寝ると、環境温度を下げた場合と同じ効果があるという報告もありますので、ぜひ試してみてください。
「スマホは寝る2時間前まで」で、睡眠物質メラトニンを制する
 体温に加え、睡眠に影響するもう一つの重要な環境因子は、「光」です。
 睡眠を促進したり体内時計を整えたりする機能のあるメラトニンというホルモンは、目から入る「光」の刺激によって分泌を抑制されます。
 夜中に蛍光灯やスマホ等の明るい光が目から入り込む生活をしていると、このメラトニンの分泌が必要以上に抑えられてしまい、寝つきが悪くなったり、深いノンレム睡眠を効果的に得たりすることが難しくなります。
 特に、パソコンやスマートフォンから発せられるブルーライトは、可視光(人の目に見える)の中で紫外線に近い波長(380~500ナノメートル)の青色の光で、角膜や水晶体で吸収されずに目の奥の網膜まで届く強い光です。夜遅くまでパソコンを操作していると、画面から発せられるブルーライトが目を刺激して、いつまでも昼間の状態が続いていると認識して、メラトニンの分泌が抑制されてしまうのです。
 夜生活する部屋の明かりは少し暗めの照明を。少なくとも睡眠2時間前からはパソコンやスマホは見ないようにする。そして、朝すっきり目覚めたら、太陽の光をたくさん浴びる。
 そんな生活ができれば、睡眠物質メラトニンが体内リズムをしっかり調整してくれ、質の高い睡眠を確保できる確率は格段に上がっていくでしょう。
「パワーナップ」は30分、午後2時までに


K.Gotou
情報処理技術者
 (妄想です)***** 会社や自宅の机の上にセンサーがついていて、腕を机に載せているだけで、「成長ホルモン」の増減が分かるようになっています。上司や家族の人が机の色かなにかで、「あっ、この人、ちゃんと寝られていない」と発見することができるのです。そうすると、「ちょっとでも、そこでうたたねしてくださいな」とやさしく声をかける。その声をセンサーが感知して、人工知能の力を借りて眠りにいざなう音を耳に届ける。机に腕を置いている人は、ゆっくりとうたたねに入る。「成長ホルモン」ががぜん働き出し、わずか5分のうたたねで「元気に仕事に日常に向き合える」のです。*****
会社でうたたねしている人を起こさない。これが、大切です(笑)
 K.Gotouさんのおっしゃる通り、「昼寝(パワーナップ)」の絶大な効果は、最近様々な研究で科学的に実証されています。
 米カリフォルニア大学の神経科学者マシュー・ウォーカー氏の研究では、入眠20分ほどで訪れる軽い睡眠レベルの「ステージ2」は、脳内の「キャッシュ・メモリー」がクリアされ、情報を整理・記憶したり、優先順位をつけたりする脳のワーキングメモリーが強化されることが明らかになっています。これを裏付けるように、米航空宇宙局(NASA)の実験でも、昼26分間の仮眠で、被験者の認知能力は34%、注意力は54%も向上したと報告されています。
 ただし、このパワーナップ、30分を超えてしまうと「深い眠り」に入ってしまい、起きてからしばらくぼうっとしてしまいますので、最も効果的なのは30分以内。夜の睡眠に悪影響がないように、午後2時までに済ませてしまうことが重要です。
 また、この仮眠はあくまでも「シャキッとする」効果があるだけで、成長ホルモン分泌不足や脳のお掃除機能不足といった、夜の深い眠りが十分でないことによる睡眠負債を抜本的に解消することはできませんので、どうかご注意を。
長期的な睡眠戦略が、私たちの未来を決める


Ishiura Yasuo
デザインSV
 米国の学生スポーツ界では、「睡眠」を長期的戦略として活用しています。日本でも、あらゆる業界で始まっています。10年後には、勝ち組と負け組が、ここでも生まれると思います。
 これまで見てきた通り、「睡眠」にどう向き合うかは、私たちの老化スピードや健康寿命に大きく影響することが分かっています。Ishiura Yasuoさんによれば、最も勝負に厳しいスポーツ界では、すでにこの「睡眠」を長期的戦略として活用しているとのこと。
 私たち自身も、短期的な仕事や目の前のタスクに追われるだけではなく、中長期的な観点で「睡眠」に向き合い、超高齢社会になっていくこれからの未来を、健やかで豊かなものにしていきたいものですね。



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