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「筋肉に裏切られない」ために、絶対に知るべき最新栄養学

2020-12-12 09:05:32 | 日記

下記の記事はダイヤモンドオンラインからの借用(コピー)です

運動前にアボカドを食べたほうがいい理由
 世の中の常識はいつも科学によって覆される。脂肪は太る、脂肪は悪、そんなことを言われたのも今は昔。アスリートにとって、今や脂肪は味方である。
 運動をすると筋肉中のグリコーゲンが消費され、グリコーゲンが枯渇すると筋肉疲労が始まる。グリコーゲンは糖質なので炭水化物や糖、インスリンの分泌を高めて筋肉へのグリコーゲンの補充を早めるにはタンパク質が必要だ。
『運動後の糖質・牛乳混合物の摂取がマウス骨格筋および肝臓におけるグリコーゲン回復に及ぼす影響』(稲井真ら・〈NPO〉日本スポーツ栄養学会)によれば、30分間の運動をさせたマウスに牛乳と糖質を混ぜたドリンクを与えたところ、糖質だけを与えた場合よりも筋肉中のグリコーゲン濃度が高くなった。疲労回復にはタンパク質と糖分なのだ。
 こうしてタンパク質と糖分が疲労回復や筋肉増加に必要と思われていたが、日清オイリオグループ株式会社・中央研究所が高齢者を対象に脂肪酸と筋力の関係を調べたところ、中鎖脂肪酸油を摂っていたグループは体重、握力、歩行速度などの向上が見られた。中鎖脂肪酸油にも筋量・筋力を増やす働きがあるらしい。
 中鎖脂肪酸はココナツオイルや母乳に含まれる油の一種で、消化吸収が早く、エネルギーになりすい。同研究所によれば、同じ量であれば、料理に使うサラダ油をココナツオイルに変えると体脂肪は低下する。油で太るは間違いで、種類によってはやせるわけだ。
 疲労回復といえばアボカドである。
 2020年7月に発表されたブラジルのサントアンドレ大学とサンパウロ州立大学・自律神経系センターの研究で、運動前にアボカドを食べると交感神経から副交感神経への切り替えが素早く行われることがわかった。
 運動を始めると交感神経が活発になり、全身が闘争状態と呼ばれるモードに切り替わる。心拍数と血圧が上がって血流が増加する。運動が終わると血圧を正常に戻すために体をリラックスさせる副交感神経が働き始める。
 アボカドを摂取したグループは運動後5~10分で副交感神経が活発化したが、しなかった群は45~50分後まで交感神経が優位な状態が続いた。血圧と心拍数が平常値に戻るまでの時間も早く、アボカドは疲労した体を素早く回復へと向かわせるらしい。
運動のパフォーマンスを上げる栄養とは
 ドーピングに当たらない範囲で、どんな栄養を摂ればスポーツのパフォーマンスが上がるのか、興味深いテーマだろう。
 2020年9月17日にスペイン・ミゲルヘルナンデス大学のスポーツパフォーマンスと栄養の関係についての論文が公開された。
検証されたのは、一般的にパフォーマンスを上げるとされるカフェイン、クレアチン、重炭酸ナトリウム、アルギニン、シトルリン、グリセロール、ビート根ジュースである。対象としたスポーツはテニス、バドミントン、パドル、スカッシュ。
 このうち、明確なパフォーマンス向上効果が見られたのはカフェインのみ。試合の30~60分前にカフェイン(3~6mg/kg)を急性投与すると、成功したショット数や握力、サーブの速度が向上した。スポーツ前にカフェイン入りのドリンクを飲むのは効果的なのだ。
 最近、ユーグレナの名前で売られる健康食品がよく目につく。ユーグレナがミドリムシの別称で、動物と植物の両方の性質を持ち光合成しつつ動き回る微生物というのは、中学校で習ったはずだ。
 そのミドリムシが栄養豊富な食品として評価されているのだが、ミドリムシに特有の成分としてパラミロンという物質があり、食物繊維と似た働きをする。お腹の調子が良くなったり、免疫系の過剰反応を抑制もする。ウイルスの増殖も抑えるらしいので、腸内環境を整えて免疫を助けるのかもしれない。
 これが疲労回復や免疫力に関係し、パフォーマンス向上に役立つようなのだ。
 スポーツによる交感神経の亢進は血中のアドレナリン濃度を上昇させる。運動強度が高まるとアドレナリンの分泌も増えるが、アドレナリンは緊張状態を生み出すホルモン。適度な緊張はパフォーマンスを高めるが、ガチガチになると逆にミスが増えるのは誰もが経験したことがあるだろう。自律神経が適度に高まった状態でのプレーが一番いいわけで、それにはアドレナリンの分泌を制御する必要がある。
 名古屋市立大学大学院システム自然科学研究科(現・理学研究科)の奥津光晴准教授によると、パラミロンにはアドレナリン抑制作用があるのだそうだ。これはマウスに2週間与えて、強度の運動後に血中アドレナリンが下がったという研究結果なので、試合前にユーグレナを飲めばいいというものではなく、一定期間は飲み続けないと効果は出ない。
 株式会社ユーグレナが実施したヒト臨床試験でも、ユーグレナ粉末の継続摂取が作業ストレスを軽減し、緊張感を抑えることがわかった。そこで現在、プロサッカーチームのTOKYO CITY F.C.と協力して、選手に石垣島ユーグレナ粉末のカプセルを摂取させ、アスリートのパフォーマンスにどのような影響があるのかの実証研究を進めているという。
 面白いことにパラミロンにはダイエット効果もある。大妻女子大学の青江誠一郎教授らによると、マウスにパラミロンを摂取させたところ、血糖値の上昇が抑えられ、脂質代謝を調節する主要調節遺伝子の発現が上昇、脂肪酸の分解が促進された。パラミロンには肥満を予防する効果があるらしい。ボディービルとウェートコントロールは切っても切れないだけに、ミドリムシ恐るべしである。
プロテインはいつ飲むのが正解か
 体を鍛え始めると、気になるのがプロテイン。最短で筋肉を増やすためには、いつ、どれだけの量を飲むのが正しいのか。
 国際スポーツ栄養学会では、タンパク質の摂取量や摂取のタイミングを発表している。吸収率が高いとされるホエイプロテインのような高品質のタンパク質の場合、20~30グラム、または必須アミノ酸なら10グラムを3~4時間ごとに摂取すれば、筋肉のタンパク質合成を最大化できるのだそうだ。
 ハードなトレーニングをする場合は摂取量をある程度増やしたほうが筋肥大効果も高いが、通常は体重1キロあたり1.08グラム、体重60キロなら60グラム強を1日に3回程度に分けて摂取する。運動強度を極端に上げない限り、たくさん摂っても筋肥大にはつながらない。またトレーニング前と後では、トレーニング直後の方が骨格筋肥大の効果を高めるという。
 余談だが、東北大学と宇宙航空研究開発機構(JAXA)は今年9月、宇宙ステーションに送ったネズミの研究で、「Nrf2」という遺伝子に加齢変化を抑える機能があることを発見したと発表した。
 宇宙空間では重力がほぼないため、若くても骨粗しょう症になる。筋肉は衰え、循環器系は障害を起こす。これは老化と同じだ。骨のカルシウム減少から逆算すると、地上の10倍の勢いで老化が進むことになる。とてもではないが、現状で人間が宇宙で暮らすなど夢物語なのだ。
 しかし今回、生物の体が宇宙での老化に対して、対抗するNrf2遺伝子を発動させることがわかったのだ。Nrf2遺伝子は糖尿病やアルツハイマー病の治療のために研究されているが、加齢変化を抑制できるのなら、不可能と考えられてきた若返りさえ可能になるかもしれない。近未来において中年太りは過去の話となり、70歳でシックスパックも夢ではないかもしれない。



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