下記の記事はAERAdotからの借用(コピー)です
物忘れが多い、認知症かも……。そんな不安の原因は、脳にたまった“ゴミ”かもしれない。脳のゴミ掃除は、病院に行ったり、薬を飲んだりする必要はない。ゴミ出しに効く食材を取り、質の良い睡眠などを心がけることで、ゴミは取り除けるという。何歳からでも遅くはないが、継続が大事だ。
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脳神経内科の内野勝行医師は「脳のおそうじスープ」を薦める。脳にゴミをためる原因となる活性酸素を除去するリコピンを含むトマトや、同じく抗酸化成分のアスタキサンチンが豊富な桜えびなど、脳の掃除に効果的な食材がたっぷり入ったお手軽料理だ。
卵も優れた食材だ。炭水化物があまり含まれておらず、卵黄にはコリンという成分があり、脳内の重要な神経伝達物質であるアセチルコリンの材料になっているという。
認知症予防の観点では発酵食もお薦めだ。
「アルツハイマー病患者には血管に問題がない人はいません。発酵食が血液をサラサラにする効果は臨床的にも証明されており、中でもベストは納豆です」(同)
卵と納豆を組み合わせる際に、キムチも一緒に混ぜたい。血液をサラサラにする自然乳酸菌が多種類入っている。
「食生活を改善すれば、アミロイドβはゼロにできます。かつてオランダ人女性が115歳で亡くなり、脳を解剖するとアミロイドβがほぼなかったという結果がありました。つまりクリーンな脳を保てるということです」
睡眠も脳の掃除に重要と説くのは、長尾クリニック院長の長尾和宏医師だ。アミロイドβは睡眠によっても減ることがわかっていて、睡眠不足が続くと排出が進まず、ゴミが沈着するという。
「睡眠は量だけでなく質も重視してほしい。深い眠りであるノンレム睡眠80分と浅いレム睡眠10分の計90分を5回繰り返した7.5時間が理想的な睡眠です」
人によって最適な睡眠時間は異なる。良質な睡眠の判断材料は起床時の「よく寝た」「すっきりした」という熟眠感があるかどうかだという。
「無理して長く寝る必要はありません。量を意識しすぎて、入眠のために睡眠薬やアルコールに頼るのは熟眠感を生む睡眠リズムの障害になるのでNGです」
■歩きながら計算 2動作を同時に
快適な入眠のために最適なのが日中の歩行だ。
「ただ歩くのではなく、50から3を引き続ける引き算を口に出しながら歩くなど、頭と体を同時に動かすコグニサイズが有効です。二つの動作を同時に行う習慣を続けると、アミロイドβが減ることが証明されています」
脳の衰えを防ぐために「脳トレ」と呼ばれるパズルなどに取り組んでいる人も多いのではないだろうか。しかし、内野医師は、こう指摘する。
「欧州の研究などでは、脳トレには認知機能低下を防ぐ効果はないとするデータや、科学的根拠が不十分であるとする発表があります。効果があると信じ切って、義務感で続けているとすれば意味がありません」
もちろん自身の趣味として続けている分には問題ない。メカニズムを理解したうえでの対処が大事なのだと内野医師は強調する。
紹介した方法は何歳からでも効果はあるとのこと。習慣づけることが大切だ。(本誌・秦正理)
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