Million Dollar Baby

監督、出演はクリントイーストウッド

脇役のディーゼルワシントンが好い味を出している
主演のヒラリー・スワンクは冒頭の場面から運動神経の悪さを演じているが
却って器用さを感じさせる身体能力の持ち主であることが見て取れる

話が進むにつれてそれは万人が感じ取れるはず
徐々に相手のレベルが高まるのを上手く演出しているくせにラストファイトは
荒唐無稽
実際の団体名を出しているがよくＷＢＡが文句をつけなかったもの
最近の動向から何でもありのところだからそれどころじゃないか

ともあれ、そこから事態は悲惨さだらけ
結局は尊厳死問題で字幕が出てくるが個人的にはストップの遅いレフェリング
あるいはリング禍の後の状況がどうなるのか

後楽園ホールでストップが早いとか言う人はその人の正直な感想だろうから
とやかく言わない
が、少なくとも高橋ナオトの最後の試合をホールで見た人は
早めのストップに文句は付けないだろう

別の時でもリングから担架で退場した選手の腕がダラッと落ちた時
救急車のサイレンが観客席まで聞こえてきた時
場内アナウンスで担架に乗せられた選手の親族が呼ばれた時

それらを実際に見てしまった自分は改めて健康管理の徹底を願うばかり
競技者たるもの、これで命掛けてもいい
との想いにはなってしまうが誰しもチューブ付けで延命される可能性を今一度
わが身に置き換えて想像してみる必要が今後訪れるだろう