「里芋・生姜の保存の仕方」
栽培敷地内・畑に保存!生姜は簡単には取り出せず!
2022年11月14日
【始めに】
本レポートは、里芋・生姜の保存の仕方を記したものである。生姜については、生姜専用の室(ムロ)を作るのではなく里芋のムロを利用して保存する方法をとっている。
里芋については、「種芋の保存の仕方」と「随時掘り起こせる(調達出来る)保存の仕方」について2点記述する。
本「保存の仕方」は、神奈川県西部地区(例年最低気温0°C程度)に置いて個人的に実績を評価した上で記述した物で、地域、異常気象などを鑑みる必要がある。(住んでいる環境・標高・北緯・地形を考慮する必要がある。)
また、記述内容は全て個人的見解であり注意が必要である。m(_ _)m
《目次》
・1.用語の説明
・2.ムロに保存する必要性
・3.種芋の保存の仕方
3.1 保存する対象物の処理
3.2 ムロを造る
3.3 ムロに保存する
・4.随時掘り起こせる保存の仕方
4.1 保存する対象物の処理
4.2 簡易ムロを造り保存する
4.3 随時掘り起こす
・付録
では、目次に従って
1.【用語の説明】
此処でいう「ムロ」と「簡易ムロ」の定義
・「ムロ」:畑の敷地内で穴を掘って造った収納庫を指す。
・「簡易ムロ」:生育した畝の上に土を盛り上げた簡易収納庫を指す。
収納した里芋・生姜の成長過程は、下記URLを参照
2.【ムロに保存する必要性】
ムロの必要性は
1:種芋の保存→ 来期の種芋(種生姜)として購入せずに自分の物が使える。
2:長く調達できる→ 必要なときに掘り出して新鮮な里芋を調理できる。ということは→ 沢山造っても消費できる。
以上のようにムロを造る価値はある。
3.種芋の保存の仕方
3.1【保存する対象物の処理】
ムロに保存する対象物の前処理について記述する。
(1)土垂れの場合
土の中にある状態のまま掘り上げるのがこつです。
手順①:茎の根元を鎌でカットする。
②:土の中にある状態のまま掘り上げる。
③:手である程度砂を落とす。(親芋は食べないが親芋を付けたまま保存する。また、親芋を種芋として使う事も出来る)
④:保存している最中に茎から腐る可能性を排除するため、茎は出来るだけ包丁でカットする。
⑤:ばらけてしまった小芋はネットに入れてまとめて保存出来る状態にする。
以下の写真の状態でムロに入れる。
(2)八つ頭の場合
土の中にある状態のまま掘り上げるのがこつです。
手順①:茎の根元を鎌でカットする。
②:土の中にある状態のまま掘り上げる。
③:小芋をもぎ取り、手である程度砂を落とす。(小芋をもぎ取る必要性はないが、取れやすいので私の場合はネットに入れてまとめている)
④:親芋は保存している最中に茎から腐る可能性を排除するため、茎は出来るだけ包丁でカットする。種芋として使用できないため食用として保存する形となる。(茎をカットしすぎないように注意必要)
⑤:ばらけてしまった小芋はネットに入れてまとめて保存出来る状態にする。
以下の写真の状態でムロに入れる。
八つ頭の小芋は、そのままネットにまとめて保管する。
小芋を種類別にネットにまとめる。
(3)生姜の場合
生姜は茎と根の部分をはさみでカットして、適当な箱に詰める。
藁を一面に敷く
密閉しないように蓋をして(蓋が藁で浮いた状態)2本の紐で結ぶ
紐で結ぶ必要性は、取り出すときに取り出しやすくなるため(紐で持ち上げられる)
この状態でムロに収納する。
3.2【ムロを造る】
畑の一画に穴を掘る。縦:横:深さ=約70cm:約120cm:約80cm
穴から出られなくなるので踏み台を用意した方が良い。
保存するには深さが重要で約80cmとしているが、縦・横については穴に入って作業する上で必要なサイズとなる。
更に、種生姜を入れた箱を入れるために、箱の大きさ分掘り下げる。
3.3【ムロに保存する】
①生姜の箱を穴に保存する。
紐は取り出すときに使うので残しておく
蓋の上に藁を敷いて、換気用の藁を角に立てる。
生姜のムロの空間を作るために板(写真は波板)で塞ぐ。
波板の上に10cm位土を被せて生姜の処理は終了(被せた土の下部には、生姜のムロの空間が出来ている)藁で2カ所の換気口
②里芋を保存する
穴の四角に換気用の藁を設置した後に里芋を投入する。逆さにして入れろとか書いてあるのもありますが、私は意識せずに入れている。
芋は2重、3重でも問題なく平らになるように入れる。(生姜の存在を無視して生姜の上にも載せる)
ネットに入れた里芋は何処に入れても問題ない。
最後に生姜と同じように藁を一面に敷く(藁はムロの湿度調整のためであった方が良い)
藁の上に板を敷き詰める(ムロの空間を作るため)
土を入れて完成です。ムロの中に雨水が入り込まないように土を高く盛り上げます。換気用の藁が頭を出すような形となる。穴に入れる土の量は、50cm程度となる。
最後の最後に、雨除けのトタン板を載せて終了
4.【随時掘り起こせる保存の仕方】
本保存の仕方は里芋だけに有効となる。生姜でやってみたが、寒さで腐ってしまった。
実施時期は、霜が降りる前に行う事!!!
4.1【保存する対象物の処理】
(1)里芋の茎が倒れてきた段階で行う。茎の根元から茎をカットする。
(2)畝の周りの藁などを取り除く
注)里芋については生育状態のままで一切手を触れない(茎をカットするのみ)
4.2【簡易ムロを造り保存する】
本方式は、里芋が凍ってしまうリスクがある事を肝に銘じて下さい!
(1)畝の上に15cm程度土を盛り上げる
盛り上げる土の量が少ないと芋が凍ってしまう。
(2)取り除いた藁を盛り上げた土の上に載せる。他に載せる事が出来る不要物があれば載せる。(寒さ除け、霜よけとなる)
完成写真
(3)更にその上に、雨除けとして波板を載せて終了となる。
注)今までの経験(私の畑では)では、波板がないところでも保存状態に問題はなかった。
写真奥が波板を使った部分
4.3【随時掘り起こす】
調理したいときに端から必要な分だけ掘り起こせば何時でも新鮮な里芋が食べられる。
注)春まで調達可能なので種芋にも利用可能な簡易ムロですが、万が一のために穴を掘って種芋を保存している。
【付録】
此処からは、保存した種芋が春先にどうなっているか結果の報告となる。
1.ムロの外観
ムロは畑の一角に作ってあります。雨の侵入を防ぐため、盛り土をし、板を被せてあります。(下記写真)
四角に換気用の稲わらを指しています。
板を取った写真が下記
2.種芋の掘り出し作業
土を50cm程掘り上げると稲わらの下から昨年度の里芋が出てきます。
白い部分は、里芋の新芽です。
里芋を掘り上げた下を更にほりあげると生姜が出てきます。
全体のムロの感じは以下
生姜は寒さに弱いので地中ふかく埋める必要があります。
以上
*あくまでも全ての記述は私個人の見解である。